決めたのはあなたでしょう?

みおな

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決めたのは私です《最終話》

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 カイン様とお話をした翌日、私はカイン様と婚約いたしました。

 婚姻は、学園を卒業してすぐにすることにしています。

 お父様には伯爵家を継ぐのは、私とカイン様の子供にとお願いしました。
 それまではお父様には申し訳ないですが、伯爵として頑張っていただければと思います。

 ですが、それが無理なようなら、王家に伯爵位を返上し、伯爵領をお返ししていただくことになりました。

 私はお父様に、私は伯爵家を継ぐものとして不適合だと告白しました。

 それどころか、貴族令嬢としても人としても。

 もちろん精進は続けます。
学園でも、貴族令嬢としての矜持を忘れないように振る舞うことを心掛けています。

 中々、ずっと甘えてきたことから抜けるのは難しいですが、それでも少しでもまともになれるよう努力はしなくてはなりません。

 マリンティア様とは、あの後ゆっくりお話することはありませんでした。

 元々、半年後にサザンスィート王国に行かれることが決まっていたので、その準備に追われていらっしゃったのです。

 サザンスィート王国で王太子妃教育、王妃教育を受けられ、ニ年後に婚姻されるそうです。

 お会いすることは叶いませんでしたが、お手紙はいただきました。

 私が幸せになることを祈っていると。
そして叶うならば、ジュリアン王太子殿下との結婚式には参列して欲しいと。

 不甲斐ない私をいつも支えて下さったマリンティア様の、大切な方との結婚式です。
 そのお姿を一目でも拝見できればと思います。

 ジョージアナ伯爵家の陞爵は、お断りすることになりました。

 元々、陞爵は精霊王様の加護が国に与えられる影響に対するものです。

 お父様は伯爵として頑張っていらっしゃいますが、もしかしたら爵位を返上することもありますので、陞爵は受けるべきでないと判断されました。

 私が爵位を受け継ぐことで陞爵することになっていましたので、私が伯爵位を継がないのなら、陞爵は無効と国王陛下も判断されたのだと思います。

 貴族として、人として、初めからやり直すつもりで頑張ることにした私が、伯爵家を継がないという決断をしたのは、カイン様に向き合うことにしたからです。

 たとえ、私が悪人でも好きだと言って下さったカイン様。

 私はどれだけ未熟なままであろうと、カイン様のお気持ちに向き合い、そのお気持ちに応えられるようになることを選択しました。

 精霊王様の婚姻に年齢は関係ないでしょうが、この国に残られるお父様の疵にならないよう、せめて成人してからの婚姻にしたいとカイン様にはお願いしました。

 私は、まだまだ人として未熟です。
この先、自分でも胸を張れる人間になれるかは明言できません。

 ですが、ただひとつだけ。
カイン様のお隣に立つ自分が誇れるように、そのために努力は続けていくつもりです。

 この先、長い時をカイン様の隣で生きていけるように。
 カイン様に愛されて、そしてカイン様を幸せに出来るように。

 そう決めたのは、私なのですから。

 
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感想 195

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みんなの感想(195件)

あさぎ
2024.04.20 あさぎ

読み応えある魅力的なお話でした。
ありがとうございます。

アリスのグチャグチャ延々と悩み続ける性格の後継令嬢は
現実にはいそうです。けれどせっかく物語の設定やキャラクターや面白くワクワクするストーリー展開全てがいいのに
悩むヒロインの話が長すぎて(・・;)勿体ない。、
跡を継がない結論が,もっと早く出せてたら、お話のバランスは悪くなかったでしょうに(笑) アリスは不器用な頑固者、という印象が強く残りました。
少し残念でした。

とはいえその他は全て楽しく本当に魅力あふれる登場人物たちばかりで、概ね満足でした。
力作に失礼を申しました。すみません
ありがとうございますm(._.)m

2024.04.20 みおな

最後までお読みくださりありがとうございます😊
貴重なご意見ありがとうございます。作者もまだまだ未熟で、手探り状態なので、今後の作品にご意見を活かさせていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。

解除
ココット
2022.06.15 ココット

一言言わせてください。

最後の方の叱責が続くまで、楽しく読んでいました。
アリスちゃん、とても優しい子じゃないですか。作者さんがとても大事に描いていたと思います。
確かに貴族として欠けているところ、心の機微に気付き憎いところはあったと思います。けれど、彼女はまだまだ成長途中。これからゆっくり身につければいいのです。全員が毅然とした貴族でなけらばならないのでしょうか? 周りに味方を増やしながらゆっくり成長するのはダメ? お父様も健在ならば時間はたっぷりあるはずですよね。見切りつけるの早いよ。

最後の叱責、あれは王家の対応の方が問題多いです。今まで先回りして対応してきたのに、いきなり全員で掌返し。王家の意見が強いなら、落とし所を相談すべきだった。アリスがだいじなら大切に教え導くべきです。アリスの意見を否定も肯定もせず。ではないと、過干渉の恐怖政治になってしまいかねない。現に、アリスの貴族としての矜持を育てることなくへし折った。

ここからは推測ですが、アリスの性格に賛否両論が入って作者さんが迷われたのではと思います。でもね、楽しく読んでた私みたいのもおりますよ。

できれば、この後、アリスが成長したすがたを番外編で読みたいですね。王家の人、人一人潰したこと反省して下さい(笑)



2022.06.16 みおな

最後までお読みくださりありがとうございます😊
すみません。最後の方が少々急展開過ぎましたね。
色々な意見があるのは当たり前ですし、コメントを閉じていないのは、皆様の意見を参考にしているところもあるのですが、まだまだ未熟な作者としては、あまりにも主人公が嫌われるのは苦しく、急な展開になってしまいました。
それでも、他にも読んでくださる方がいるのですから、もう少し考慮した展開にすれば良かったと思います。
感想ありがとうございました。また別の作品でもお会いできればと思います。
ありがとうございました😊

解除
ぷりん
2022.06.13 ぷりん

後継はアリスの子供に。
あれ、人間と精霊で子供、、出来るんでしたっけ?

仮に産まれてもハーフだし、立場的に微妙なきがする。
二人の子供を無理に後継にしなくても、父親の代で断絶でもいいんじゃないかな?
別に後継者居なくて断絶なんてそう珍しくもないだろうし、どうしても精霊界との窓口が必要なら王家かそれに近い家から送り込めばいいんだし。

俗世の柵から解放されれば、アリスの浮世離れした感覚も精霊の世界では問題にされないだろう。


 

2022.06.13 みおな

感想ありがとうございます。
ハーフでも大丈夫ですよ。産まれるかどうかはわかりませんけどね。
そしてお父様自身も、元から断絶でも良いと言ってたので、そうなるかもしれませんね。

解除

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