2 / 75
第二話 私は変わる!
しおりを挟む
「私、たしか処刑されたはずでは……」
私は、汗でびっしょり濡れている体を何とか起こして、もう一度辺りを確かめる。
王族が使っているとは思えないような、ボロボロの家具。なけなしのお小遣いを貯めて買った、唯一のお友達であるぬいぐるみ。私を現実から逃がしてくれる、大好きな本。やはり、何度見ても、私の部屋だ。
「夢では……ありませんわよね……」
私の首には、先ほど感じた激痛が残ったままだ。その痛みのせいで、まともに体が動かないうえに、冷や汗も止まらない。
「もしかして、聖女の力が発動した?」
先程の光景でも出てきた、聖女の力。それが発動したと考えるのが、一番自然な流れだ。
――聖女というのは、王家に代々伝わる、特別な魔法が使える女性のことを指す。その魔法とは、予知の魔法だ。
予知の魔法とは、その名の通り未来を予知する魔法だ。一度でも出会ったことがある人の未来を予知できる凄い力ではあるが、自分で自由に発動することは出来ず、突発的に発動してしまう。
予知で見える未来は不幸しかなく、基本的にその不幸を変えることは出来なかったり、その不幸を知って対策をしたとしても、見えた不幸が来なくなることはあっても、不幸が起こるという未来は変えられないという特徴を持つ。
そんな不思議な魔法が使える先代の聖女が亡くなってから間もなく、私は聖女の力を宿しながら、この世に生まれた。
本当なら、私はこの力を使って、民の不幸を事前に知らせ、少しでも不幸を軽くするという役目があるのだが……その役目は、お姉様が担っている。
もちろん、お姉様は予知の魔法は使えない。だから、私が予知したものを、さもお姉様が予知したと見せかけている。そうすることで、お姉様が聖女だと民に思わせている。
これをすることで、お姉様は聖女として多くの民に愛されるだけでなく、国の財産である聖女が、率先して民を予知で救うことで、民の信頼を得たり、予知をしてもらうのに、莫大なお金を徴収して私腹を肥やしている。
そんなまどろっこしいことなんて、する必要は無いと思う方がいるかもしれない。実際問題、私はどちらかというと、その意見の人間だ。
お姉様を聖女に仕立て上げる他の理由は、もう一つある。それは至極単純なもので……お父様とお義母様が、お姉様のことを溺愛していて、聖女としてお姉様を民に愛される存在にしたいと思っているからだ。
聞いたところによると、お義母様は子供が出来にくい体質で、中々子宝に恵まれていなかった。
そんな中、先代の聖女が亡くなるとほぼ同時に、お義母様はようやく子供も授かれた。それを大いに喜び、きっとこの子は聖女の加護を受けて生まれてくると期待されていたが……お父様の一夜の過ちにより生まれた私が、その力を持っていた。
その結果、私が望んで手に入れた力ではないのに、私は家族に嫌われ、幼い頃から虐げられて生きてきた。
特にお義母様は、聖女の力が愛娘ではなく、私が持っているのが許せない、本当の聖女は私の娘だと主張し、力を奪った私と、お父様に色目を使ってたぶらかした元凶として、お母様を強く恨んでいる。
もちろん、お母様はただの被害者だ。色目なんて使っていない。お母様から聞いた話では、お父様のストレスの捌け口として、お母様に手を出したのが原因だそうだ。一人の人間としても、夫としても、最低な行為だと思う。
そうそう……虐げるだけでは満足がいかず、私が不幸を呼び寄せているという話まで広めた結果、お城の人の一部は、私が不幸を呼ぶ悪魔の子だと呼ぶ人もいるようになってしまった。
「それにしても、どうして私自身の未来が見えたのかしら……」
予知の特徴として、この力で自分の予知は出来ない。なのに、今回は自分の死ぬ未来を予知した。その理由はわからないけど、私はこのままでは処刑されてしまう。
私は、もう早く死んでしまって、お母様の元に行きたいと願っていた。早く死んで、解放されたかった。
でも、いざ自分の未来を予知した結果、やはり死ぬのは怖いし、こんな激痛を体験するのも嫌だと思うようになっていた。
「うぐっ……」
一旦水でも飲んで落ち着こうと思い、なんとか立ち上がったが、すぐによろけてしまい、ベッドの近くにあるサイドテーブルにぶつかってしまい、そこに置いてあった絵本が落ちてしまった。
「…………」
落ちてしまった本に、そっと手を伸ばす。もうボロボロになってしまっているが、これはまだお母様がご存命だった頃、私に良く読み聞かせをしてくれた、この世で一番好きな本だ。
意地悪な継母と義姉にいじめられている女の子が、白馬に乗った王子様と結婚して幸せになるという、あまりにもありふれた内容の絵本だけど、幼い頃の私にとって、これはある意味、希望でもあった。
私の元にも、いつか白馬に乗った王子様が来てくださって、このつらくて苦しい現実から助けてくれる。いつか、きっと良いことがある。そう思って生きてきたのだけど、そんなことは起こるわけもなく……いつの間にか、私は全てを諦め、受け入れて生きるようになっていた。
「王子様なんて、待ってても来てくれるはずがありませんわ。そんなものを待っていたら、私は処刑されてしまう。処刑されるなんて、まっぴら御免ですわ」
ありもしないものを待ってても、未来はない。ありもしないものが来なくて泣いていても、笑われるだけ。
幸せも、未来も……私が自分の手で、勝ち取らなくちゃいけない!
「私は、どうしてこんな簡単なことに、ずっと気が付けなかったのかしら」
本当、今までの私は情けない人間だ。でも、今この時を持って、私は弱い私とさよならをする。そして、望む未来を勝ち取ってみせる。それが、たとえ不幸が決まった未来だったとしても……少しくらいは、不幸が軽くなるかもしれない。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
前向きになったおかげか、さも当然の疑問が、胸の奥から沸き起こる。
私が生まれたのは、お父様がお母様に手を出したのが原因だ。聖女の力だって、好きで手に入れたものではない。そんな私が、虐げられる理由も、利用される謂れもない。
それに、どうして何も悪いことをしていない私が、不幸なまま処刑されて、家族はのうのうと生きているの? そんなの、あまりにも理不尽すぎる。
そう思ったら、家族に対する言いようのない怒りと、どす黒い感情……憎しみが沸々と湧いてきた。
「苦しいのは私だけじゃない。お母様は、ソリアン国との戦争のせいで……!」
祖国のカルネシアラ国は、蛮族が住むと言われる隣国のソリアン国と長年戦争をしていた。その戦争で、多くの人が戦い、そして戦場で散っていったのだが……お母様もその一人だ。お父様に送り込まれた戦場で、大爆発に巻き込まれて、そのまま……。
後から聞いた話だが、お母様はお父様とお義母様に脅されて、やむなく戦場に向かったという話を聞かされたことがある。
ちなみにその戦争は、突然ソリアン国から仕掛けてきたと言われている。最近、ようやく戦争が終わったとはいえ、ソリアン国が戦争なんてしかけてこなければ、私は処刑されなかったかもしれないし、お母様が亡くなることも無かった。
そう考えたら、ソリアン国の王族にも、憎しみが湧いてきた。家族だけじゃなく、戦争を起こしたソリアン国の王族にも、復讐してやる。
「あら、セリア様。もう起きてしまいましたのね」
復讐の炎を燃やしていると、このお城で働く使用人がやってきた。私が起きたことが面白くないのか、露骨に嫌な顔をしながら、舌打ちをしている。
これが、王家に仕える使用人なのか? と疑問に思う人もいるだろうが、私に対しての扱いなんて、こんなものだ。むしろ、これでもまだ優しい方とも言える。
「私、どれぐらい眠っておりましたの?」
「大体三日といったところです」
なるほど、だからこんなに喉はカラカラで、お腹もペコペコなわけだ。普段から、ろくなものは食べさせてもらっていないから、お腹が空いているのは、いつものことだけど。
「それで、何かご用かしら」
「お召し物をお持ちしました」
彼女の手には、いつも私が着させられている、ボロボロのエプロンドレスがあった。
それを、彼女は私に手渡さず、そのまま床に放り投げると、遠慮なく踏みつけてぐりぐりとしてきた。
「あら、ごめんなさい。手が滑って、間違えて踏みつけてしまいましたわ。でも、どうせボロボロですし、関係ありませんわよね」
下手糞な言い訳、悪びれもない様子。昔はこんなことをされても、黙って服を拾いに言っていたが、今の私は違う。
――調子に乗れるのも、今日限りですわよ。
私は、汗でびっしょり濡れている体を何とか起こして、もう一度辺りを確かめる。
王族が使っているとは思えないような、ボロボロの家具。なけなしのお小遣いを貯めて買った、唯一のお友達であるぬいぐるみ。私を現実から逃がしてくれる、大好きな本。やはり、何度見ても、私の部屋だ。
「夢では……ありませんわよね……」
私の首には、先ほど感じた激痛が残ったままだ。その痛みのせいで、まともに体が動かないうえに、冷や汗も止まらない。
「もしかして、聖女の力が発動した?」
先程の光景でも出てきた、聖女の力。それが発動したと考えるのが、一番自然な流れだ。
――聖女というのは、王家に代々伝わる、特別な魔法が使える女性のことを指す。その魔法とは、予知の魔法だ。
予知の魔法とは、その名の通り未来を予知する魔法だ。一度でも出会ったことがある人の未来を予知できる凄い力ではあるが、自分で自由に発動することは出来ず、突発的に発動してしまう。
予知で見える未来は不幸しかなく、基本的にその不幸を変えることは出来なかったり、その不幸を知って対策をしたとしても、見えた不幸が来なくなることはあっても、不幸が起こるという未来は変えられないという特徴を持つ。
そんな不思議な魔法が使える先代の聖女が亡くなってから間もなく、私は聖女の力を宿しながら、この世に生まれた。
本当なら、私はこの力を使って、民の不幸を事前に知らせ、少しでも不幸を軽くするという役目があるのだが……その役目は、お姉様が担っている。
もちろん、お姉様は予知の魔法は使えない。だから、私が予知したものを、さもお姉様が予知したと見せかけている。そうすることで、お姉様が聖女だと民に思わせている。
これをすることで、お姉様は聖女として多くの民に愛されるだけでなく、国の財産である聖女が、率先して民を予知で救うことで、民の信頼を得たり、予知をしてもらうのに、莫大なお金を徴収して私腹を肥やしている。
そんなまどろっこしいことなんて、する必要は無いと思う方がいるかもしれない。実際問題、私はどちらかというと、その意見の人間だ。
お姉様を聖女に仕立て上げる他の理由は、もう一つある。それは至極単純なもので……お父様とお義母様が、お姉様のことを溺愛していて、聖女としてお姉様を民に愛される存在にしたいと思っているからだ。
聞いたところによると、お義母様は子供が出来にくい体質で、中々子宝に恵まれていなかった。
そんな中、先代の聖女が亡くなるとほぼ同時に、お義母様はようやく子供も授かれた。それを大いに喜び、きっとこの子は聖女の加護を受けて生まれてくると期待されていたが……お父様の一夜の過ちにより生まれた私が、その力を持っていた。
その結果、私が望んで手に入れた力ではないのに、私は家族に嫌われ、幼い頃から虐げられて生きてきた。
特にお義母様は、聖女の力が愛娘ではなく、私が持っているのが許せない、本当の聖女は私の娘だと主張し、力を奪った私と、お父様に色目を使ってたぶらかした元凶として、お母様を強く恨んでいる。
もちろん、お母様はただの被害者だ。色目なんて使っていない。お母様から聞いた話では、お父様のストレスの捌け口として、お母様に手を出したのが原因だそうだ。一人の人間としても、夫としても、最低な行為だと思う。
そうそう……虐げるだけでは満足がいかず、私が不幸を呼び寄せているという話まで広めた結果、お城の人の一部は、私が不幸を呼ぶ悪魔の子だと呼ぶ人もいるようになってしまった。
「それにしても、どうして私自身の未来が見えたのかしら……」
予知の特徴として、この力で自分の予知は出来ない。なのに、今回は自分の死ぬ未来を予知した。その理由はわからないけど、私はこのままでは処刑されてしまう。
私は、もう早く死んでしまって、お母様の元に行きたいと願っていた。早く死んで、解放されたかった。
でも、いざ自分の未来を予知した結果、やはり死ぬのは怖いし、こんな激痛を体験するのも嫌だと思うようになっていた。
「うぐっ……」
一旦水でも飲んで落ち着こうと思い、なんとか立ち上がったが、すぐによろけてしまい、ベッドの近くにあるサイドテーブルにぶつかってしまい、そこに置いてあった絵本が落ちてしまった。
「…………」
落ちてしまった本に、そっと手を伸ばす。もうボロボロになってしまっているが、これはまだお母様がご存命だった頃、私に良く読み聞かせをしてくれた、この世で一番好きな本だ。
意地悪な継母と義姉にいじめられている女の子が、白馬に乗った王子様と結婚して幸せになるという、あまりにもありふれた内容の絵本だけど、幼い頃の私にとって、これはある意味、希望でもあった。
私の元にも、いつか白馬に乗った王子様が来てくださって、このつらくて苦しい現実から助けてくれる。いつか、きっと良いことがある。そう思って生きてきたのだけど、そんなことは起こるわけもなく……いつの間にか、私は全てを諦め、受け入れて生きるようになっていた。
「王子様なんて、待ってても来てくれるはずがありませんわ。そんなものを待っていたら、私は処刑されてしまう。処刑されるなんて、まっぴら御免ですわ」
ありもしないものを待ってても、未来はない。ありもしないものが来なくて泣いていても、笑われるだけ。
幸せも、未来も……私が自分の手で、勝ち取らなくちゃいけない!
「私は、どうしてこんな簡単なことに、ずっと気が付けなかったのかしら」
本当、今までの私は情けない人間だ。でも、今この時を持って、私は弱い私とさよならをする。そして、望む未来を勝ち取ってみせる。それが、たとえ不幸が決まった未来だったとしても……少しくらいは、不幸が軽くなるかもしれない。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
前向きになったおかげか、さも当然の疑問が、胸の奥から沸き起こる。
私が生まれたのは、お父様がお母様に手を出したのが原因だ。聖女の力だって、好きで手に入れたものではない。そんな私が、虐げられる理由も、利用される謂れもない。
それに、どうして何も悪いことをしていない私が、不幸なまま処刑されて、家族はのうのうと生きているの? そんなの、あまりにも理不尽すぎる。
そう思ったら、家族に対する言いようのない怒りと、どす黒い感情……憎しみが沸々と湧いてきた。
「苦しいのは私だけじゃない。お母様は、ソリアン国との戦争のせいで……!」
祖国のカルネシアラ国は、蛮族が住むと言われる隣国のソリアン国と長年戦争をしていた。その戦争で、多くの人が戦い、そして戦場で散っていったのだが……お母様もその一人だ。お父様に送り込まれた戦場で、大爆発に巻き込まれて、そのまま……。
後から聞いた話だが、お母様はお父様とお義母様に脅されて、やむなく戦場に向かったという話を聞かされたことがある。
ちなみにその戦争は、突然ソリアン国から仕掛けてきたと言われている。最近、ようやく戦争が終わったとはいえ、ソリアン国が戦争なんてしかけてこなければ、私は処刑されなかったかもしれないし、お母様が亡くなることも無かった。
そう考えたら、ソリアン国の王族にも、憎しみが湧いてきた。家族だけじゃなく、戦争を起こしたソリアン国の王族にも、復讐してやる。
「あら、セリア様。もう起きてしまいましたのね」
復讐の炎を燃やしていると、このお城で働く使用人がやってきた。私が起きたことが面白くないのか、露骨に嫌な顔をしながら、舌打ちをしている。
これが、王家に仕える使用人なのか? と疑問に思う人もいるだろうが、私に対しての扱いなんて、こんなものだ。むしろ、これでもまだ優しい方とも言える。
「私、どれぐらい眠っておりましたの?」
「大体三日といったところです」
なるほど、だからこんなに喉はカラカラで、お腹もペコペコなわけだ。普段から、ろくなものは食べさせてもらっていないから、お腹が空いているのは、いつものことだけど。
「それで、何かご用かしら」
「お召し物をお持ちしました」
彼女の手には、いつも私が着させられている、ボロボロのエプロンドレスがあった。
それを、彼女は私に手渡さず、そのまま床に放り投げると、遠慮なく踏みつけてぐりぐりとしてきた。
「あら、ごめんなさい。手が滑って、間違えて踏みつけてしまいましたわ。でも、どうせボロボロですし、関係ありませんわよね」
下手糞な言い訳、悪びれもない様子。昔はこんなことをされても、黙って服を拾いに言っていたが、今の私は違う。
――調子に乗れるのも、今日限りですわよ。
356
あなたにおすすめの小説
私の願いは貴方の幸せです
mahiro
恋愛
「君、すごくいいね」
滅多に私のことを褒めることがないその人が初めて会った女の子を褒めている姿に、彼の興味が私から彼女に移ったのだと感じた。
私は2人の邪魔にならないよう出来るだけ早く去ることにしたのだが。
ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜
嘉神かろ
恋愛
魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。
妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。
これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
【完結】望んだのは、私ではなくあなたです
灰銀猫
恋愛
婚約者が中々決まらなかったジゼルは父親らに地味な者同士ちょうどいいと言われ、同じ境遇のフィルマンと学園入学前に婚約した。
それから3年。成長期を経たフィルマンは背が伸びて好青年に育ち人気者になり、順調だと思えた二人の関係が変わってしまった。フィルマンに思う相手が出来たのだ。
その令嬢は三年前に伯爵家に引き取られた庶子で、物怖じしない可憐な姿は多くの令息を虜にした。その後令嬢は第二王子と恋仲になり、王子は婚約者に解消を願い出て、二人は真実の愛と持て囃される。
この二人の騒動は政略で婚約を結んだ者たちに大きな動揺を与えた。多感な時期もあって婚約を考え直したいと思う者が続出したのだ。
フィルマンもまた一人になって考えたいと言い出し、婚約の解消を望んでいるのだと思ったジゼルは白紙を提案。フィルマンはそれに二もなく同意して二人の関係は呆気なく終わりを告げた。
それから2年。ジゼルは結婚を諦め、第三王子妃付きの文官となっていた。そんな中、仕事で隣国に行っていたフィルマンが帰って来て、復縁を申し出るが……
ご都合主義の創作物ですので、広いお心でお読みください。
他サイトでも掲載しています。
【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
番外編(編集済み)と、外伝(新作)アップしました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?
時
恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。
しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。
追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。
フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。
ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。
記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。
一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた──
※小説家になろうにも投稿しています
いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる