侯爵様、その溺愛は違います!

みおな

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他に想う人は?

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 カシオが知る限り、クロヴィス様は王家とは適切な距離を取っている・・・というか、王家側に引き込もうとする陛下を毛嫌いしているらしいわ。

 私がローウェンから気持ち悪い手紙をもらったと言った時のクロヴィス様が、婚約を受け入れてくれた理由が分かった気がした。

 ローウェンの傲慢な気質を、ご存知だったのね。

 だから、平民になって逃げるだけでは逃げきれないと判断された。

 そのお優しさに、胸の奥が温かくなる気がした。

「理由はよく分かりました。と婚約しなくて本当に良かったです」

 王族に対して不敬だとは思うけど、前世持ち仲間だしいいわよね。

 案の定、クラリッサは綺麗な微笑みを顔に浮かべた。

「父と母も、別に王家と縁を繋ぐ必要はないと言ってくれて。幸いにもオクタビア公爵家は筆頭公爵家ですから、オーキッド侯爵家とは違う意味ですが王家と対等でいられます。王太子殿下の御代になれば分かりませんけど・・・」

 言葉を濁したクラリッサに、確かにと思う。

 国王陛下は常識の範囲内だけど、ローウェンは自分の思い通りにならなければ、冤罪をかけても公爵家や侯爵家を潰そうとするかもしれないわ。

「打診を断った時、王家は?」

「陛下も王妃殿下も、どうにかとおっしゃられましたけど、両親が私には婚約者候補がいるからと言ってくれましたの」

 婚約者候補?
え?いるの?

 私の表情で理解ったのか、クラリッサが頷いた。

「兄の・・・兄はテオドールと言うのですけど、兄の側近のアルフレッド・カサンドラ様との婚約が・・・」

 カサンドラというと、伯爵家ね。

 クラリッサの表情からそのアルフレッドとやらに好意を持っていることが分かった。

 へぇ~。ふぅん。そうなんだぁ。

 確か、クラリッサの兄って五歳年上だったはず。

 その側近なら兄と同い年?

 でも、オクタビア公爵ご夫妻って、人の良い方達なのね。

 王家との縁を断ってまで、伯爵家との婚約を進めようだなんて。

 まぁ、ローウェンとの婚約に関しては断って正解だけど、に見て貴族家当主としては正しいとは言えないと思う。

「伯爵家相手なのに、よく王家が諦めてくださいましたね」

「ちょうどその時、オーキッド侯爵様がいらして、カサンドラ伯爵家とはだが、良い家だと言って下さったのです。それで、陛下も侯爵様が認めている家ならばと引き下がって下さって。でも、あとでカサンドラ伯爵ご夫妻にお聞きしたら、をした程度だっておっしゃっていましたのよ」

 あら、クロヴィス様ってば。
やっぱりお優しい方ね。
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