入れ替わり転生〜生まれ変わったら、私を殺した婚約者の最愛になっていました〜

みおな

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聖女様はどこへ?

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 私の、ウェンディの体が眠りから醒めない、とラミリス公爵閣下からお聞きしました。

 そのことで両親と兄は、とても疲弊しているそうです。

 レンブラン公爵家は、決して仲の悪い家族ではありません。

 かといって、私を溺愛しているわけでもなく、ごくごく普通の貴族家の関係だと思います。

 娘が眠りから目覚めなければ心配もするでしょうし、獄死すればショックでしょう。

 そのショックの中に、家族の情だけでなく公爵としての立場があったとしても、それを責めることはできません。

 もし溺愛して下さっていたなら、王太子殿下との婚約解消を両親に願っていたと思います。

 心でそれを願っても、口には出せない程度の関係だと思ってくださいませ。

 しかし、驚きました。

 私はてっきり、聖女様の魂が私の体に入っているものだと思い込んでおりました。

 ならば、ウェンディと王太子殿下は婚約者ですから問題ないと・・・

 いえ、問題ありましたわ。
殿下は聖女様の姿気に入られていたのでしたわ。

 もちろん内面もでしょうが、私がラミリス公爵邸で感じた聖女様の傲慢さを鑑みるに、聖女様は殿下の前では猫を被っていらっしゃったのでしょう。

 その猫が転がり落ちた後も聖女様をお好きかどうかは、私には分かりません。

 もしかしたら、聖女様の明るく天真爛漫?なところがお好きなのかもしれませんし。

 とにかく、聖女様がウェンディの体に入っていないことで、新たな問題が発生しました。

 このまま、つまり私の魂が聖女様の体に入ったままだと、ウェンディの体は死んでしまうということです。

 眠ったままでは、栄養補給もできません。

 幸いにも我が国の医療技術は他国よりも優れていますから、薬での栄養補給などはできますが、それにも限界があります。

 長く見ても一年、というところではないでしょうか。

 その考えをお話しますと、公爵閣下も頷かれました。

「戻る方法を、早く見つける必要がある。だが、これはチャンスでもある」

「チャンス、ですか?」

「ああ。ウェンディ嬢が眠ったままだということで、婚約解消しやすいのではないかと思う。だから、レンブラン公爵たちとも情報を共有したいと思う。どうだろうか?」

 それは・・・
ウェンディの魂が聖女様の中にあるということを、伝えるってこと?

 何故そんなことになったのか、つまり殿下が私を冤罪で毒殺したという話を家族にするということ?

 それに関しては、さすがに即答出来ませんでした。

 ですが、確かに閣下のおっしゃる通りかもしれないと私は考え込んでしまいました。
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