決めたのはあなたでしょう?

みおな

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しばらく会わないように

「それで、アリス。慰謝料が払われるまでは、しばらくはサイード君には会わないようにな」

 お父様の言葉に首を傾げます。
私とサイード様・・・いえ、スペンサー侯爵令息様は婚約を解消したのですから、もうお会いすることはないと思うのですが。

 それに、彼はナターシャ様との愛に夢中でしょうし、私に近付いてくることはないのでは?

「よく考えてみなさい。うちはスペンサー侯爵家と婚約解消した」

「はい」

「つまりは、サイード君は、その男爵家の入婿になるか、もしくは平民となるかだ」

 お父様のお話に、ハッとします。
ナターシャ様のご実家である男爵家の規模は分かりませんが、もし平民になるのなら慰謝料を払うのは相当大変だと思われます。

 息子の不始末とはいえ、侯爵家に損害を与えたとして、ナターシャ様のご実家に慰謝料請求がされていてもおかしくありません。

 ということは、元婚約者様は、これから真実の愛の試練に立ち向かうことになります。

 まさか婚約解消した私に縋ってくることはないと思いますが、慰謝料に関して文句を言われるかもしれませんね。

「一応、学園では建屋が別ですから、お会いすることはないと思うのですが」

「しかし、向こうから探してくることもあるかもしれん。それで、第一王子殿下から言われたのだが、マリンティア王女殿下と共に、他国に親善大使として行って来なさい」

「他国?親善大使?私がですか?」

 親善大使というのは、主に国際的な親善や交流を行うのを目的としています。

 王族であるとはいえ、王女であるマリンティア様が大使として他国に?

「実は、マリンティア王女殿下のお見合いを兼ねているそうだ。親善大使といっても顔合わせのようなものだ。殿下の話し相手にもなるだろうから、アリスも同行するといい」

 納得しました。
マリンティア様のお見合いで、私は話し相手の侍女みたいなものですね。

 ですが、私は他国に赴いたことがありませんから、とてもドキドキします。

 あ。でも、学園をお休みしてもいいのでしょうか?

「お父様。学園をお休みしても構わないのでしょうか?」

「ああ。親善大使として他国へ赴くことの書類を殿下から預かっているから、その旨、学園長と話しておく。アリスはお友達に課題や教科の控えを取ってもらえるようにお願いしておきなさい」

「わかりましたわ。それで、出発日と期間はどのくらいなのですか?」

「出発は明後日だ。期間は、3ヵ国訪れるから、一ヶ月ををみている」

 明後日・・・
随分と急ですわ。もしかして、マリンティア様だけが赴く予定だったのに、私の同行を無理にお願いしたのじゃないかしら。

 それほどまでに、元婚約者の動向に不安があるということでしょうか。

 
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