73 / 96
最終章
あの日の真実《グレイス視点》
ゆったりとした空間に身を委ねていると、どこかから温かな光と共に、私を呼ぶ声がします。
「お姉様!グレイスお姉様!」
グレイス・・・私の名前・・・
ああ。ディアナが呼んでいるわ。あの子は聖女の認定を受けたと言うのに、相変わらず私には甘えてくる。
とてもとても可愛い妹。優しくて、優秀で可愛くて。私のように冴えない見た目でなく、とても美しい妹。
だから、ジルベール様がディアナのことを好きになったとしても、それは自然なことなのだと思います。
私とジルベール様が婚約したのは、あくまでも政略的なものです。
魔力の多い私を王太子の婚約者という形で、国に留めておきたいのでしょう。
ですが、ジルベール様はディアナのことをお好きなご様子。
ジルベール様から婚約解消のお話があれば、快く承諾いたしましょう。
あれ?
「醜い灰色の魔女め!死して償え!」
私は確か、ジルベール様にそう罵られて、奥歯に仕込まれた毒を噛んだような・・・
そうです!私は死んだはずです。
そして、天に召される筈だったのです。
ですが、私の魂は、ずっとジルベール様に捕らえられていました。
お父様である国王陛下に処刑されたジルベール様は、ずっと私のことを憎んでいらっしゃったようです。
ずっと呪咀を吐きながら、私の魂を拘束するジルベール様。
私は・・・こんなにも婚約者であるジルベール様に嫌われていたのですね。
やはり、私は誰にも愛されない灰色の魔女なのでしょう。
「セレスティーナのことは可愛いと思ってるし、グレイスのことは愛しいと思ってるよ」
優しく甘い声が、私の強張りを解いていきます。
アル兄様・・・アレクシス皇太子殿下。
そうです。私はあの時、幼い少女が私を救おうと駆け寄ってくるのを静止しきれませんでした。
銀の髪に銀の瞳の、愛らしい幼い少女。アルバム皇国皇女セレスティーナ。
セレスティーナはジルベール様にそのまま意識を乗っ取られてそうになり、私はそれを阻止するために強く聖女の力を放出したのです。
私の聖女の力と、ジルベール様の悪霊としての力に当てられ、セレスティーナはそのままその場に倒れてしまいました。
聖女の力のせいか、辺りにジルベール様の気配は感じませんでしたが、このままこんなところに置いておくわけにはいかず、私は少女の身体の中に入り、とりあえずここから脱出させることにしたのです。
ただ気を失っているだけだと思っていた少女の精神の気配を感じられないことに気づいたのは、少女の部屋に戻って1時間ほど経ってからでした。
しかし、聖女の力を最大限に放出したことで、私もそのまま意識を手放してしまったのです。
「お姉様!グレイスお姉様!」
グレイス・・・私の名前・・・
ああ。ディアナが呼んでいるわ。あの子は聖女の認定を受けたと言うのに、相変わらず私には甘えてくる。
とてもとても可愛い妹。優しくて、優秀で可愛くて。私のように冴えない見た目でなく、とても美しい妹。
だから、ジルベール様がディアナのことを好きになったとしても、それは自然なことなのだと思います。
私とジルベール様が婚約したのは、あくまでも政略的なものです。
魔力の多い私を王太子の婚約者という形で、国に留めておきたいのでしょう。
ですが、ジルベール様はディアナのことをお好きなご様子。
ジルベール様から婚約解消のお話があれば、快く承諾いたしましょう。
あれ?
「醜い灰色の魔女め!死して償え!」
私は確か、ジルベール様にそう罵られて、奥歯に仕込まれた毒を噛んだような・・・
そうです!私は死んだはずです。
そして、天に召される筈だったのです。
ですが、私の魂は、ずっとジルベール様に捕らえられていました。
お父様である国王陛下に処刑されたジルベール様は、ずっと私のことを憎んでいらっしゃったようです。
ずっと呪咀を吐きながら、私の魂を拘束するジルベール様。
私は・・・こんなにも婚約者であるジルベール様に嫌われていたのですね。
やはり、私は誰にも愛されない灰色の魔女なのでしょう。
「セレスティーナのことは可愛いと思ってるし、グレイスのことは愛しいと思ってるよ」
優しく甘い声が、私の強張りを解いていきます。
アル兄様・・・アレクシス皇太子殿下。
そうです。私はあの時、幼い少女が私を救おうと駆け寄ってくるのを静止しきれませんでした。
銀の髪に銀の瞳の、愛らしい幼い少女。アルバム皇国皇女セレスティーナ。
セレスティーナはジルベール様にそのまま意識を乗っ取られてそうになり、私はそれを阻止するために強く聖女の力を放出したのです。
私の聖女の力と、ジルベール様の悪霊としての力に当てられ、セレスティーナはそのままその場に倒れてしまいました。
聖女の力のせいか、辺りにジルベール様の気配は感じませんでしたが、このままこんなところに置いておくわけにはいかず、私は少女の身体の中に入り、とりあえずここから脱出させることにしたのです。
ただ気を失っているだけだと思っていた少女の精神の気配を感じられないことに気づいたのは、少女の部屋に戻って1時間ほど経ってからでした。
しかし、聖女の力を最大限に放出したことで、私もそのまま意識を手放してしまったのです。
あなたにおすすめの小説
悪女と呼ばれた死に戻り令嬢、二度目の人生は婚約破棄から始まる
冬野月子
恋愛
「私は確かに19歳で死んだの」
謎の声に導かれ馬車の事故から兄弟を守った10歳のヴェロニカは、その時に負った傷痕を理由に王太子から婚約破棄される。
けれど彼女には嫉妬から破滅し短い生涯を終えた前世の記憶があった。
なぜか死に戻ったヴェロニカは前世での過ちを繰り返さないことを望むが、婚約破棄したはずの王太子が積極的に親しくなろうとしてくる。
そして学校で再会した、馬車の事故で助けた少年は、前世で不幸な死に方をした青年だった。
恋や友情すら知らなかったヴェロニカが、前世では関わることのなかった人々との出会いや関わりの中で新たな道を進んでいく中、前世に嫉妬で殺そうとまでしたアリサが入学してきた。
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています
放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。
希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。
元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。
──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。
「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」
かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着?
優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
婚約破棄されたので、聖女になりました。けど、こんな国の為には働けません。自分の王国を建設します。
ぽっちゃりおっさん
恋愛
公爵であるアルフォンス家一人息子ボクリアと婚約していた貴族の娘サラ。
しかし公爵から一方的に婚約破棄を告げられる。
屈辱の日々を送っていたサラは、15歳の洗礼を受ける日に【聖女】としての啓示を受けた。
【聖女】としてのスタートを切るが、幸運を祈る相手が、あの憎っくきアルフォンス家であった。
差別主義者のアルフォンス家の為には、祈る気にはなれず、サラは国を飛び出してしまう。
そこでサラが取った決断は?
【完結】捨てられた薬師は隣国で王太子に溺愛される
青空一夏
恋愛
王宮薬草棟で働く薬師リーナは、婚約者ギルベルト――騎士見習いを支え続けてきた。もちろん、彼が大好きだからで、尽くすことに喜びさえ感じていた。しかし、ギルベルトが騎士になるタイミングで話があると言われ、てっきり指輪や結婚式の話だと思ったのに……この小説は主人公があらたな幸せを掴む物語と、裏切った婚約者たちの転落人生を描いています。
※異世界の物語。作者独自の世界観です。本編完結にともない題名変えました。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
公爵家の養女は静かに爪を研ぐ 〜元々私のものですので、全て返していただきます〜
しましまにゃんこ
恋愛
リヴィエール公爵家に養女として引き取られた少女、アリサ・リヴィエール。
彼女は華やかな公爵家の嫡子マリアとは対照的に、家でも学園でもひっそりと息を潜めて生きていた。
養女とは言っても、成人と同時に修道院へ入ることが決まっており、アリサに残された時間は僅かだった。
アリサはただ静かに耐えていた。
——すべてを取り戻す、その時まで。
実は彼女こそが、前公爵が遺した真の娘であり、水の加護を持つリヴィエール公爵家の正統なる後継者だった。不当に奪い取られた地位と立場。
アリサは静かに時を待つ。
一方、王太子リュシアン・ルミエールは、傲慢な婚約者マリアに違和感を抱きつつ、公爵家に隠された不正の匂いを嗅ぎ取っていく。
やがて二人の思惑は重なり、運命の卒業パーティーが幕を開ける。
奪われた名前も、地位も、誇りも——
元々、私のものなので。まとめて返してもらいます。
静かに爪を研いできた養女の、逆転ざまぁと溺愛ロマンス。
完結保証&毎日2話もしくは3話更新。
最終話まで予約投稿済み。