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第2章
愚かな王家《騎士団長視点》
王太子殿下と王女殿下が出国したという知らせを受けたのは、私が宰相と話し合いをしている最中だった。
国王陛下が送ったという愚かな手紙のせいで、アルバム皇国から王室への抗議文と、それとは別に親書を携えた使者が訪れていた。
正式に婚約を国内外に公表されているアルバム皇国の皇太子殿下に対し、ブラシールの王女を娶るようにと。そして皇女殿下を王太子妃にと書いて送ったらしい。
馬鹿なのにもほどがある。
しかもそれをやったのが一国の王というのだから。呆れてものが言えない。
アルバム皇国の皇太子殿下は、ブラシールの国王陛下が謝罪をするなら今回だけは見逃してもいいと言われた。
だから、陛下に即座に謝罪をする様に進言した。
だが返ってきた言葉は「従兄に娶ってもらわなければならないような皇女を受け入れてやろうというのだ。何が悪い」だった。
アルバム皇国の皇女殿下は、他国から大量の釣書が来ているという、齢8歳にして聡明でとても愛らしいという噂の姫君だ。
今回の婚約も、あまりの釣書の多さに姫君を溺愛している国王陛下たちが、姫君を手放さないために結んだものだという憶測も出ている。
その姫君に対して、そんな愚かな発想が出るとは。
先代の王妃様が甘やかした結果が、これだ。
そして、愚王の育てた王太子殿下と王女殿下は、愚王そっくりの愚かで我儘に育った。
「まさか、アルバム皇国へ向かったのか」
宰相と顔を見合わせて、2人してため息が漏れた。
これでブラシール王国は終わった。
魔法の研究に優れたアルバム皇国。あの愚かな王族は簡単に捕まるだろう。
むしろ、何かやらかす前に捕まってくれることを祈るばかりだ。
せっかく、アルバム皇国の皇太子殿下がブラシール王国の王族の挿げ替えを進言してくれたのに、これでそれだけでは終わらなくなった。
国王陛下をはじめとする王族の首は当然だが、臣民を守るためにも宰相と私の首も差し出さねばならないだろう。
そうすれば、アルバム皇国も臣民にまでは手を出さずにいてくれる。
先代の国王陛下や、亡くなられた王妃殿下のことを思うと、申し訳なさが込み上げる。
ブラシール王国を頼むと頼まれたのに、結局私も宰相も国王陛下や王太子と王女を正すことは出来なかった。
すぐに宰相とアルバム皇国へ向かう準備をすることにした。
家族と騎士団の隊員には、もしも可能なら他国へと逃げるようにと伝えた。
このままブラシールにいても、幸せな未来は描けない。
ついてくると言う騎士団の部下や、家族を言い含め、宰相と2人アルバム皇国へと向かう。
せめて亡骸を家族の元へ戻して貰えるといい。そう、2人で話し合いながら。
国王陛下が送ったという愚かな手紙のせいで、アルバム皇国から王室への抗議文と、それとは別に親書を携えた使者が訪れていた。
正式に婚約を国内外に公表されているアルバム皇国の皇太子殿下に対し、ブラシールの王女を娶るようにと。そして皇女殿下を王太子妃にと書いて送ったらしい。
馬鹿なのにもほどがある。
しかもそれをやったのが一国の王というのだから。呆れてものが言えない。
アルバム皇国の皇太子殿下は、ブラシールの国王陛下が謝罪をするなら今回だけは見逃してもいいと言われた。
だから、陛下に即座に謝罪をする様に進言した。
だが返ってきた言葉は「従兄に娶ってもらわなければならないような皇女を受け入れてやろうというのだ。何が悪い」だった。
アルバム皇国の皇女殿下は、他国から大量の釣書が来ているという、齢8歳にして聡明でとても愛らしいという噂の姫君だ。
今回の婚約も、あまりの釣書の多さに姫君を溺愛している国王陛下たちが、姫君を手放さないために結んだものだという憶測も出ている。
その姫君に対して、そんな愚かな発想が出るとは。
先代の王妃様が甘やかした結果が、これだ。
そして、愚王の育てた王太子殿下と王女殿下は、愚王そっくりの愚かで我儘に育った。
「まさか、アルバム皇国へ向かったのか」
宰相と顔を見合わせて、2人してため息が漏れた。
これでブラシール王国は終わった。
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むしろ、何かやらかす前に捕まってくれることを祈るばかりだ。
せっかく、アルバム皇国の皇太子殿下がブラシール王国の王族の挿げ替えを進言してくれたのに、これでそれだけでは終わらなくなった。
国王陛下をはじめとする王族の首は当然だが、臣民を守るためにも宰相と私の首も差し出さねばならないだろう。
そうすれば、アルバム皇国も臣民にまでは手を出さずにいてくれる。
先代の国王陛下や、亡くなられた王妃殿下のことを思うと、申し訳なさが込み上げる。
ブラシール王国を頼むと頼まれたのに、結局私も宰相も国王陛下や王太子と王女を正すことは出来なかった。
すぐに宰相とアルバム皇国へ向かう準備をすることにした。
家族と騎士団の隊員には、もしも可能なら他国へと逃げるようにと伝えた。
このままブラシールにいても、幸せな未来は描けない。
ついてくると言う騎士団の部下や、家族を言い含め、宰相と2人アルバム皇国へと向かう。
せめて亡骸を家族の元へ戻して貰えるといい。そう、2人で話し合いながら。
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