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第十一話 薬の製作
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不治の病だけど、私なら治せる。そうオーウェン様に伝えると、彼の表情がパッと明るくなった。
「本当か!? 本当にココを治せるのか!?」
「は、はい」
「そうか、それはよかった……本当に、よかった……!」
安堵の息を漏らすオーウェン様の目じりには、キラリと輝く優しい雫が溜まっていた。
本当に、オーウェン様にとってココ様は大切な方なのだろう。今の私には、そう思ってくれる人が周りからいなくなってしまったから、大切にしてもらえるのが羨ましい。
「失礼、つい取り乱してしまいました」
「いえ、大丈夫ですよ。それで、材料ですが――」
私は小屋にあった紙とペンを借りて、材料を簡潔に書きだす。
必要なのは、三種類の薬草と、薬効がある青い鉱石。そしてティミッドボアと呼ばれるイノシシの生き血だ。
臆病イノシシとも呼ばれるこの生き物の血は、黒染病の病原体を無毒化する効果がある。
でも、単体だと病原体の力の方が何倍も強くて、太刀打ちできない。昔の人達も、あくまでこれを飲ませることで、延命するしかできなかったと記録にあった。
それを、薬草や鉱石、そして聖女の力で補強をして、黒染病に負けない薬にしたそうだ。
「薬草は、持ち合わせのもので何とかなりますが、鉱石とイノシシに関しては手持ちに無くて……」
「問題ありません。この鉱石もイノシシも、俺が取ってきます」
「わかりました。一刻を争う状態ですので、先に私の方で薬の制作を進めておきます。その間に、鉱石とイノシシをお願いします。特徴を書いておきますので、探す時の参考にしてください」
私は再び紙にペンを走らせ、鉱石とイノシシの簡単な特徴を書いて手渡した。
「鉱石は、主に水辺にあります。ティミッドボアに関しては……すみません、どこにいるかは……」
「大丈夫です。この特徴のイノシシなら見たことがありますので。すぐに戻りますから、ココのこと、よろしくお願いします」
「はい、任せてください!」
家を飛び出したオーウェン様を見送った私は、早速薬の製作に取り掛かる。
まずは、緑色の薬草を小屋にあった鍋に入れて水につけ、火をつけて煮始める。この薬草は煮だすことで薬茶となる。既に乾燥しているものを持っていたから、簡単に作れるわ。
次に、この赤と青の薬草を乳鉢に入れて、すり潰していく。均等に、そしてあまりすり潰さないように丁寧にやるのがコツだ。
「この薬草は、水に色がついてきたら頃合いだから、もういいわね」
乾燥した薬草を煮た結果、水は薬草と同じ緑色に変わっていた。それを確認した私は、鍋を火から離した。
あとは、この薬茶を混ぜて、すり潰した薬草に入れてかき混ぜ、砕いた鉱石を加える。最後にティミッドボアの生き血を少量混ぜれば完成――なのだけど、まだオーウェン様は戻って来ていない。
それも仕方がない。ティミッドボアの生息域は多岐にわたるけど、本当に臆病なイノシシで、中々見つからないし、逃げ足が早い動物だと記憶している。オーウェン様の口ぶりからして、きっとこの森にもいるだろうけど、そんなに簡単に捕まえられるはずがない。
「急いでほしいけど、無茶はしないでくださいね……」
「……うぅ……!」
「今の声、ココ様?」
地下から聞こえてきたうめき声のようなものに反応して地下に行くと、ココ様が苦しそうに唸っていた。
体がかなり熱くなっている。発熱が酷くなっているのね。すぐに解熱効果のある薬を作ってあげなきゃ!
「待っててください、ココ様!」
私は先程使った緑色の薬草の残りをすりつぶし、水で溶かした。
この薬草には、解熱効果もある。そこに私の聖女の力を加えて、即効性を上げるの。
「熱の苦しみから解放されますように……またオーウェン様と仲良く暮らせますように……」
聖女の祈りを込めた影響か、緑色だった薬が真っ白に変化した。祈りを捧げると、たまにこういう変化が起こることがある。
「ココ様、お薬です。ゆっくりでいいので、お飲みください」
「うっ……ごほっ」
つらそうではあったけど、私の薬を飲んでくれたココ様の体は、段々と赤みが取れていき、触っても熱くなくなっていった。
ふう、とりあえず熱が下がって一安心だわ。でも、油断は禁物だ。ココ様を苦しめる病原体をやっつけていない以上、また同じ様なことが起こってしまう。
「……お兄ちゃん……」
「大丈夫ですよ。オーウェン様が、必ずあなたを助けてくれますから」
うなされながらも、オーウェン様を呼ぶココ様の頭を撫でていると、上の階でバタンっという音が聞こえてきた。
もしかして、もう帰ってきたの? まだ出てから一時間くらいしか経っていないのに……それとも、泥棒が入ってきたなんてことは……ないわよね?
「エリンさん、いないんですか?」
「あ、やっぱりオーウェン様だったんですね。あまりにも早いので、もしかしたら泥棒かと思って……」
「それは、心配をかけてしまって申し訳ない」
上の階に行くと、息を切らせたオーウェン様が立っていた。汗もたくさんかいていて、顔も真っ赤なところを見るに、本当に急いで取ってきてくれたのだろう。
「鉱石は、これだけあればいいですか?」
「袋が鉱石でパンパン……はい、大丈夫です! ティミッドボアは……」
「こちらです」
一度小屋の外に出ていったオーウェン様は、気絶した三匹のティミッドボアを担いで入ってきた。
臆病で中々捕まえられないといわれているのに、この短時間で三匹も捕まえてしまうなんて……それに、人間の子供くらいの大きさがあるのに、三匹同時に持っている力も凄すぎる。
「よく三匹も見つけられましたね……」
「これでも、森に狩りによく行くので、獲物を見つけるのも、捕まえるのも慣れているんです。このイノシシも何度か見たことがあるんです。逃げ足の割に食べるところが少ないので、経験は少ないですけどね。それで、こちらもこれで足りますか?」
「これだけいれば大丈夫です。あとは私に任せてください」
オーウェン様から薬の材料を受け取った私は、鉱石を砕いて粉末状にし、それを先程作った薬に入れてから、ティミッドボアから生き血をいただいた。
「エリンさんも、イノシシを狩った経験があるんですか? 随分と手慣れていますが……」
「薬を作るのに、生きた動物から生き血をいただいた経験が何度もあるんです」
質問に答えながら、薬の中に数滴の生き血を入れると、薬の色が緑色から赤色に変化した。
見た目はあまり良くないかもしれないけど、これが黒染病の薬だ。あとは私の聖女の力を与えれば完成だ。
「…………」
完成した薬を持って、先程と同じようにココ様の健康と幸せを心の中で祈る。すると、薬は優しい光を帯びた。
「これで、黒染病の薬は完成しました。さあ、ココ様に飲ませましょう」
「はい。本当にありがとうございます……!」
「お礼はココ様が治った後にお聞かせください。さあ、行きましょう」
オーウェン様と地下の部屋に行き、うなされ続けているココ様にゆっくりと薬を飲ませてあげた。
すると、ココ様の体から黒いシミは消える――ことはなく、今までで一番苦しみ始めた。
「本当か!? 本当にココを治せるのか!?」
「は、はい」
「そうか、それはよかった……本当に、よかった……!」
安堵の息を漏らすオーウェン様の目じりには、キラリと輝く優しい雫が溜まっていた。
本当に、オーウェン様にとってココ様は大切な方なのだろう。今の私には、そう思ってくれる人が周りからいなくなってしまったから、大切にしてもらえるのが羨ましい。
「失礼、つい取り乱してしまいました」
「いえ、大丈夫ですよ。それで、材料ですが――」
私は小屋にあった紙とペンを借りて、材料を簡潔に書きだす。
必要なのは、三種類の薬草と、薬効がある青い鉱石。そしてティミッドボアと呼ばれるイノシシの生き血だ。
臆病イノシシとも呼ばれるこの生き物の血は、黒染病の病原体を無毒化する効果がある。
でも、単体だと病原体の力の方が何倍も強くて、太刀打ちできない。昔の人達も、あくまでこれを飲ませることで、延命するしかできなかったと記録にあった。
それを、薬草や鉱石、そして聖女の力で補強をして、黒染病に負けない薬にしたそうだ。
「薬草は、持ち合わせのもので何とかなりますが、鉱石とイノシシに関しては手持ちに無くて……」
「問題ありません。この鉱石もイノシシも、俺が取ってきます」
「わかりました。一刻を争う状態ですので、先に私の方で薬の制作を進めておきます。その間に、鉱石とイノシシをお願いします。特徴を書いておきますので、探す時の参考にしてください」
私は再び紙にペンを走らせ、鉱石とイノシシの簡単な特徴を書いて手渡した。
「鉱石は、主に水辺にあります。ティミッドボアに関しては……すみません、どこにいるかは……」
「大丈夫です。この特徴のイノシシなら見たことがありますので。すぐに戻りますから、ココのこと、よろしくお願いします」
「はい、任せてください!」
家を飛び出したオーウェン様を見送った私は、早速薬の製作に取り掛かる。
まずは、緑色の薬草を小屋にあった鍋に入れて水につけ、火をつけて煮始める。この薬草は煮だすことで薬茶となる。既に乾燥しているものを持っていたから、簡単に作れるわ。
次に、この赤と青の薬草を乳鉢に入れて、すり潰していく。均等に、そしてあまりすり潰さないように丁寧にやるのがコツだ。
「この薬草は、水に色がついてきたら頃合いだから、もういいわね」
乾燥した薬草を煮た結果、水は薬草と同じ緑色に変わっていた。それを確認した私は、鍋を火から離した。
あとは、この薬茶を混ぜて、すり潰した薬草に入れてかき混ぜ、砕いた鉱石を加える。最後にティミッドボアの生き血を少量混ぜれば完成――なのだけど、まだオーウェン様は戻って来ていない。
それも仕方がない。ティミッドボアの生息域は多岐にわたるけど、本当に臆病なイノシシで、中々見つからないし、逃げ足が早い動物だと記憶している。オーウェン様の口ぶりからして、きっとこの森にもいるだろうけど、そんなに簡単に捕まえられるはずがない。
「急いでほしいけど、無茶はしないでくださいね……」
「……うぅ……!」
「今の声、ココ様?」
地下から聞こえてきたうめき声のようなものに反応して地下に行くと、ココ様が苦しそうに唸っていた。
体がかなり熱くなっている。発熱が酷くなっているのね。すぐに解熱効果のある薬を作ってあげなきゃ!
「待っててください、ココ様!」
私は先程使った緑色の薬草の残りをすりつぶし、水で溶かした。
この薬草には、解熱効果もある。そこに私の聖女の力を加えて、即効性を上げるの。
「熱の苦しみから解放されますように……またオーウェン様と仲良く暮らせますように……」
聖女の祈りを込めた影響か、緑色だった薬が真っ白に変化した。祈りを捧げると、たまにこういう変化が起こることがある。
「ココ様、お薬です。ゆっくりでいいので、お飲みください」
「うっ……ごほっ」
つらそうではあったけど、私の薬を飲んでくれたココ様の体は、段々と赤みが取れていき、触っても熱くなくなっていった。
ふう、とりあえず熱が下がって一安心だわ。でも、油断は禁物だ。ココ様を苦しめる病原体をやっつけていない以上、また同じ様なことが起こってしまう。
「……お兄ちゃん……」
「大丈夫ですよ。オーウェン様が、必ずあなたを助けてくれますから」
うなされながらも、オーウェン様を呼ぶココ様の頭を撫でていると、上の階でバタンっという音が聞こえてきた。
もしかして、もう帰ってきたの? まだ出てから一時間くらいしか経っていないのに……それとも、泥棒が入ってきたなんてことは……ないわよね?
「エリンさん、いないんですか?」
「あ、やっぱりオーウェン様だったんですね。あまりにも早いので、もしかしたら泥棒かと思って……」
「それは、心配をかけてしまって申し訳ない」
上の階に行くと、息を切らせたオーウェン様が立っていた。汗もたくさんかいていて、顔も真っ赤なところを見るに、本当に急いで取ってきてくれたのだろう。
「鉱石は、これだけあればいいですか?」
「袋が鉱石でパンパン……はい、大丈夫です! ティミッドボアは……」
「こちらです」
一度小屋の外に出ていったオーウェン様は、気絶した三匹のティミッドボアを担いで入ってきた。
臆病で中々捕まえられないといわれているのに、この短時間で三匹も捕まえてしまうなんて……それに、人間の子供くらいの大きさがあるのに、三匹同時に持っている力も凄すぎる。
「よく三匹も見つけられましたね……」
「これでも、森に狩りによく行くので、獲物を見つけるのも、捕まえるのも慣れているんです。このイノシシも何度か見たことがあるんです。逃げ足の割に食べるところが少ないので、経験は少ないですけどね。それで、こちらもこれで足りますか?」
「これだけいれば大丈夫です。あとは私に任せてください」
オーウェン様から薬の材料を受け取った私は、鉱石を砕いて粉末状にし、それを先程作った薬に入れてから、ティミッドボアから生き血をいただいた。
「エリンさんも、イノシシを狩った経験があるんですか? 随分と手慣れていますが……」
「薬を作るのに、生きた動物から生き血をいただいた経験が何度もあるんです」
質問に答えながら、薬の中に数滴の生き血を入れると、薬の色が緑色から赤色に変化した。
見た目はあまり良くないかもしれないけど、これが黒染病の薬だ。あとは私の聖女の力を与えれば完成だ。
「…………」
完成した薬を持って、先程と同じようにココ様の健康と幸せを心の中で祈る。すると、薬は優しい光を帯びた。
「これで、黒染病の薬は完成しました。さあ、ココ様に飲ませましょう」
「はい。本当にありがとうございます……!」
「お礼はココ様が治った後にお聞かせください。さあ、行きましょう」
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