暴君陛下の溺愛妻になります〜悪女だと言われたので、それなら本当に悪女になりますね〜

みおな

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令嬢、呆れる。

 わたくし、はっきり言って呆れておりますわ。

 聖女様が、お勉強をなさっていないことにではありません。

 ご一緒に遊んでいる王太子殿下や、それを許しているラファエル公爵家の人間、そして王家にですわ。

 異世界から召喚された聖女様が、この世界でお買い物などに興味を持たれることは仕方ないことだと思います。

 よく知りませんが、聖女様のいらっしゃった世界は、わたくしたちのようにドレスを着て生活するのではないそうです。

 目新しいことに、興味を持たれるのは自然なことです。

 しかし、それを周囲の人間が許容するのは別問題ですわ。

 聖女様が恥をかくことのないように、周囲が手を差し伸べて差し上げるべきなのです。

 王太子妃に相応しい立場として、ラファエル公爵家の養女にしたのではないのでしょうか。

 わたくしにはあれほど厳しく、王太子妃に相応しくあるべきと教育されたのではないでしょうか。

「結局わたくしは、聖女様と比べたら大切にすべき存在ではなかったのですわね」

 幼い頃、まだ王太子殿下の婚約者でなかった頃は、両親やお兄様にも大切にされていたと感じていました。

 ですが聖女様が現れてからは、わたくしはまるで悪女のように言われ続けて来ました。

 その結果が、あの卒業式の断罪です。

 あの時、せめて両親とお兄様がわたくしのことを擁護してくだされば・・・

 わたくしを信じていると言ってくだされば、わたくしは快く王太子殿下の婚約者の座からおりましたのに。

 聖女様を養女として迎えることを快く受け入れ、聖女様をお支えすることにも協力いたしましたのに。

「いいえ、リルローズ。貴女は私たちにとって何よりも大切なよ。お義母様も旦那様もアランも、その聖女とやらなんかより貴女の方が何倍も何百倍も大切で愛すべき存在だわ」

「お母様・・・ありがとうございます」

 会ったばかりのお母様がこんなふうに言ってくださるのに、十六年も育てて来た娘をどうしてラファエルの両親は信じてくださらなかったのかしら。

「あの阿呆たちがリルローズを悪女だと言うのなら、アイツらにとって我がサンダルフォン侯爵家は悪役になってやろう。何よりも気高い悪役にな」

「お父様」

「もうリルローズはラファエルの人間ではなく、我がサンダルフォン侯爵家の令嬢なんだ。ジブリール帝国はシャムエル程度の小国に悪と罵られようが、カケラも揺るがない。胸を張って悪女だと言ってやるが良いさ」

「まぁ!お兄様ってば」

 でも、そうですわね。
彼らがわたくしを悪だと言うのなら、立派な悪女になって差し上げますわ。
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