43 / 81
令嬢、絶望させる、その3。
「ああ、それから・・・先ほどから『娘』とおっしゃっていたラファエル公爵様」
わたくしは崩れ落ちてブツブツと呟いているネイサン王太子殿下から、視線をラファエル公爵一家に向けました。
わたくしの視線に一瞬ビクリとした公爵様ですが、すぐにキツい表情になりましたわ。
年の功というやつでしょうか。
公爵として領地経営などはちゃんとされていましたし、聖女様が現れるまでは普通に家族でしたしね。
まぁ、それを言うなら王太子殿下も過去はそれなりに頑張っておられましたけど。
殿下はわたくしをお嫌いだったことと、聖女様が現れたことで責務を放棄なさいましたものね。
「リルローズ!ネイサン王太子殿下になんという無礼なことを言っているのだ!今すぐ謝罪しろ。殿下はわざわざお前を迎えにこんな遠くまで来てくださったのだぞ!」
では、始めましょうか。
「シャムエル王国ラファエル公爵。貴方こそ、口の利き方間違えておられません?」
「はっ?」
「シャムエル王国ラファエル公爵。リルローズはジブリール帝国皇帝妃だ。その皇帝妃に、謝罪しろ?たかが一国の公爵風情が、何目線で口を利いている」
隣から、ラルク様の冷ややかを通り越して極寒な声が響きます。
あらあら。
この程度で顔色を悪くするなんて、夫人はともかく小公爵様はまだまだですわね。
そんなので公爵家を継げるのかしら?
まぁ、公爵家が存続できるかは知りませんけど。
「迎えも何も、わたくしはジブリール帝国皇帝妃ですのよ?その皇帝妃を誘拐なさるおつもり?それに、他国の公爵に名前を呼び捨てにされる覚えもありませんわ」
「ッ!お前はいつから、親にそのような口の利き方をするようになったのだ!」
「親?何度お伝えすればご理解いただけるの?わたくしの父親は、カイゼン・サンダルフォン。母親はプリシア・サンダルフォン、お兄様はアラン・サンダルフォンですわ。先ほどもお聞きしたでしょう?わたくしとラルク様の結婚の許可を出しましたか?結婚式に出ましたか?親だというならその記憶、ありますでしょう?」
平民の結婚ではありませんのよ。
皇帝陛下に嫁ぐ相手の身分を調査しないわけがないでしょう?
「そ、れは・・・」
「ラファエル公爵様のご息女は、聖女様だとお伺いしましたわ。わたくしを娘などとおっしゃっては、聖女様が悲しまれましてよ」
「いや、それは、しかし・・・」
しかしもかかしもございませんわ。
わたくしの話を全く聞こうともせず、殿下に反論してくださることもなく、廃籍なさったのはあなた方でしょう?
わたくしは崩れ落ちてブツブツと呟いているネイサン王太子殿下から、視線をラファエル公爵一家に向けました。
わたくしの視線に一瞬ビクリとした公爵様ですが、すぐにキツい表情になりましたわ。
年の功というやつでしょうか。
公爵として領地経営などはちゃんとされていましたし、聖女様が現れるまでは普通に家族でしたしね。
まぁ、それを言うなら王太子殿下も過去はそれなりに頑張っておられましたけど。
殿下はわたくしをお嫌いだったことと、聖女様が現れたことで責務を放棄なさいましたものね。
「リルローズ!ネイサン王太子殿下になんという無礼なことを言っているのだ!今すぐ謝罪しろ。殿下はわざわざお前を迎えにこんな遠くまで来てくださったのだぞ!」
では、始めましょうか。
「シャムエル王国ラファエル公爵。貴方こそ、口の利き方間違えておられません?」
「はっ?」
「シャムエル王国ラファエル公爵。リルローズはジブリール帝国皇帝妃だ。その皇帝妃に、謝罪しろ?たかが一国の公爵風情が、何目線で口を利いている」
隣から、ラルク様の冷ややかを通り越して極寒な声が響きます。
あらあら。
この程度で顔色を悪くするなんて、夫人はともかく小公爵様はまだまだですわね。
そんなので公爵家を継げるのかしら?
まぁ、公爵家が存続できるかは知りませんけど。
「迎えも何も、わたくしはジブリール帝国皇帝妃ですのよ?その皇帝妃を誘拐なさるおつもり?それに、他国の公爵に名前を呼び捨てにされる覚えもありませんわ」
「ッ!お前はいつから、親にそのような口の利き方をするようになったのだ!」
「親?何度お伝えすればご理解いただけるの?わたくしの父親は、カイゼン・サンダルフォン。母親はプリシア・サンダルフォン、お兄様はアラン・サンダルフォンですわ。先ほどもお聞きしたでしょう?わたくしとラルク様の結婚の許可を出しましたか?結婚式に出ましたか?親だというならその記憶、ありますでしょう?」
平民の結婚ではありませんのよ。
皇帝陛下に嫁ぐ相手の身分を調査しないわけがないでしょう?
「そ、れは・・・」
「ラファエル公爵様のご息女は、聖女様だとお伺いしましたわ。わたくしを娘などとおっしゃっては、聖女様が悲しまれましてよ」
「いや、それは、しかし・・・」
しかしもかかしもございませんわ。
わたくしの話を全く聞こうともせず、殿下に反論してくださることもなく、廃籍なさったのはあなた方でしょう?
あなたにおすすめの小説
結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です
柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。
そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。
真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。
けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。
「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」
彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。
アンリは実は、亡き国王の婚外子。
皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。
たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。
彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。
『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』
「……『愛している』、ですか」
いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。
文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる──
侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。
だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。
アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。
そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。
「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」
これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。
4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。
白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。
けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。
それでも旦那様は優しかった。
冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。
だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。
そんなある日、彼女は知ってしまう。
旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。
彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。
都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る
静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。
すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。
感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく
「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜
まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。
愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。
夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。
でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。
「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」
幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。
ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。
夫が全てを失うのはこれからの話。
私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。