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治療と婚約
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シオン様による羞恥プレイのあと、私は侍女に、新しい夜着に着せ替えてもらった。
シャワーを浴びたことは、叱られた。
とにかく、すぐに熱が出るのだから、怒られるのも無理はない。私は素直に謝罪した。
汗を流したことで、少し疲れが出たのか、私はそのまま、お父様がお仕事から戻られるまで、ぐっすりと眠ってしまった。
「お父様・・・?」
目覚めると、お父様が汗で貼りついた前髪を、そっと直してくれているところだった。
「ああ、目が覚めたか。熱は、下がったみたいだな」
お父様の声は淡々としているが、触れてくれる手は、とても優しい。
「お父様・・・お医者様は何をおっしゃったの?」
「・・・誰に聞いた?」
無表情をデフォルトしたような、お父様が、眉をひそめている。
珍しい。
「誰でもよろしいでしょう?それで、お医者様は何と?」
ルティシアと言って、もし妹が怒られるようなことがないように、答えを促す。
お父様は、ふぅ、とため息をつくと、ルティシアか、と呟いた。
まぁ、バレバレですね。
「お前の体調不良は、体内の魔力の流れが狂っていることが、原因だ」
「はぁ」
気の抜けた返事をすると、お父様は苦い顔をする。
だけど、それには何も言わず、話を続けた。
「その、魔力の流れを正すには、宮廷魔術士のオーウェン家の力を借りねばならん。だが、それは短くても1ヶ月余り続けねばならないうえに、時間も長く取られるそうだ」
「1ヶ月ですか・・・」
忙しい宮廷魔術士に1ヶ月も時間を割いてもらうのは厳しいだろう。
「期間の長さと時間は、王宮内での治療なら、何とかしてもらえるそうだ」
「?」
じゃあ、何が問題なの?費用とか、お父様が気にするわけないし。うちは仮にも公爵家だ。
キョトンとした顔をすると、お父様はふっ、と息を吐き出す。
「ただ、治療のためとはいえ、ひと月も、公爵令嬢を王宮に留めておくのは、色々と問題がある。だから、言わずにいたのだが・・・」
お父様は、一旦そこで口を閉じた。
本当に珍しい。お父様は、常に淡々とものを語り、物事を進める人だと思ってた。家族には、優しい人だけど、『魔王』だし。
「そうですか。なら仕方がないですね」
私がそう言うと、お父様は淡々と、でもとんでもないことを言った。
「陛下から、シオン殿下の婚約者になってもらいたいと仰せがあった」
「は?」
「王太子殿下の婚約者なら、王宮に留まり、治療を受けていても、周囲に納得させられるそうだ」
理由は、納得した。だけど、どうしてそれを、国王様から打診されるの?
しかも、年の近いレインハルト様でなく、シオン様だなんて。
「シオン殿下の・・・レインハルト殿下でなくて?」
「なんだ。レインハルト殿下がいいのか」
「シオン殿下がいいです!」
思わず、本音が出た。
だって、大好きな大好きな大好きな人だ。
最初はー
前世の最推しで、愛でるだけで十分だった。だけど、10歳で出会ってから、少しずつ会話をして、少しずつ彼に惹かれていった。
だから、レインハルト様のことで、彼が傷ついているのが、苦しかった。
例え、私が彼を失う苦しみを味わうとしても、私は私の持てる全力で、彼を救いたかった。
だから、あの日ー
時魔法を使ったのだ。
「婚約を受ければ、治療していただき、私は治るのですか?」
私にしては、硬い声が出た。
国王様が、どういうつもりで婚約を言い出してきたのか、理由はわからない。
だけど、お父様がその話を私にしなかったのは、婚約の話がセットだったからだろう。
レインハルト様のこともあるから、なるべく王家には近寄らないつもりだったけれど。
「すべてに絶対はないが、陛下は保証して下さった」
「なら、私はそのお話、お受けします」
お父様は、ピクリと器用に片眉をあげて、わかったと言った。
ほんと、その表情筋、仕事しませんね。
でも、お父様も、お母様も、ルティシアも、みんなが私を大切に思ってくれていることは、ずっとー
ずっと前からわかっている。
だから、私は無表情のお父様に、付け加えた。
「ずっと前から、シオン殿下のこと、お慕いしていました」
そう、ずっと、ずっと前から。
シャワーを浴びたことは、叱られた。
とにかく、すぐに熱が出るのだから、怒られるのも無理はない。私は素直に謝罪した。
汗を流したことで、少し疲れが出たのか、私はそのまま、お父様がお仕事から戻られるまで、ぐっすりと眠ってしまった。
「お父様・・・?」
目覚めると、お父様が汗で貼りついた前髪を、そっと直してくれているところだった。
「ああ、目が覚めたか。熱は、下がったみたいだな」
お父様の声は淡々としているが、触れてくれる手は、とても優しい。
「お父様・・・お医者様は何をおっしゃったの?」
「・・・誰に聞いた?」
無表情をデフォルトしたような、お父様が、眉をひそめている。
珍しい。
「誰でもよろしいでしょう?それで、お医者様は何と?」
ルティシアと言って、もし妹が怒られるようなことがないように、答えを促す。
お父様は、ふぅ、とため息をつくと、ルティシアか、と呟いた。
まぁ、バレバレですね。
「お前の体調不良は、体内の魔力の流れが狂っていることが、原因だ」
「はぁ」
気の抜けた返事をすると、お父様は苦い顔をする。
だけど、それには何も言わず、話を続けた。
「その、魔力の流れを正すには、宮廷魔術士のオーウェン家の力を借りねばならん。だが、それは短くても1ヶ月余り続けねばならないうえに、時間も長く取られるそうだ」
「1ヶ月ですか・・・」
忙しい宮廷魔術士に1ヶ月も時間を割いてもらうのは厳しいだろう。
「期間の長さと時間は、王宮内での治療なら、何とかしてもらえるそうだ」
「?」
じゃあ、何が問題なの?費用とか、お父様が気にするわけないし。うちは仮にも公爵家だ。
キョトンとした顔をすると、お父様はふっ、と息を吐き出す。
「ただ、治療のためとはいえ、ひと月も、公爵令嬢を王宮に留めておくのは、色々と問題がある。だから、言わずにいたのだが・・・」
お父様は、一旦そこで口を閉じた。
本当に珍しい。お父様は、常に淡々とものを語り、物事を進める人だと思ってた。家族には、優しい人だけど、『魔王』だし。
「そうですか。なら仕方がないですね」
私がそう言うと、お父様は淡々と、でもとんでもないことを言った。
「陛下から、シオン殿下の婚約者になってもらいたいと仰せがあった」
「は?」
「王太子殿下の婚約者なら、王宮に留まり、治療を受けていても、周囲に納得させられるそうだ」
理由は、納得した。だけど、どうしてそれを、国王様から打診されるの?
しかも、年の近いレインハルト様でなく、シオン様だなんて。
「シオン殿下の・・・レインハルト殿下でなくて?」
「なんだ。レインハルト殿下がいいのか」
「シオン殿下がいいです!」
思わず、本音が出た。
だって、大好きな大好きな大好きな人だ。
最初はー
前世の最推しで、愛でるだけで十分だった。だけど、10歳で出会ってから、少しずつ会話をして、少しずつ彼に惹かれていった。
だから、レインハルト様のことで、彼が傷ついているのが、苦しかった。
例え、私が彼を失う苦しみを味わうとしても、私は私の持てる全力で、彼を救いたかった。
だから、あの日ー
時魔法を使ったのだ。
「婚約を受ければ、治療していただき、私は治るのですか?」
私にしては、硬い声が出た。
国王様が、どういうつもりで婚約を言い出してきたのか、理由はわからない。
だけど、お父様がその話を私にしなかったのは、婚約の話がセットだったからだろう。
レインハルト様のこともあるから、なるべく王家には近寄らないつもりだったけれど。
「すべてに絶対はないが、陛下は保証して下さった」
「なら、私はそのお話、お受けします」
お父様は、ピクリと器用に片眉をあげて、わかったと言った。
ほんと、その表情筋、仕事しませんね。
でも、お父様も、お母様も、ルティシアも、みんなが私を大切に思ってくれていることは、ずっとー
ずっと前からわかっている。
だから、私は無表情のお父様に、付け加えた。
「ずっと前から、シオン殿下のこと、お慕いしていました」
そう、ずっと、ずっと前から。
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