侯爵様、その溺愛は違います!

みおな

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ヒロインが嫌な理由は。

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 私、舞咲花がアニメ《恋の花は咲き乱れる》のヒロイン、レティシア・ダイアンサスに転生したのが嫌な理由。

 それは、とにかく恋の相手のローウェンと結ばれるまでに山あり谷ありだからだ。

 まず、家族。
レティシアの母親は、レディアーナと言ってとても美しい人だった。

 だけど、レティシアが二歳の時に亡くなってしまう。

 喪があけた翌年、父親が再婚した相手がマチルダで、マチルダは一歳になる娘アンジェラを連れていた。

 アンジェラは、緩やかに弧を描く金髪に濃い桃色の瞳をしていて、母親の色だけを受け継いだレティシアと違い、父親の金髪と母親の桃色の瞳の色をしていて・・・

 つまりは

 妻が亡くなってすぐに、父親はマチルダと体を重ね、アンジェラという子供を作っていたのだ。

 ただ、三歳の幼児のレティシアには何故父親がレティシアと距離を取り、マチルダとアンジェラを愛するのか理解出来なかった。

 寂しさゆえに、我儘を言ったり従順になったりを繰り返すレティシアに、使用人たちも距離を取り始める。

 そしてその様子に、段々とマチルダとアンジェラもレティシアにマウントを取るようになる。

 暴力こそ振るわれないものの、まるで使用人のような暮らしを続けるうちに、レティシアは父親が母親を、自分をことを理解し、ダイアンサス伯爵家を捨てることを強く望むようになる。

 そして、十八歳の成人を以て家を捨てようと、準備をしているレティシアと出会うのがローウェンだ。

 お互い強く惹かれ合うのだけど、当然のことながら大きな壁が立ち塞がる。

 まず、王家に嫁げるのは侯爵家以上だということ。

 そして、王太子であるオーウェンには当然のことながら婚約者がいること。

 オーウェンの婚約者である公爵令嬢のクラリッサは、オーウェンのことをとても慕っている。

 当然のことながら、レティシアの存在をよく思わない。

 結局は、二人はさまざまな障害を乗り越えて、愛を深めながら結ばれてハッピーエンドとなるわけだけど・・・

 あのアニメの中で、オーウェンは爽やか系だった。

 もちろん、レティシアに強く惹かれるわけだけど、こんな独りよがりの手紙を送って寄越すような、執着系ではなかった。

 え?
この手紙とか、ドン引きなんだけど。

 前世でいうところのストーカーじゃないの?オーウェンって。

 いやいやいや。

 ないわ。どう見ても、バッドエンドでしょ、ストーカーと結ばれるって。

 百歩譲って、ローウェンを好きなら、ラブラブカップルになるかもだけど、この手紙を見た時点でドン引きな感じからして・・・

 ないわぁ。
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