105 / 120
偽ヒロインのひとり言①
しおりを挟む
どこを間違ったの?
アレックス様もダグラス様も、どこかへ連れて行かれた。
私は変な首輪を付けられて、牢屋に入れられた。
私が、この乙女ゲームを元にした漫画の世界に転生したのは一年前。
私は、日本で暮らしていた十三歳の中学一年生だった。
当時、クラスメイトの中で流行っていたのがその乙女ゲームで、私もすごくハマったわ。
私のイチオシは、公爵家嫡男のランスロット。
金髪に青い瞳で、すっごくかっこいいし、優しいの。
そのランスロットの従妹が王太子ライアンの婚約者のルーナ・フィオレンサ公爵令嬢。
ルーナがいる時点で、この世界が乙女ゲームではなく、それを元にした漫画だって分かった。
乙女ゲームならランスロットを攻略できるのに、漫画はライアンと結ばれるストーリーなの。
でも自分が、リゾーラ男爵令嬢だって気付いた時、思ったの。
私はヒロインじゃないんだから、誰を攻略しても良いんじゃないかって。
この乙女ゲームのヒロインは、黒髪黒目なのよ。
日本じゃありふれたその色も、この世界では珍しくて、しかもヒロインは聖女なのよね。
私が転生したシシリーは、ピンク色の髪と瞳なの。
何だか、よくあるザマァされるヒロインの色でやなんだけど、顔は可愛かったから許容範囲かな。
ランスロットに近付くには、周囲から攻めなくちゃならないの。
彼は両親を事故で亡くしていて、フィオレンサ公爵家も叔父の家族に取られて、すごく傷ついているの。
王子様の方はヒロインにお任せして、私はランスロットの攻略をしようって決めた。
舞台となる学園の入学前に転生できたから、入学式イベントを見てからどう動くか決めるつもりだったのに、どうして式ギリギリにやって来るはずのヒロインがいないわけ?
それに、ライアンやアレックス達はいるのに、ランスロットだけがいないの。
なんかおかしくない?
ランスロットを探してたら、ダグラスにぶつかって転んでしまった。
「大丈夫かな?」
ライアンに手を差し出されて、その手に手を重ねた時、これってヒロインの入学式イベントじゃん!って思った。
え?私、ヒロインポジ?
ここにはランスロットはいないけど、ライアンたちと一緒にいたら、ランスロットとも知り合える。
そう思って、ライアンたちと共にいようと思ったんだけど・・・
クラスが違っちゃったのよ!
確かに入学試験、あんまり出来なかったけど、同じクラスじゃなきゃイベントがこなせないじゃない!
それに、ヒロイン!
やっぱりいたのよ、攻略対象たちと同じクラスに!
しかも何故かランスロットの隣に座ってるの!
ランスロットもどうして憎んでいる従妹のルーナと一緒にいるの?
アレックス様もダグラス様も、どこかへ連れて行かれた。
私は変な首輪を付けられて、牢屋に入れられた。
私が、この乙女ゲームを元にした漫画の世界に転生したのは一年前。
私は、日本で暮らしていた十三歳の中学一年生だった。
当時、クラスメイトの中で流行っていたのがその乙女ゲームで、私もすごくハマったわ。
私のイチオシは、公爵家嫡男のランスロット。
金髪に青い瞳で、すっごくかっこいいし、優しいの。
そのランスロットの従妹が王太子ライアンの婚約者のルーナ・フィオレンサ公爵令嬢。
ルーナがいる時点で、この世界が乙女ゲームではなく、それを元にした漫画だって分かった。
乙女ゲームならランスロットを攻略できるのに、漫画はライアンと結ばれるストーリーなの。
でも自分が、リゾーラ男爵令嬢だって気付いた時、思ったの。
私はヒロインじゃないんだから、誰を攻略しても良いんじゃないかって。
この乙女ゲームのヒロインは、黒髪黒目なのよ。
日本じゃありふれたその色も、この世界では珍しくて、しかもヒロインは聖女なのよね。
私が転生したシシリーは、ピンク色の髪と瞳なの。
何だか、よくあるザマァされるヒロインの色でやなんだけど、顔は可愛かったから許容範囲かな。
ランスロットに近付くには、周囲から攻めなくちゃならないの。
彼は両親を事故で亡くしていて、フィオレンサ公爵家も叔父の家族に取られて、すごく傷ついているの。
王子様の方はヒロインにお任せして、私はランスロットの攻略をしようって決めた。
舞台となる学園の入学前に転生できたから、入学式イベントを見てからどう動くか決めるつもりだったのに、どうして式ギリギリにやって来るはずのヒロインがいないわけ?
それに、ライアンやアレックス達はいるのに、ランスロットだけがいないの。
なんかおかしくない?
ランスロットを探してたら、ダグラスにぶつかって転んでしまった。
「大丈夫かな?」
ライアンに手を差し出されて、その手に手を重ねた時、これってヒロインの入学式イベントじゃん!って思った。
え?私、ヒロインポジ?
ここにはランスロットはいないけど、ライアンたちと一緒にいたら、ランスロットとも知り合える。
そう思って、ライアンたちと共にいようと思ったんだけど・・・
クラスが違っちゃったのよ!
確かに入学試験、あんまり出来なかったけど、同じクラスじゃなきゃイベントがこなせないじゃない!
それに、ヒロイン!
やっぱりいたのよ、攻略対象たちと同じクラスに!
しかも何故かランスロットの隣に座ってるの!
ランスロットもどうして憎んでいる従妹のルーナと一緒にいるの?
143
あなたにおすすめの小説
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
悪役令嬢は間違えない
スノウ
恋愛
王太子の婚約者候補として横暴に振る舞ってきた公爵令嬢のジゼット。
その行動はだんだんエスカレートしていき、ついには癒しの聖女であるリリーという少女を害したことで王太子から断罪され、公開処刑を言い渡される。
処刑までの牢獄での暮らしは劣悪なもので、ジゼットのプライドはズタズタにされ、彼女は生きる希望を失ってしまう。
処刑当日、ジゼットの従者だったダリルが助けに来てくれたものの、看守に見つかり、脱獄は叶わなかった。
しかし、ジゼットは唯一自分を助けようとしてくれたダリルの行動に涙を流し、彼への感謝を胸に断頭台に上がった。
そして、ジゼットの処刑は執行された……はずだった。
ジゼットが気がつくと、彼女が9歳だった時まで時間が巻き戻っていた。
ジゼットは決意する。
次は絶対に間違えない。
処刑なんかされずに、寿命をまっとうしてみせる。
そして、唯一自分を助けようとしてくれたダリルを大切にする、と。
────────────
毎日20時頃に投稿します。
お気に入り登録をしてくださった方、いいねをくださった方、エールをくださった方、どうもありがとうございます。
とても励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる