悪役令嬢?寝言は寝て言え〜全員揃って一昨日来やがれ〜

みおな

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過去との遭遇

「ねぇ、シェリル」

「はい、アレーシアお嬢様」

 どうしよう。
ヒロインが完全に、私の侍女として振る舞ってるんだけど!

 いや。品行方正なのはいいことだけど!

 彼女が、こうまでマトモになると・・・逆に伯母様の教育がどんなのかと怖くなるんだけど。

 だって、転生ヒロインあるあるの「この世界は私のための世界」的な態度だったんだよ?

 え。本当に伯母様が怖いんだけど。

 近寄らないように・・・イアンの養父母になるけど、近寄らないようにしよう。

「君に恋したこの場所で」

「!」

 私が呟いた言葉に、シェリルはその大きな目を見開いた。

 うん。マトモな態度だと、普通に可愛いわ。

「あ、え、あの・・・」

転生者なのね。名前とか覚えているの?」

「・・・みくり。花沢みくりです」

「えっ?花沢みくりって、お隣のみくりちゃん?」

 思わず大きな声を出してしまう。

 私が新川麻衣だった頃、住んでいたアパートのお隣さんが、花沢さんという母子家庭のお家だった。

 旦那さんと離婚して、一人で小学生の女の子を育てていたのだけど、その小学生がみくりちゃんだった。

「覚えてない?隣に住んでた新川!新川麻衣」

「・・・え?麻衣お姉ちゃん?」

 そう。みくりちゃんは私のことをそう呼んでくれていた。

 ごくごく普通の会社員だった麻衣は、お隣の小学生と子守がてら一緒に過ごしていた。

 みくりちゃんのお母さんは、パートとコンビニのアルバイトをしていたから。

 学童保育後に定時に帰っていた私の部屋で、一緒に過ごす。

 みくりちゃんママが、麻衣のご飯まで作ってくれていたっけ。

 材料費麻衣持ちで。
それでも、めんどくさがりの麻衣としては、作ってくれることが有り難かった。

 まぁ、野菜とか買っても一人だと余って腐らせてしまうしね。

 えーっ。そのみくりちゃんがヒロイン?

 ていうか、みくりちゃん亡くなっちゃったの?

 まだ小学五年生だったのに?

「みくりちゃん、どうして・・・」

「え?麻衣お姉ちゃん覚えてないの?アパートが火事になったんだよ。お姉ちゃんは私だけでもどうにか助けようとしてくれたけど、間に合わなかったんだよ?覚えてないの?」

 え?火事?
え、ちょっと待って。そういえば・・・

 そうだ!
おやつ食べて二人でお昼寝してて、気がついたら部屋がすでに火の海だったんだ。

 なんとかみくりちゃんだけでも助けたかったけど、窓も玄関もすごい火で、それでも、部屋は二階だったから窓にテーブルとか投げて窓を割ったのまでは覚えてるけど・・・

 そっか。
麻衣は、火事で死んだんだ。
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