恋とはどんなものかしら

みおな

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笑顔の行方(ルティシアside)

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 お姉さまが、笑わなくなったのは、静養後に学園に戻ってきてからだった。

 あの日ー

 実技場に、突然現れたドラゴンを鎮めようと、必死に魔力を編んだけど、編む横から解けて、私は光魔法を使うことができなかった。

 気がついた時には、後ろからクロード様に抱きとめられていて、私はまともに立っていることも出来なくて。

 お姉さまは、私たちを守って、魔法を使えているというのに。

 シオン王太子殿下は、闇魔法の使い手らしく、巨大な力でドラゴンを制圧していく。

 勝った?そう思ったとき、ドラゴンがシオン殿下に向けて、急降下してきた。

 あの時の景色は、忘れられない。

 シオン殿下を守るように、立ち塞がったお姉さまから、白い光が放たれ、光が消えた時に見えたのは、倒れたお姉さまだった。

 シオン殿下から、お姉さまが生命力を魔術に変換して放出したこと、だから、目覚めないことを聞いた。

 私が、私が何の役にも立たなかったから。だから、お姉さまが・・・

 シオン殿下も、クロード様も、それからお父様も、そんなことはないと言ってくれたけど、私は自分が許せない。

 ずっと、お姉さまについていたかったけど、シオン殿下に自分に任せて欲しいと言われた。
 そう言ったシオン殿下は、真っ青で、シオン殿下の方が死んでしまうんじゃないかという顔色で。
 それから、本当は、お姉さまと婚姻の書を交わしていることを知らされた。

 お姉さまが、目を覚まされたと聞いて、私はクロード様と王城を訪れた。

 まだ、顔色は良くなかったけど、役に立たなかったことを、泣いて詫びた私に、お姉さまはいつもどおり優しく、そんなことないと微笑んでくれた。

 お姉さまは、いつも優しい。
 間違ったことをしたときは、窘められるけど、いつもいつも、私に優しくしてくれる。

 だから、そんなお姉さまを困らせるレインハルト王子のことが、私は嫌いだ。
 その王子が、お姉さまが学園をお休みしている間に、突然、他国に留学したと知らされた。
 ああ、これで、お姉さまの憂いが晴れる、そう思ったのに・・・

 学園に戻ってきたお姉さまは、笑わなくなった。
 時折、何か辛そうに考え込んでいて、話しかけるのも躊躇うほどで。

 時間が経てば、きっと元気になる。
 試験後のお休みに、『お義兄さん』やクロード様と一緒に街に行くのもいいかもしれない。

 私は、そう考えていた。そして、その考えを、後悔することになるー


 


 
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