暴君陛下の溺愛妻になります〜悪女だと言われたので、それなら本当に悪女になりますね〜

みおな

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令嬢、女性と会う。

「・・・」

 どうしましょう。

 わたくし、このようなと出会ったのは初めてですわ。

 いえ。確かに、ラファエルの家族やシャムエルの王太子殿下のように、わたくしを利用しようとしたりありもしない愛を訴えたりする方々はいましたわ。

 また、わたくしのことを悪女のように罵ったりもなさいましたわね。

 ですが彼らは、わたくしを利用しようというあからさまな自己欲が見え透いていましたし、そういう貴族は多くいます。

 ただ・・・

 目の前のこの少女の言っていることは、わたくしには全く、全然、少しも、理解できませんわ。

 そう。わたくし、ニーナ様と護衛を伴って、メタトロン公爵が懇意にしているという女性に会いに市井までやって来ましたの。

 パン屋で働いているという女性は、栗色の髪と瞳をした、優しい雰囲気の方でした。

 お仕事のお邪魔をするわけにはまいりませんので、お昼のお休み時間まで近くのカフェで待っておりましたの。

 わたくし、一応は地味な服装をして来ましたが、まぁ護衛もおりますし高位貴族と判断したお店側が個室を用意して下さいました。

 というか、皇帝妃とは思われませんでしたのね。

 なら、護衛と一緒なら市井の視察とか行けるかしら。

 お祭りとか行ってみたいのですよね。

 ああ。
話が逸れました。

 女性はお昼の時間に急いで来てくださったので、当然ですがランチはご馳走させていただきましたわ。

 とても恐縮なさって、その様子からも女性は常識ある方だと判断いたしました。

「あまりお時間をいただくわけにはまいりませんから、お食事をなさりながら話をお聞きになって」

「は、はい」

「ご息女が・・・メタトロン公爵家の後継であるリッド様と少々距離感を間違えた交流をなさっていることはご存知?」

 わたくしの問いに、女性は食べていたパスタを喉に詰まらせそうになったみたいで、咳き込まれました。

 ニーナ様が慌ててお水を差し出し、背中を撫でてあげています。

 ニーナ様は伯爵令嬢ですけれど、情報を扱う関係で市井の方とも接触する機会があるとお聞きしました。

 そのせいなのでしょうか。
貴族令嬢ではありますけど、市井の方を下に見るわけでもなく、気遣えるなんて素晴らしいですわ。

「も、申し訳ございません!」

「いえ、わたくしも失礼いたしましたわ。嚥下なさってから口にするべきでした。大丈夫ですか?」

「はい、キララ・・・娘はキララと言います。キララには、公爵様やご令息には近付かないようにと注意したのですが・・・以前は聞き分けのいい子だったのですが、数ヶ月前から私の言うことを全く聞かなくなってしまって・・・」

 あら。
それは何かがあったのかしら。
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