暴君陛下の溺愛妻になります〜悪女だと言われたので、それなら本当に悪女になりますね〜

みおな

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令嬢、対面する。

 翌日。

 メタトロン公爵夫人が帝城にやって来られました。

「お招きいただきありがとうございます、皇帝妃殿下」

「急なお誘いに応じてくださり、感謝しますわ」

 お母様と同い年の方ですので、臣下だからといって礼儀を欠いた物言いはしませんわ。

 ああ。メタトロン公爵への叱責は別問題ですわ。

 公爵の地位に相応しくない行動をされている方に敬意は払えませんもの。

 今日は、東のガゼボでお話をしております。

 ここは、周囲に隠れるような場所がない開けた場所にあり、密談に向いた場所ですわ。

 隠密などもおりますから、部屋の中よりも人に聞かれたくない話の場合は向いております。

 もちろん、ニーナ様や護衛は声の聞こえない離れた場所で控えておりますけど。

 フルール様には、別の用を頼んであります。

 早くこの件を片付けないと、面倒ですわ。

 おそらく聡明なフルール様のことですから、察しておられると思いますけど、一応は体裁的にも話を聞かれないようにしなければなりません。

 話すのは、今回夫人のお気持ちを聞いてから、キース様と共にですわ。

 ニーナ様が紅茶を淹れて、十分な距離に下がってから口を開きました。

「用件の内容は、察しておられると思いますが」

「・・・ええ。夫と・・・息子の件でございますね」

 やっぱり察しておられたのね。

 お母様にお伺いしたところ、メタトロン公爵夫人は侯爵家のご令嬢だった頃から優秀だったそう。

 夫が好き勝手しているのを黙認していたのは、騒ぎ立てると離縁となると感じていたから?

 メタトロン公爵は、普段は大人しく考えの甘い方ですけど、切羽詰まると激昂したり思いもよらない行動をするらしいのです。

 これはお父様情報ですわ。

 いえ、そのような方を公爵当主にするって問題ですわよ。

 先代のお子様が公爵しかいらっしゃらなかったそうですし、今の夫人を迎えた頃くらいまではそれでもそれなりにやっていたそうですけど。

 先代のお話では、前妻の方、つまりキースのお母様ですわね、その方が亡くなったことが相当なショックだったそうですわ。

 そして、その市井の花屋さんの女性は前妻の方に雰囲気がよく似ておられるそうです。

 お気持ちは理解らないでもないですけど、だからといって政略結婚の相手を蔑ろにすることは看過できませんわ。

 夫人だって、他に想う方がいたかもしれないではないですか。

 どんな理由にしろ、公爵をこのまま当主にはおいておけませんわ。

 理由は簡単です。

 その異母妹にも、メタトロン公爵家の後継の権利があるからです。

 そんな簒奪のような真似をする知恵はないと思いたいですが、公爵が認めればあり得ない話ではないのですもの。
 

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