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シリル・イグリットの場合
アルトガン公爵の懺悔
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「ま、待ってくれ、父上!俺は、婚約解消になんか応じないッ!」
父親であるアルトガン公爵から、シリルとの婚約の白紙撤回に関する書類にサインするように求められて、ウォルターは激しく抵抗した。
しかし、父親であるアルトガン公爵はそんな息子を冷ややかに見た。
「なら、廃籍されるか?当主である親の言うことを聞けないなら、平民になるといい。なら、お前のサインなどなくても婚約は解消される」
「父上ッ!」
「どちらでも好きな方を選ぶといい。最初に言ったはずだ。婚約者を大切にしろと。相手が不快に感じた場合は、こちらの有責で婚約は白紙撤回されると。噂が真実であろうとなかろうと関係ない。不快に思われたということだ」
「で、ですが!彼女は何も・・・」
何も言ってこなかったと言おうとしたウォルターは、父親のあまりにも冷たい視線に、言葉を続けることが出来なかった。
「言葉で言われなかったら、何をしてもかまわないとでも思ったのか?お前はそこまで愚かだったのか。これは決定事項だ。お前にある選択肢は、大人しく領地に行くか、もしくは平民になるか、だ」
ウォルターは何度も父親に訴えたが、父親がそれを受け入れてくれることはなかった。
そして、二日後にはウォルターの署名がないまま、ウォルター・アルトガンとシリル・イグリットの婚約は、ウォルターの有責で白紙撤回となった。
ウォルターの有責での白紙撤回を受け入れれば、慰謝料やアルトガン公爵家に責を問わないという婚約時の契約内容に添った形になる。
公爵家と使用人、領民を守るのが当主の務めである。
公爵家を傾かせる事態を招いたウォルターを、息子だからといって許すわけにはいかなかった。
婚約の白紙撤回の翌日には、アルトガン公爵はウォルターを縄で拘束し、領地行きへの馬車は放り込んだ。
公爵家の屈強な騎士を見張りに付け、逃がさないために鉄の足枷まで付けた。
完全に犯罪者扱いだが、領地にいる伯母に迷惑をかけないための足枷である。
風呂や不浄も、足枷があればずっと見張っている必要がないからだ。
ロバート・アルトガン公爵は、決して息子のウォルターが可愛くないわけではない。
学園でも特別クラスに入っているし、素直な良い子だと思っていたので、自慢の嫡男だと思っていた。
それが、自分よりも優秀な女性を厭うという愚か者だとは思わなかった。
それに気付かなかった自分の愚かさも情けなかった。
せめて、ウォルターが伯母の元で改心し、良い伴侶を得て子爵として頑張ってくれればいい。
そう願わずにはいられない親心だった。
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しかし、父親であるアルトガン公爵はそんな息子を冷ややかに見た。
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「父上ッ!」
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「で、ですが!彼女は何も・・・」
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「言葉で言われなかったら、何をしてもかまわないとでも思ったのか?お前はそこまで愚かだったのか。これは決定事項だ。お前にある選択肢は、大人しく領地に行くか、もしくは平民になるか、だ」
ウォルターは何度も父親に訴えたが、父親がそれを受け入れてくれることはなかった。
そして、二日後にはウォルターの署名がないまま、ウォルター・アルトガンとシリル・イグリットの婚約は、ウォルターの有責で白紙撤回となった。
ウォルターの有責での白紙撤回を受け入れれば、慰謝料やアルトガン公爵家に責を問わないという婚約時の契約内容に添った形になる。
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公爵家を傾かせる事態を招いたウォルターを、息子だからといって許すわけにはいかなかった。
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完全に犯罪者扱いだが、領地にいる伯母に迷惑をかけないための足枷である。
風呂や不浄も、足枷があればずっと見張っている必要がないからだ。
ロバート・アルトガン公爵は、決して息子のウォルターが可愛くないわけではない。
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それが、自分よりも優秀な女性を厭うという愚か者だとは思わなかった。
それに気付かなかった自分の愚かさも情けなかった。
せめて、ウォルターが伯母の元で改心し、良い伴侶を得て子爵として頑張ってくれればいい。
そう願わずにはいられない親心だった。
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