悪役令嬢?寝言は寝て言え〜全員揃って一昨日来やがれ〜

みおな

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強制退場

 その後、マルチナはレッチェル伯爵夫人に強引に私たちの前から退去させられた。

 これが普通のパーティーやお茶会なら、きっと引きずってでも連れ帰ったと思う。

 でもさすがに、婚約披露パーティーの主役を連れ帰ることは出来ないのだろう。

「おかわいそうに」

 やらかした本人二人は自業自得だからいいけど、マトモな精神のレッチェル伯爵夫人のことはかわいそうだと思う。

「お母様、レッチェル伯爵はどういう方なのですか?」

「旦那様にお聞きしたところによると、権力思考の強い方らしいわ。夫人は苦労が絶えないわね」

「アーデン侯爵令嬢にも、参戦していただいた方がいい気がします」

「・・・そうね。あそこは夫人も侯爵も方々だけど、少なくともレッチェル伯爵令嬢よりはマシかもしれないわね」

 お母様の言う貴族らしいとは、上の身分の者には首を垂れ、下の者には強く出るということ。

 人としてどうかなと思うけど、貴族はそういう人が多い。

 別に威張り散らすわけじゃなく、いじめたりしないなら、それもアリなのかなと思う。

 何より、いじめられたと嘘をつくような人に権力持たすのはね。

「イアン様、不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」

「シアが謝るようなことはないよ」

 優しく微笑んでくれるイアンに、癒される~

 ごめんね、イアン。
あの二人はあとでお母様にお願いしてけちょんけちょんにしといてもらうからね。

 しかし、王太子。
ヒロインが相手でなくても、私を敵認定するわけね。

「フロライン公爵ご夫妻。陛下がご挨拶したいと」

 かけられた声に振り返ると、恭しく頭を下げる男性が。

「・・・分かった。ジュリエッタ、アラン、アレーシア、イアンくん。行こうか」

 いくら筆頭公爵家といえど、陛下に招ばれて知らんぷりはできない。

 婚約だって打診されたら断りにくいから、先にイアンとの婚約を成したのだ。

「大丈夫よ、アレーシア。わたくしたちが付いているわ」

「はい、お母様」

 たとえ王族でも、決まっている婚約を差し替えるような真似はしないだろう。

 ただ、婚約披露パーティーで騒動を起こしたマルチナに、陛下たちは悪印象を抱いているだろう。

 ここはやっぱりアーデン侯爵令嬢も婚約者候補として、二人に競ってもらった方がいいんじゃないだろうか。

「国王陛下、王妃殿下。この度は王太子殿下のご婚約、おめでとうございます。フロライン公爵家一同、お祝い申し上げます」

「・・・うむ。ご息女のアレーシア嬢も婚約されたとか」

「はい。娘がぜひにと望みまして。ずっと慕っていたようなのです。想い想われる関係の方がどんな困難にも立ち向かえるでしょう?」

 お父様は、暗にお前の息子も自分で選んだんだから頑張らせろと言っているらしい。
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