暴君陛下の溺愛妻になります〜悪女だと言われたので、それなら本当に悪女になりますね〜

みおな

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令嬢、暴君に悪女は似合う。

「良かったではないか。妻がありながら市井にいる女性に子を産ませたのだろう。共にいられるように貴族籍も剥奪してやる。何せ、俺は暴君だからな」

 ラルク様は、そうおっしゃると冷ややかに笑いました。

 ふふっ。
暴君、よろしいではないですか。

 暴君と悪女、お似合いですわ。

 メタトロン前公爵は、貴族籍剥奪という単語に愕然とされております。

 市井の女性に子を産ませたことをラルク様は明言されたのよ?

 その詳細を知られていないと何故思えるのかしら。

「き、族籍、はく、奪・・・」

「俺は相手が平民だからといって、その暴挙を許すつもりはない。そして、お前の行為が元凶で今回オファニム伯爵家との婚約が壊れた。責任を取るのは当たり前だろう?」

「しっ、しかし!罰として当主の座をおりて・・・」

「お前を当主として相応しくないと判断したのは、子息の愚挙を止められなかったからだ。そして、自分の血を引く娘の愚挙もな。貴族籍剥奪は、その全ての元凶が、妻がありながら無理矢理使用人の女性に子を産ませたお前にあるからだ」

 貴族の中に、平民には何をしてもいいと考えている者がいることは事実です。

 そして女性が不貞をすれば即離縁とされるのに、男性の場合は緩い対応を取られることが多いのも。

 メタトロン前公爵の場合は、女性が亡くなった前夫人と似ているという純愛フィルターで覆ってありますが、不貞行為には変わりありませんし、女性の気持ちを無視した男のエゴですわ。

 周囲の、公爵侯爵伯爵家の当主たちの冷たい視線に、すでにこれが決定事項だと気付いたのでしょう。

 メタトロン元公爵は、音を立てて椅子に崩れ落ちました。

 メタトロン公爵家の降爵は、リッド様に告げられます。

 もう貴族でなくなるこの方には、関係ありませんもの。

 カタリーナ様はすでに荷物をまとめて帝城でおられますし、キララさんとあの女性は修道院のある町へすでに旅立っております。

 貴族でなくなったこの方があの女性を訪ねて花屋さんや家に行っても、彼女たちがどこに行ったのか知っているのはわたくしたちだけですから大丈夫でしょう。

 お金を使えば探せないことがないでしょうから、あの女性には修道院内のお仕事を斡旋してあります。

 キララさんと会うことはできませんが、あの修道院は訳ありの方が入りますから、警備員もいますの。

 念の為に、元公爵の方には監視がつきますわ。

 メタトロン元公爵に人生を狂わされたあの母娘には、できれば更生して幸せになっていただきたいと思っておりますの。

 そのためにも、元公爵を近付けるわけにはまいりませんわ。
 

 

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