死に戻りの魔女は溺愛幼女に生まれ変わります

みおな

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最終章

あの日の真実《グレイス視点》

 ゆったりとした空間に身を委ねていると、どこかから温かな光と共に、私を呼ぶ声がします。

「お姉様!グレイスお姉様!」

 グレイス・・・私の名前・・・
ああ。ディアナが呼んでいるわ。あの子は聖女の認定を受けたと言うのに、相変わらず私には甘えてくる。

 とてもとても可愛い妹。優しくて、優秀で可愛くて。私のように冴えない見た目でなく、とても美しい妹。

 だから、ジルベール様がディアナのことを好きになったとしても、それは自然なことなのだと思います。

 私とジルベール様が婚約したのは、あくまでも政略的なものです。
 魔力の多い私を王太子の婚約者という形で、国に留めておきたいのでしょう。

 ですが、ジルベール様はディアナのことをお好きなご様子。
 ジルベール様から婚約解消のお話があれば、快く承諾いたしましょう。

 あれ?

「醜い灰色の魔女め!死して償え!」

 私は確か、ジルベール様にそう罵られて、奥歯に仕込まれた毒を噛んだような・・・

 そうです!私は死んだはずです。
そして、天に召される筈だったのです。

 ですが、私の魂は、ずっとジルベール様に捕らえられていました。

 お父様である国王陛下に処刑されたジルベール様は、ずっと私のことを憎んでいらっしゃったようです。

 ずっと呪咀を吐きながら、私の魂を拘束するジルベール様。

 私は・・・こんなにも婚約者であるジルベール様に嫌われていたのですね。
 やはり、私は誰にも愛されない灰色の魔女なのでしょう。

「セレスティーナのことは可愛いと思ってるし、グレイスのことは愛しいと思ってるよ」

 優しく甘い声が、私の強張りを解いていきます。

 アル兄様・・・アレクシス皇太子殿下。

 そうです。私はあの時、幼い少女が私を救おうと駆け寄ってくるのを静止しきれませんでした。

 銀の髪に銀の瞳の、愛らしい幼い少女。アルバム皇国皇女セレスティーナ。

 セレスティーナはジルベール様にそのまま意識を乗っ取られてそうになり、私はそれを阻止するために強く聖女の力を放出したのです。

 私の聖女の力と、ジルベール様の悪霊としての力に当てられ、セレスティーナはそのままその場に倒れてしまいました。

 聖女の力のせいか、辺りにジルベール様の気配は感じませんでしたが、このままこんなところに置いておくわけにはいかず、私は少女の身体の中に入り、とりあえずここから脱出させることにしたのです。

 ただ気を失っているだけだと思っていた少女の精神の気配を感じられないことに気づいたのは、少女の部屋に戻って1時間ほど経ってからでした。

 しかし、聖女の力を最大限に放出したことで、私もそのまま意識を手放してしまったのです。
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