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もしかして?
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王太子殿下の登場に、私は慌てて屈膝礼をして、頭を下げました。
王族に対して許可なく顔を上げて、顔を見ることなど不敬以外のなにものでもありません。
マリンティア様はお友達なのだからと、カーテシーでの挨拶だけで良いと言ってくれますが、それでも公の場では、ちゃんと頭を下げます。
「ああ、ここは僕しかいないから、気にせず顔を上げて」
「レンブラント王国ジョージアナ伯爵が娘、アリスと申します」
「サザンスイート王国のジュリアンだよ。レンブラントの第二王子ケルヴィンとは友人なんだ。へぇ。話に聞いてた通りに、可愛らしいね」
「もう!ジュリアンお兄様!アリスにちょっかい出さないで下さいませね」
王太子殿下は、とてもお優しい方のようです。
それから、マリンティア様。
殿下は、私が緊張しないようにおっしゃっているだけで、お世辞なことくらい分かりますわ。
だって王太子殿下は、それこそ可愛らしくそんなことをおっしゃるマリンティア様のことを、とても愛おしげな瞳で見ていらっしゃるんですもの。
婚約者に浮気されて婚約解消した私の恋愛スキルはあてになりませんけど、それでも王太子殿下がマリンティア様のことを可愛いと思ってらっしゃることは間違いないと思います。
「ねぇ、ジュリアンお兄様。あの伝承の話、アリスにしたの。そしたら、アリスがすごく感動しちゃって。もう少し詳しくアリスに話してあげてくれないかしら?」
「うん?そうだなぁ。明日まで待ってくれるかい?いくら、マリンティアの友人だと言っても、僕が勝手に話すわけにはいかないし、父上に許可を取ってからね」
マリンティア様が私を気遣い、そうお願いしてくれますが、ご迷惑ではないでしょうか。
ですが王族同士の会話に、口を挟むわけにもいきません。
私の瞳が戸惑っていることに、気づかれたのでしょう。
王太子殿下は、安心させるようににっこりと微笑んで下さいました。
「心配しなくても、ダメな時は駄目だと言うから。実は母上がマリンティアを可愛がっていてね。だから、マリンティアの友人ならおそらく大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
「さてと、じゃあまた後で。マリンティア、ジョージアナ嬢」
「ええ、ジュリアンお兄様」
王太子殿下がにこやかに去って行かれ、私は小さく息を吐きました。
お優しい方で、私を気遣って下さっているのは分かっていましたが、やはり緊張してしまいますね。
「さ、アリスも部屋で着替えてくるといいわ。疲れたでしょう?」
「ありがとうございます。マリンティア様も少しお休みになって下さいね」
今夜は、晩餐に参加させていただくことになっています。
緊張で、味がしなさそうですわ。
王族に対して許可なく顔を上げて、顔を見ることなど不敬以外のなにものでもありません。
マリンティア様はお友達なのだからと、カーテシーでの挨拶だけで良いと言ってくれますが、それでも公の場では、ちゃんと頭を下げます。
「ああ、ここは僕しかいないから、気にせず顔を上げて」
「レンブラント王国ジョージアナ伯爵が娘、アリスと申します」
「サザンスイート王国のジュリアンだよ。レンブラントの第二王子ケルヴィンとは友人なんだ。へぇ。話に聞いてた通りに、可愛らしいね」
「もう!ジュリアンお兄様!アリスにちょっかい出さないで下さいませね」
王太子殿下は、とてもお優しい方のようです。
それから、マリンティア様。
殿下は、私が緊張しないようにおっしゃっているだけで、お世辞なことくらい分かりますわ。
だって王太子殿下は、それこそ可愛らしくそんなことをおっしゃるマリンティア様のことを、とても愛おしげな瞳で見ていらっしゃるんですもの。
婚約者に浮気されて婚約解消した私の恋愛スキルはあてになりませんけど、それでも王太子殿下がマリンティア様のことを可愛いと思ってらっしゃることは間違いないと思います。
「ねぇ、ジュリアンお兄様。あの伝承の話、アリスにしたの。そしたら、アリスがすごく感動しちゃって。もう少し詳しくアリスに話してあげてくれないかしら?」
「うん?そうだなぁ。明日まで待ってくれるかい?いくら、マリンティアの友人だと言っても、僕が勝手に話すわけにはいかないし、父上に許可を取ってからね」
マリンティア様が私を気遣い、そうお願いしてくれますが、ご迷惑ではないでしょうか。
ですが王族同士の会話に、口を挟むわけにもいきません。
私の瞳が戸惑っていることに、気づかれたのでしょう。
王太子殿下は、安心させるようににっこりと微笑んで下さいました。
「心配しなくても、ダメな時は駄目だと言うから。実は母上がマリンティアを可愛がっていてね。だから、マリンティアの友人ならおそらく大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
「さてと、じゃあまた後で。マリンティア、ジョージアナ嬢」
「ええ、ジュリアンお兄様」
王太子殿下がにこやかに去って行かれ、私は小さく息を吐きました。
お優しい方で、私を気遣って下さっているのは分かっていましたが、やはり緊張してしまいますね。
「さ、アリスも部屋で着替えてくるといいわ。疲れたでしょう?」
「ありがとうございます。マリンティア様も少しお休みになって下さいね」
今夜は、晩餐に参加させていただくことになっています。
緊張で、味がしなさそうですわ。
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