死に戻りの魔女は溺愛幼女に生まれ変わります

みおな

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第1章

お母様という存在

 刺繍を教えてと言った自分を張り倒したいです。まさか、5歳での刺繍がこんなに大変だとは思いませんでした。

 そして、女神のようにお優しいお母様が、鬼教官です。

「セレスティーナ!そこ!間違ってるわ」

「は、はい。すみません」

 いつもは柔らかくセレと呼ぶのに、キツい声でセレスティーナと呼ぶお母様はとても怖いです。

 ですが、そのおかげかセレスティーナの刺繍の腕は1週間で格段に上がりました。

 頑張った結果、アル兄様のハンカチは出来上がり、現在お父様のハンカチを刺繍中です。

「セレが刺繍に興味を持ってくれて嬉しいわ。これからも続けていきましょうね」

「はい」

 セレスティーナ、ごめんなさい。継続的に刺繍をすることになってしまいましたわ。
 でも、ずいぶん上達しましたから、将来婚約者とかに贈るときにも困らないと思います。

「そういえば、3日後にアレクシスとお墓参りに行くのですって?」

「はい。アル兄様が一緒にと言ってくださったのです」

「お父様が一緒に行けなくて残念がっていたわよ。アレクシスが今回はセレと2人で行きたいって言ったらしくて」

 ああ。お父様、ごめんなさい。
グレイスのことがあるので、今回はアル兄様と2人で行きたいのです。
 刺繍頑張りますから、許してください。

「刺繍、頑張ります」

「セレは本当にいい子ね」

 お母様はそう言いながら、頭を撫でて下さいます。

 お母様、ごめんなさい。私は、本当はセレスティーナではないのです。
 でも、お母様のこと、本当のお母様のように大好きです。

 グレイスの時は、お父様にもお母様にも甘やかしていただいたことはありません。
 決して憎まれていたとは思いませんが、私はディアナのように明るく社交的ではありませんでした。

 お母様もお父様も、きっと王太子殿下のように、ディアナの方が可愛かったのでしょう。

 仕方のないことです。グレイスは地味で、口数も少なかったですから。

「お母様・・・もしセレが地味で大人しくてつまらない子でも、好きでいてくれる?」

「セレ?」

「・・・ううん。ごめんなさい。なんでもないの」

 思わず出てしまった言葉に、慌てて何でもないと否定します。
 私は何を言っているのでしょうか。
ですが、お母様は頭を撫でながら、優しく答えてくださいました。

「そうねぇ。セレは可愛いから、そんなもしかしたらを聞かれてもと思うけど、たとえセレが地味でも、無口でも、つまらない子でも、大好きだと思うわ。だって、セレは私たちの大切な子供だもの。地味だとしても大人しくても、それはセレの個性であって、セレが大切な子供であることに変わらないわ」

 涙が出てしまいました。



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