暴君陛下の溺愛妻になります〜悪女だと言われたので、それなら本当に悪女になりますね〜

みおな

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令嬢、驚愕する。

「お母さんをいじめないで!貴女、悪役令嬢ねっ!」

 そう言って個室に入って来た少女を、お店の従業員らしき男性が顔を真っ青にして止めようとしています。

 目の前の女性も、慌てたように娘を止めようとしていますが、母親を庇う・・・わりには押しのけるようにして、少女は私を指差しました。

「貴女なんか、リッド様ふさわしくないんだからっ!」

「やっ、やめなさいっ!キララ!」

 ハァ。どこから突っ込めばいいのかしら?

 まず、いくら平民の少女だとしても、個室にノックもなしに勝手に入って来たら駄目でしょう。

 彼女は母親を助けるという大義名分で入って来たのでしょうけど、相手が貴族だった場合、確実に罰を与えられるわ。

 ジブリール帝国は決して平民を蔑んでるわけじゃないけれど、身分思想を持っている貴族って意外と多いのよ。

 それに、どこからいじめているという発想になったのかしら。

 こっちはちゃんとお昼休みまで待ったし、お昼ご飯の時間を邪魔したから食事も出したというのに。

 で、挙げ句が、リッド様に相応しくない?

 わたくしがいつ、リッド様に懸想したと?

 控えているニーナ様と護衛から、殺気?が溢れているのですけど。

 まぁ、当たり前ですわよね。

 彼らからすれば、主人が不貞をするような人間だと言われているのですもの。

「キララっ!このお方は・・・」

「分かってるわ、お母さん。いくらだからといって、高慢ちきな人はリッド様には似合わないわ!」

「ふふふっ。おかしな事をおっしゃるのね。貴女にはわたくしが何に見えているのか分からないけれど、わたくしが高位貴族のご令嬢だとして、その貴族に平民の貴女がそのような口の利き方をすることが正しいと思ってらっしゃるの?」

 わたくしの問いに、少女はほら見ろという表情をしました。

「聞いた?お母さん。こんなふうに身分を笠に着る人が婚約者だなんて、リッド様がかわいそう」

「やめなさい、キララ!公爵令息様を名前で呼ぶだなんて、何を考えているのっ!第一、メタトロン公爵家の方々に関わるなと言ったはずよ!」

「え、だって仕方ないじゃない。私とリッド様は運命なんだから」

 あらあらあら。
この少女、常識がないのかと思っておりましたけど、常識以前の問題のようですわ。

 異母兄妹が結婚できるなんて、どこでそんな非常識を覚えて来ましたの?

 異世界人である聖女様ですら、こんな非常識なことはおっしゃいませんでしたわ。

 
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