転生令嬢の婚約者様〜冷酷皇帝陛下が私を溺愛してきます

みおな

文字の大きさ
29 / 32

セレスティーナ10歳(13)

 結論から言うと、セントフォーリア王国はなくなった。

 セントフォーリアという国名が地図から消えたの。

 国王陛下、王妃殿下、そしてエルム殿下は毒杯を賜った。

 エルム殿下の愚行を諌めるどころか、腕を斬り飛ばしたことに文句を言ったんだもの、仕方ないわよね。

 国王陛下は、王妃殿下やエルム殿下をちゃんと叱るべきだった。

 私に「妃に」なんて馬鹿なことを言った時点で。

 せめて、腕を斬られた後ででも、ユリウス様に謝罪するべきだったのよ。

 なのに「子供の言ったことなのに」とか「他国のこの場に剣を持ち込むなんて」とか言う王妃殿下を御することが出来なかった。

 貴族の中でも「十歳の子供の言ったことなのに」という人もいた。

 そうね。
言っただけなら、腕を斬られることもなかったと思うわ。

 問題は、私に手を伸ばしたこと。
私はユリウス様に抱きしめられていたの。

 その私に手を伸ばしたことで、ユリウス様に危害を加えようとしたと判断されたのよ。

 剣も何も武器を持ってなかった?

 たとえポカリと殴っただけだとしても、それは国際問題になるってこと、わかっていないの?

 もし本当に手を出していたなら、首と胴が離れていたでしょうね。

 国王陛下は、妻と息子の愚行の責任を取られた。

 王妃殿下とエルム殿下は嫌いだけど、国王陛下はきっと良い方だったのだと思う。

 国はなくなったけど、そこに住む人がいなくなるわけじゃない。

 セントフォーリア王国は、隣国のラタニア王国に吸収される形となった。

 ハイドランジア帝国の友好国であるラタニア王国。

 王族のいなくなったセントフォーリアの国民は、ラタニア王国の統治下になる。

 貴族は一応、そのままの爵位と領地を持ったままとなった。

 今後、ラタニア王家が篩にかけることになる、らしい。

 それはそうよね。
領土が増えた分、統治する人間は必要だから領地を取り上げたりはしないけど、公爵や侯爵がセントフォーリア流のやり方を主張したら、ラタニア王国の元々の貴族と揉めるもの。

 ちなみにお父様は爵位を返上した。
領地はラタニア王家の王領になる。

 自分が見れないなら、王家の管轄下の方が領民が苦しむことがないという、お父様の判断は正しいと思う。

 お父様とお母様は、私と一緒にハイドランジア帝国へ移住して下さることになった。

 ユリウス様が、帝国の侯爵位を与えて下さったから。

 私は帝国で、これから侯爵令嬢として暮らすことになる。

 お父様とお母様、それからと。

 毒杯を賜わらなかった唯一の王族、ジョエル様はアマランス侯爵家の養子となったの。

 王家の証の緑色の髪と瞳を持っていたエルム殿下と違い、国王陛下譲りの金色の髪と青い瞳のジョエル様。

 責任を取られることを決断された国王陛下を思い、お父様が養子に取ると陛下に告げた。

 陛下は安心して、礼を言って毒杯を賜ったそうよ。

感想 13

あなたにおすすめの小説

子供が可愛いすぎて伯爵様の溺愛に気づきません!

屋月 トム伽
恋愛
私と婚約をすれば、真実の愛に出会える。 そのせいで、私はラッキージンクスの令嬢だと呼ばれていた。そんな噂のせいで、何度も婚約破棄をされた。 そして、9回目の婚約中に、私は夜会で襲われてふしだらな令嬢という二つ名までついてしまった。 ふしだらな令嬢に、もう婚約の申し込みなど来ないだろうと思っていれば、お父様が氷の伯爵様と有名なリクハルド・マクシミリアン伯爵様に婚約を申し込み、邸を売って海外に行ってしまう。 突然の婚約の申し込みに断られるかと思えば、リクハルド様は婚約を受け入れてくれた。婚約初日から、マクシミリアン伯爵邸で住み始めることになるが、彼は未婚のままで子供がいた。 リクハルド様に似ても似つかない子供。 そうして、マクリミリアン伯爵家での生活が幕を開けた。

兄妹じゃないとわかったのでお兄様と結婚したら、全部仕込みでした

こじまき
恋愛
【20260401読みやすいように話を分割しました】 伯爵令嬢ヘイゼルは、兄アリステアに恋をしている。叶わないと知りながら、それでも諦めきれなかった。 しかし子ども時代の「取り違え」が発覚し、子爵令嬢ロレッタとして“正しい場所”で生き直すことに。 そして妹ではなくなった彼女に、アリステアは求婚する。 運命のねじれは正されて、望んだとおりに最愛の人と結ばれた―― けれど――その「正しい運命」は、兄アリステアによって用意されたものだった―― ※「小説家になろう」にも投稿しています。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

いつかの空を見る日まで

たつみ
恋愛
皇命により皇太子の婚約者となったカサンドラ。皇太子は彼女に無関心だったが、彼女も皇太子には無関心。婚姻する気なんてさらさらなく、逃げることだけ考えている。忠実な従僕と逃げる準備を進めていたのだが、不用意にも、皇太子の彼女に対する好感度を上げてしまい、執着されるはめに。複雑な事情がある彼女に、逃亡中止は有り得ない。生きるも死ぬもどうでもいいが、皇宮にだけはいたくないと、従僕と2人、ついに逃亡を決行するのだが。 ------------ 復讐、逆転ものではありませんので、それをご期待のかたはご注意ください。 悲しい内容が苦手というかたは、特にご注意ください。 中世・近世の欧風な雰囲気ですが、それっぽいだけです。 どんな展開でも、どんと来いなかた向けかもしれません。 (うわあ…ぇう~…がはっ…ぇえぇ~…となるところもあります) 他サイトでも掲載しています。

悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。

ねーさん
恋愛
 あ、私、悪役令嬢だ。  クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。  気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…

悪役令嬢のはずですが、年上王子が幼い頃から私を甘やかす気でいました

ria_alphapolis
恋愛
私は、悪役令嬢なのかもしれない。 王子の婚約者としては少し我儘で、周囲からは気が強いと思われている―― そんな自分に気づいた日から、私は“断罪される未来”を恐れるようになった。 婚約者である年上の王子は、今日も変わらず優しい。 けれどその優しさが、義務なのか、同情なのか、私にはわからない。 距離を取ろうとする私と、何も言わずに見守る王子。 両思いなのに、想いはすれ違っていく。 けれど彼は知っている。 五歳下の婚約者が「我儘だ」と言われていた幼い頃から、 そのすべてが可愛くて仕方なかったことを。 ――我儘でいい。 そう決めたのは、ずっと昔のことだった。 悪役令嬢だと勘違いしている少女と、 溺愛を隠し続ける年上王子の、すれ違い恋愛ファンタジー。 ※溺愛保証/王子視点あり/幼少期エピソードあり

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

恐怖侯爵の後妻になったら、「君を愛することはない」と言われまして。

長岡更紗
恋愛
落ちぶれ子爵令嬢の私、レディアが後妻として嫁いだのは──まさかの恐怖侯爵様! しかも初夜にいきなり「君を愛することはない」なんて言われちゃいましたが? だけど、あれ? 娘のシャロットは、なんだかすごく懐いてくれるんですけど! 義理の娘と仲良くなった私、侯爵様のこともちょっと気になりはじめて…… もしかして、愛されるチャンスあるかも? なんて思ってたのに。 「前妻は雲隠れした」って噂と、「死んだのよ」って娘の言葉。 しかも使用人たちは全員、口をつぐんでばかり。 ねえ、どうして?  前妻さんに何があったの? そして、地下から聞こえてくる叫び声は、一体!? 恐怖侯爵の『本当の顔』を知った時。 私の心は、思ってもみなかった方向へ動き出す。 *他サイトにも公開しています