暴君陛下の溺愛妻になります〜悪女だと言われたので、それなら本当に悪女になりますね〜

みおな

文字の大きさ
58 / 81

令嬢、夫人の気持ちを聞く。

 メタトロン公爵夫人とのお茶会は、少し緊張を含んだ空気のまま始まりました。

 お茶会といっても、わたくしたち二人だけですけど。

 メタトロン公爵家の後継や公爵との関係についての話なので、他家の夫人やご令嬢を呼ぶわけにもいきません。

 ニーナ様なら事情を知っていますが、彼女は現在皇帝妃付き侍女の上、元々が伯爵令嬢なので公爵夫人相手は厳しいかもしれません。

 ニーナ様が、そのくらいのことで気後れするとは思いませんが。

「夫人がどうお考えなのか、お気持ちをお聞かせ願えますか?」

「・・・まずは、ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。そして私は夫と・・・夫であるメタトロン公爵と離縁しようと思っております。息子が、リッドが夫の不貞の証である娘と懇意にしていて、婚約者であるオファニム伯爵令嬢を蔑ろにしていると聞いてから、私はもう息子にも愛情を抱けなくなりました。親として、情けないことですが・・・」

 悲痛そうな夫人の声は、決してリッド様に対して愛情を失ってはいないのだと感じます。

 おそらくですが、何度もリッド様を諌めたのでしょう。

 でも、リッド様は夫人の忠告を受け入れることがなかったのですね。

「ご子息は何と?」

「夫が・・・他の女性に心を移したのには、私にも何か至らぬ点があったのではないか、と。そして、たとえ何があったとしても子供には罪はないだろう、と」

 確かに、言っていることは間違いではないのかもしれません。

 実際、不貞をする家庭で夫人に至らぬところがある場合もあるでしょう。

 そして、子供に罪がないのも事実です。

 ですが、そんなものは不貞する側の勝手な言い分ですわ。

 どんな理由があろうと不貞をすれば、した側が悪いのです。

 まして、公爵という地位にある人間が己の立場もわきまえずに、不貞行為をするなど許し難いことです。

 そして、そのお相手の女性は、子供を産む際に公爵家には関わらないことを約束したのでしょう?

 その娘さんの行動はとりあえずおいておくとして、公爵令息と関わっていることを何故咎めないのですか。

 そもそも、公爵が私財とはいえお金を渡していることにも問題があるのです。

 お金を求めないと言った?だから私財から渡していた?

 それを美談のように語ることが、すでに地位のある者として間違っているのですわ。

 お金を渡すなら、手切れ金として渡して縁を切るべきなのです。

 はぁ。聞けば聞くほど、公爵家には相応しくないみたいですわね。
 
感想 14

あなたにおすすめの小説

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる── 侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。 だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。 アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。 そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。 「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」 これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。 ⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。 4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。

幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。

たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。 彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。 『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』 「……『愛している』、ですか」 いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました

柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。 けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。 それでも旦那様は優しかった。 冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。 だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。 そんなある日、彼女は知ってしまう。 旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。 彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。 都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る 静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。 すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。 感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく

「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜

まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。 愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。 夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。 でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。 「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」 幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。 ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。 夫が全てを失うのはこれからの話。 私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。