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本当に愚かな〜セオドア王国宰相視点〜
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「は?イングリス公爵がいない?」
先日、イングリス公爵令嬢様とエリック殿下の婚約は白紙撤回となった。
それでも王家はイングリス公爵家にこだわっているのか、今日私は公爵家を訪問するようにと言われた。
そして、王宮に戻った私は国王陛下に伝えたのだ。
「アウグスト・イングリス殿は公爵家にいない」と。
正確に言えば、そろそろ国境は越えた後だから、この国にはいない、だが、そこはギリギリまで伏せておくことになっている。
馬での強行軍だと言っていた。
イングリス公爵令息や、騎士団長のキンブル侯爵家のご長男は大丈夫だろうが、文官長のご次男や公爵、侯爵にはキツいだろうな。
私は先日、宰相の座に就いたばかりだ。
前任のキンブル侯爵が、妻の体調不良を理由に退職された。
国王陛下は随分と渋られていたが、田舎に引き上げると言われたら止めきれなかったのだろう。
そして、補佐をしていた私がその責務を引き継ぐことになった。
もちろん、キンブル侯爵夫人が体調不良など、嘘だ。
夫人は早々にご令嬢たちとローゼンタール王国に向かったと聞く。
公爵たちが残っていたのは、引き継ぎと後始末のためだと聞いた。
王太子殿下のエリック殿下は、あの聡明でお美しい、非のつけどころのないご令嬢を婚約者にしていながら、男爵令嬢と不貞を働いた、と聞く。
馬鹿だろう。
まもなく学園に入学し、三年後には婚姻予定だったというのに、何を考えているんだ?
男爵家のご令嬢が、王太子妃になんかなれるわけがないだろう?
国交はどうする?
三年でどれだけのことを身につけられる?
あのイングリス公爵令嬢ですから、幼い頃から王宮で淑女教育に王子妃教育を受けていたんだぞ?
それに、自国のご令嬢たちとの交流はどうする?
身分が下の者が上の者に声をかけることがマナー違反だと分かっているのか?
王太子殿下の婚約者といえど、婚姻するまではあくまでも婚約者。男爵令嬢でしかない。
他家の、身分の高いご令嬢が相手にしてくれるわけがないだろう?
それでも、イングリス公爵様たちはその男爵令嬢とエリック殿下を婚約させると準備をされていた。
セオドア王家には、エリック殿下しかお子様はいない。
その王太子殿下の妻、王太子妃が公務ひとつも出来ないとなると、この国はどうなる?
たとえ王族が愚かでも、そこに住まう貴族や平民たちに罪はない。
だからこそ、私はキンブル侯爵の跡を継いだ。
この後どうなるか、どうすべきか、全ての策は授かっている。
新たなイングリス公爵の力を借りて、この国を支えなくてはならない。
先日、イングリス公爵令嬢様とエリック殿下の婚約は白紙撤回となった。
それでも王家はイングリス公爵家にこだわっているのか、今日私は公爵家を訪問するようにと言われた。
そして、王宮に戻った私は国王陛下に伝えたのだ。
「アウグスト・イングリス殿は公爵家にいない」と。
正確に言えば、そろそろ国境は越えた後だから、この国にはいない、だが、そこはギリギリまで伏せておくことになっている。
馬での強行軍だと言っていた。
イングリス公爵令息や、騎士団長のキンブル侯爵家のご長男は大丈夫だろうが、文官長のご次男や公爵、侯爵にはキツいだろうな。
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そして、補佐をしていた私がその責務を引き継ぐことになった。
もちろん、キンブル侯爵夫人が体調不良など、嘘だ。
夫人は早々にご令嬢たちとローゼンタール王国に向かったと聞く。
公爵たちが残っていたのは、引き継ぎと後始末のためだと聞いた。
王太子殿下のエリック殿下は、あの聡明でお美しい、非のつけどころのないご令嬢を婚約者にしていながら、男爵令嬢と不貞を働いた、と聞く。
馬鹿だろう。
まもなく学園に入学し、三年後には婚姻予定だったというのに、何を考えているんだ?
男爵家のご令嬢が、王太子妃になんかなれるわけがないだろう?
国交はどうする?
三年でどれだけのことを身につけられる?
あのイングリス公爵令嬢ですから、幼い頃から王宮で淑女教育に王子妃教育を受けていたんだぞ?
それに、自国のご令嬢たちとの交流はどうする?
身分が下の者が上の者に声をかけることがマナー違反だと分かっているのか?
王太子殿下の婚約者といえど、婚姻するまではあくまでも婚約者。男爵令嬢でしかない。
他家の、身分の高いご令嬢が相手にしてくれるわけがないだろう?
それでも、イングリス公爵様たちはその男爵令嬢とエリック殿下を婚約させると準備をされていた。
セオドア王家には、エリック殿下しかお子様はいない。
その王太子殿下の妻、王太子妃が公務ひとつも出来ないとなると、この国はどうなる?
たとえ王族が愚かでも、そこに住まう貴族や平民たちに罪はない。
だからこそ、私はキンブル侯爵の跡を継いだ。
この後どうなるか、どうすべきか、全ての策は授かっている。
新たなイングリス公爵の力を借りて、この国を支えなくてはならない。
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