悪役令嬢はヒロイン(♂)に攻略されてます

みおな

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婚約の白紙撤回

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 婚約の白紙撤回。

 見事、お母様がもぎ取ってくれたのは、解消ではなく白紙撤回。

 王命での婚約を白紙撤回させられるほど、陛下はお母様に頭が上がらないのね。
 
 しかも元側妃様の王妃殿下に至っては、お母様に意見することすら出来ないみたいだった。

「だ、だが・・・王族の婚約は・・・」

「十歳までには決まっているべきもの、でしたわね。そんな慣習があるから、他のご令嬢に恋をした時に婚約者と揉める羽目になるのですわよ。まぁ、良いですわ。今回は我が家も他人事というわけではありませんし。なら、本人の希望通りにイザベリーナにしましょうか」

 そうなんだ。
王族って、その年齢には婚約者がいるべきって慣習があるのね。

 確かに王族に嫁ぐとなると、王子妃教育や相手によっては王太子妃教育に王妃教育もあるものね。

 私との婚約がなくなっても、アーロン殿下が王太子になれないわけじゃない。

 第一王子殿下は現在も表舞台に出て来ていないし、アーロン殿下が学園を卒業するまでに王太子に相応しい実績を積めば良いのよ。

 学園ではヒロインが登場する予定だけど、それだって現れるかどうかわからない。

 もし現れたとしても婚約者じゃないから、問題ないわ。

「エリザベート・・・」

「王妃殿下。きっとイザベリーナが殿下を支えてくれますわ。王妃殿下は随分とイザベリーナを褒めてくださっていたようですものね」

「ふ、フロランテ公爵夫人・・・」

 王妃様は、お母様の言葉に戸惑ったように視線を彷徨わせた。

 王妃様は、私と王宮でお会いするたびにイザベリーナのことを褒めていた。

 可愛くて愛想がある。王太子妃は頭が良いだけではなく、人の心を引き寄せる魅力がなければ。

 未来の夫であるアーロンのことを立てなければならない。
 夫が黒といえば白も黒だと頷き、アーロンが気持ちよく執務できるようにしなければならない。

 いやいや。
そんなイエスマンばかりが周囲にいたら、王太子として壊滅的でしょう。

 正しい方向に進めるように、時には厳しいことを言わなきゃダメでしょう。

 私が何も反論しなかったから、王妃様は勘違いしたのかしら?

 私は、王妃様やアーロン殿下に言われたことやされたことを全てお父様とお母様に伝えていた。

 そして婚約解消をするために何も言わないでいて欲しいと頼んでいたのだ。

 お父様やお母様から何も抗議がなかったから、私が言ってないと思った?

 それともお父様たちも、イザベリーナだけを可愛がっているとでも思った?

 言わないわけないじゃない。
家と家の契約である婚約を、本来ならアーロン殿下が勝手に破棄なんてできない。

 だからこそ、撤回出来ない場所での破棄宣言を待ってたんだもの。





 



 
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