69 / 122
これが恋なら
しおりを挟む
「わぁ!素敵ですねぇ」
アンナがわたくしの手元を覗き込んで、ニコニコと微笑みます。
別れ際に記念だと渡されたのは、シャルロット様に差し上げるプレゼントと色違いの、銀縁に青やピンク、紫が混じった蝶のブローチと髪飾りでした。
わたくしの髪色は白ですから、シャルロット様に差し上げる髪飾りのように白色がベースでは髪飾りが目立たないのです。
だからきっと、ジークハルト様はこの色合いにしてくださったのだと思います。
「ねぇ、アンナ。わたくし、シャルロット様のお誕生日パーティー、これを付けていきたい」
ブルートパーズのお飾りは、ジークハルト様とお揃いですから付けたいのですが、いただいたこれを付けているところを見ていただきたいのです。
「ジークハルト様とお揃いのお飾りと両方は無理よね」
「そうですね・・・あ。それなら、デザイナーさんをお呼びして、この蝶と同じ色合いの石で殿下のお飾りを作っていただきましょう。カフスやタイピンとかですから、間に合いますよ」
「そんなご無理を言ってもいいのかしら」
「大丈夫です。すぐにご連絡して来ますね」
我儘だとは分かっていますが、どうしてもこの蝶を身につけたいのです。
「アンナが慌てて出て行ったけど、どうかしたの?あら?そんな髪飾り持っていた?」
「ジークハルト様にいただきました。シャルロット様と色違いなのです」
「あら、素敵。で、アンナは何を慌てていたの?」
「ジークハルト様にいただいたこのお飾りをパーティーで付けたいのですが、ジークハルト様とお揃いにしたくて。そうしたら、アンナがこの蝶と同じ色合いの石でジークハルト様のお飾りを作って貰えばいいとアドバイスしてくれたのです」
我儘だと、お母様に言われないかしら?
でも、お母様はさすがアンナね、と微笑まれました。
そういえば最近、お母様はわたくしのことを「可愛いお姫様」と呼ばなくなりました。
どうしてかしら。
「ふふっ。アリスティアは、ジークハルトに恋をしているのね」
「え、あの・・・じ、ジークハルト様は素敵な方だと思います」
「ごめんなさい、アリスティア。私が貴女が可愛くて可愛くて、可愛いお姫様を傷つけたくなくて、過保護にし過ぎたせいで王命での婚約がなくなってしまったわ。そのせいで、ジークハルトはきっと、婚約を申し込んでは来ない」
ジークハルト様とは・・・婚約、出来ない・・・?
どうしてかしら。
胸の奥が痛い気がします。
王命の取り消しの時は、こんな痛み感じなかったのに。
「アリスティア。私がこんなことを言えた義理じゃないけど、ジークハルトと一緒にいたいのなら、アリスティアから踏み出さないと従兄妹以上にはなれないわよ」
アンナがわたくしの手元を覗き込んで、ニコニコと微笑みます。
別れ際に記念だと渡されたのは、シャルロット様に差し上げるプレゼントと色違いの、銀縁に青やピンク、紫が混じった蝶のブローチと髪飾りでした。
わたくしの髪色は白ですから、シャルロット様に差し上げる髪飾りのように白色がベースでは髪飾りが目立たないのです。
だからきっと、ジークハルト様はこの色合いにしてくださったのだと思います。
「ねぇ、アンナ。わたくし、シャルロット様のお誕生日パーティー、これを付けていきたい」
ブルートパーズのお飾りは、ジークハルト様とお揃いですから付けたいのですが、いただいたこれを付けているところを見ていただきたいのです。
「ジークハルト様とお揃いのお飾りと両方は無理よね」
「そうですね・・・あ。それなら、デザイナーさんをお呼びして、この蝶と同じ色合いの石で殿下のお飾りを作っていただきましょう。カフスやタイピンとかですから、間に合いますよ」
「そんなご無理を言ってもいいのかしら」
「大丈夫です。すぐにご連絡して来ますね」
我儘だとは分かっていますが、どうしてもこの蝶を身につけたいのです。
「アンナが慌てて出て行ったけど、どうかしたの?あら?そんな髪飾り持っていた?」
「ジークハルト様にいただきました。シャルロット様と色違いなのです」
「あら、素敵。で、アンナは何を慌てていたの?」
「ジークハルト様にいただいたこのお飾りをパーティーで付けたいのですが、ジークハルト様とお揃いにしたくて。そうしたら、アンナがこの蝶と同じ色合いの石でジークハルト様のお飾りを作って貰えばいいとアドバイスしてくれたのです」
我儘だと、お母様に言われないかしら?
でも、お母様はさすがアンナね、と微笑まれました。
そういえば最近、お母様はわたくしのことを「可愛いお姫様」と呼ばなくなりました。
どうしてかしら。
「ふふっ。アリスティアは、ジークハルトに恋をしているのね」
「え、あの・・・じ、ジークハルト様は素敵な方だと思います」
「ごめんなさい、アリスティア。私が貴女が可愛くて可愛くて、可愛いお姫様を傷つけたくなくて、過保護にし過ぎたせいで王命での婚約がなくなってしまったわ。そのせいで、ジークハルトはきっと、婚約を申し込んでは来ない」
ジークハルト様とは・・・婚約、出来ない・・・?
どうしてかしら。
胸の奥が痛い気がします。
王命の取り消しの時は、こんな痛み感じなかったのに。
「アリスティア。私がこんなことを言えた義理じゃないけど、ジークハルトと一緒にいたいのなら、アリスティアから踏み出さないと従兄妹以上にはなれないわよ」
131
あなたにおすすめの小説
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
公爵令嬢の辿る道
ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。
家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。
それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。
これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。
※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。
追記
六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
「シモーニ公爵令嬢、ジェラルディーナ! 私はお前との婚約を破棄する。この宣言は覆らぬと思え!!」
婚約者である王太子殿下ヴァレンテ様からの突然の拒絶に、立ち尽くすしかありませんでした。王妃になるべく育てられた私の、存在価値を否定するお言葉です。あまりの衝撃に意識を手放した私は、もう生きる意味も分からなくなっていました。
婚約破棄されたシモーニ公爵令嬢ジェラルディーナ、彼女のその後の人生は思わぬ方向へ転がり続ける。優しい彼女の功績に助けられた人々による、恩返しが始まった。まるで童話のように、受け身の公爵令嬢は次々と幸運を手にしていく。
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2022/02/15 小説家になろう 異世界恋愛(日間)71位
2022/02/12 完結
2021/11/30 小説家になろう 異世界恋愛(日間)26位
2021/11/29 アルファポリス HOT2位
2021/12/03 カクヨム 恋愛(週間)6位
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる