そこは獣人たちの世界

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第三章

帰宅

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帰ってきたらもう朝だったけどガロもつかれてたようでお互い一緒にゴウさんの借り家で一日中寝てしまった。起きたらまた朝だったからちょっとびっくり。
そして顛末を一応レヴィーアさんにと報告しに行くことになった。本来は遠征報告だけなら王都のギルドでもいいんだけど内容が内容だからなぁ。案の定僕たちが生徒のギルドで受付に行くとすぐにレヴィーアさんのところにと通された。世界竜が話を通しておくっていてったからね。

「さて、ガロ、キオ、其方らの活躍によりSSランクであるベラルがギルドにふさわしくないものとしてとらえることができた。また世界竜も満足し住みかにと帰っていかれたようだ。感謝する。」

「世界竜のほうはキオの件を住ませたかっただけだったようですが、まさかベラルが貴族であのようなことをしてくるとは思いませんでした。」

「そうじゃの、問題行動があったのを知っておったのはおそらく妾とゴウとディヴァンくらいじゃろう。」

「そう、なんですか。」

知っていたなら話してほしかったとも思ったけど、そもそもどこでどういう行動してるかなんて知らなかった可能性もあるのか。SSランク同士である程度情報共有はしてただろうけど、暗躍してたなら詳細報告なんてするはずがない。

「それでここに飛ばしたと世界竜が言ったのですが、すでに部屋にはいないようですね。」

「うむ、すでに隔離した。あれは妾でもかなり危険じゃからの。力を出せぬうちに拘束するしかない。顔でも見たかったかの?」

「いえ、もう見たくはないので、ありがたかったです。」

「ガロよ、キオがニンゲンではなくなったとはいえ、力は変わらぬ。その力そのものを求めて狙う貴族や王族がまた出てこないとは限らぬ。もうすこし精進するようにの。」

「はい。」

強くうなずいたガロの表情が一見は変わらなかったけど、目は強く輝いてた。僕も魔持たれるだけじゃなく、もっと精進しないといけないな。

「事が故にこの依頼については妾とディヴァンだけで処理する。受付で詳細な報告はもういらぬ。報酬のみ受け取るとよい。ここでも王都でも受け取れるからの。」

「ありがとうございます。では、失礼します。」

「あぁ、それともう一つ、ゴウからの借り物があるならばゴウのところにもよるようにの。」

「はい。」

帰り際にもう一度受付によって報酬をガロが一括で受け取った。どのくらいのお金になったんだろう?ちょっと気になるような聞きたくないような。でもお金は基本ガロが持ってた方がいい。ガロに買ってもらえてる感があってね。
聖都での用事は終わったわけだけど、そのまま王都には帰れず一度塔の町タイアンにと寄る。目的はイービルロストのゴウさんである。借り家を返さなきゃいけないからね。

「お待ちしておりました。我が主がお待ちです。上へ案内します。」

「おう、準備がいいな。」

ガディアがすでに入り口前で待機していた。レヴィーアさんから何か連絡があったのか、それとも独自の情報網で来ることを知っていたのかはわからないところだけど、待たなくて済んだしいいとしよう。

「何や返しに来たんか!そのままくれてやってもええ言うたのに。」

「聖都にまで拠点がなくても基本的には王都で過ごしますから。どうしてもならこちらで家を買いますよ。」

「なんやつまらんなぁ。まぁええ。んじゃ返してもらうわ。」

返した家のカギは見た目は普通のカギだけど魔力がこもっているらしくあれだけ持ってても所持者であるゴウの許可がなければ鍵は開かないらしい。高価な魔道具なわけだしもち続けてたらなんか無茶振りされそうで怖いから返すのが正解そうだね。
ゴウさんのところで少し足止めを食らって料理をもう一度なんて言われたりもしたけど、昼過ぎには王都にと帰ってこれていた。
王都についたらついたで今度は王都のギルドにと顔を出した。ゴウさんにディヴァンのところにもよれやといわれてしまったからだ。
レヴィーアさんの時のように受付に行けばすぐにマスタールームに行くように言われてしまった。

「いやぁ、ガロほんとお疲れ様。ゴウのやつとは今後もかかわるようになっちまうだろうが、がんばれよ。」

「は、はぁ。わかった。」

「そんじゃ、悪いが全部聞かせてくれ。セリスの奴は席を外させたからな。」

「気遣い感謝する。」

ディバンさんやたらと疲れてそうな感じで席に着いた。それでもしっかりガロの報告を聞く当たりやっぱりできる人なんだろうと実感する。ガロの報告を一通り聞くと深くため息をついた。

「はぁ、結果的にはよかったようだけどほんと俺様とゴウを合わせないためにとセリスが動いたのは悪かったな。」

「いや、そのおかげでキオがニンゲンだからという理由で狙われにくくはなったからな。」

「まぁ元ニンゲンであることには変わらない。気を付けるようにな。」

「あぁ、わかってる。」

レヴィーアさんと同じことを言ったディバンの言葉にまた強くうなづいてくれた。頼もしく思いながら少し日が暮れ始めたころにようやく王都のガロの家に来ると帰ってこれた。やっぱりここが落ち着くようだ帰宅したって感じがひしひしと感じる。セリーヌの町のほうがもっと落ち着けるだろうけど。

「全く、いろいろまわちまってもう結構な時間だな。」

「そうだね。ご飯作るね。」

ちらっとおかれた時計に目をやると夕飯時にもいいような時間だった。キッチンに立ってさっそく料理を始める。狼種のこの体からもう変わることはないようになったけど、ゴウさんの家の時と同じように問題なく腕は動いたし簡単に作り上げることができた。こういうところは何も変わってないんだけど、ようやく僕はここからこの世界に完全になじんでいける。そんな気分だった。
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感想 64

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みんなの感想(64件)

Casper
2025.02.05 Casper

あなたはもっと売れていい作家です!このお話はホントに読んでて面白かったです。はー、ハッピーエンドでよかった。私はキオとガロの日常生活のシーンが1番好きです。ホントにこんな世界にいけたらなって思います。いつなのかわからないけど次の投稿も楽しみにしてます!

2025.03.16 レクセル

遅くなりました
完結してしまいましたが感想ありがとうございます

残念ながらエロを含む長編小説へ今は取り組める状態ではありませんが、普通の小説をなろう様で書いています。
興味があればどうぞ。

解除
Casper
2025.02.05 Casper

続きが読みたいです!

解除
Casper
2025.02.05 Casper

最高の作品。外伝とかで続編作って欲しいです!

解除

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