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憧れでしかない《エレン視点》
「エレン様は誰か好きな方がおいでになりますか?」
奥様をお迎えした後、ルミナス様のところへ戻ろうとしていたら、いきなりレイラさんにそんなことを聞かれました。
は?
好きな人?いきなりなんなのでしょうか?
「好きな人ですか?」
「はい」
どう見ても、レイラさんは真面目な顔です。
まぁ、この方が真面目以外の表情をされているのを見たことはありませんが。
好きな人・・・
家族や友人のことではないですよね?
ルミナス様やコンフェルト公爵家の方々を好きだと思う気持ちじゃなく、恋愛関係の好き、という意味ですよね。
好き・・・
パッと脳裏に浮かんだのは、アルベルト様の姿でした。
王太子殿下の護衛騎士のアルベルト様。
ご本人に確認したことはありませんが、王太子殿下の騎士をされているのです。貴族の方だと思います。
深緑色の髪と瞳をされたアルベルト様は、寡黙な方です。
剣の腕は騎士団長に匹敵すると言われていて、学園時代から王太子殿下に仕えられているそうです。
その容姿に、黄色い声を上げるご令嬢も多いと聞きます。
本来なら見目麗しい王太子殿下と人気を二分しそうですが、殿下はルミナス様を溺愛されていることを、ほとんどの貴族は知っていますものね。
自然と、婚約者のいないアルベルト様に人気が集中しました。
ただ・・・
アルベルト様の冷ややかなまでのクールさに、心折れるご令嬢も多いみたいですけど。
私は・・・
私のこの気持ちは、憧れでしかないと思います。
私は、誰かを好きになってその人に疎まれることが怖いのです。
だって、私は実の両親や姉にすら好いてもらえなかったのですから。
「好きな人は・・・いません」
「・・・お付き合いされてなくても構いませんが?」
「いません」
私は、自分の気持ちを認めるのが怖いのです。
認めて、願って、そして拒否されるのが怖い。
それならば、最初から期待したりしないように、この思いは憧れだと自分に言い聞かせておくべきだと思うのです。
「・・・わかりました」
「何故、そんなことを?」
レイラさんは、納得されたのか、それとも私が言うつもりがないとわかったのか、いつも通りの無表情で頷かれました。
「単なる興味です」
「・・・」
レイラさんがそんなことに興味を持つとは思えませんが、それも私の思い込みで、レイラさんも誰か好きな人がいて参考にしたかったのかもしれません。
立ち去っていくレイラさんの後ろ姿をしばらく眺めてから、私もルミナス様の元へ戻ることにしました。
あの愚かな家族は、王妃様と奥様の手で、処罰されるのでしょうね。
奥様をお迎えした後、ルミナス様のところへ戻ろうとしていたら、いきなりレイラさんにそんなことを聞かれました。
は?
好きな人?いきなりなんなのでしょうか?
「好きな人ですか?」
「はい」
どう見ても、レイラさんは真面目な顔です。
まぁ、この方が真面目以外の表情をされているのを見たことはありませんが。
好きな人・・・
家族や友人のことではないですよね?
ルミナス様やコンフェルト公爵家の方々を好きだと思う気持ちじゃなく、恋愛関係の好き、という意味ですよね。
好き・・・
パッと脳裏に浮かんだのは、アルベルト様の姿でした。
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剣の腕は騎士団長に匹敵すると言われていて、学園時代から王太子殿下に仕えられているそうです。
その容姿に、黄色い声を上げるご令嬢も多いと聞きます。
本来なら見目麗しい王太子殿下と人気を二分しそうですが、殿下はルミナス様を溺愛されていることを、ほとんどの貴族は知っていますものね。
自然と、婚約者のいないアルベルト様に人気が集中しました。
ただ・・・
アルベルト様の冷ややかなまでのクールさに、心折れるご令嬢も多いみたいですけど。
私は・・・
私のこの気持ちは、憧れでしかないと思います。
私は、誰かを好きになってその人に疎まれることが怖いのです。
だって、私は実の両親や姉にすら好いてもらえなかったのですから。
「好きな人は・・・いません」
「・・・お付き合いされてなくても構いませんが?」
「いません」
私は、自分の気持ちを認めるのが怖いのです。
認めて、願って、そして拒否されるのが怖い。
それならば、最初から期待したりしないように、この思いは憧れだと自分に言い聞かせておくべきだと思うのです。
「・・・わかりました」
「何故、そんなことを?」
レイラさんは、納得されたのか、それとも私が言うつもりがないとわかったのか、いつも通りの無表情で頷かれました。
「単なる興味です」
「・・・」
レイラさんがそんなことに興味を持つとは思えませんが、それも私の思い込みで、レイラさんも誰か好きな人がいて参考にしたかったのかもしれません。
立ち去っていくレイラさんの後ろ姿をしばらく眺めてから、私もルミナス様の元へ戻ることにしました。
あの愚かな家族は、王妃様と奥様の手で、処罰されるのでしょうね。
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