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10歳
85ページ:少しくらいは学習する
アル兄様は、中々、シャンティーヌ様との婚約を受け入れようとしなかった。
いや。
決断を先延ばしにしているだけだろう。
だけどお父様は、シャンティーヌ様との婚約をしない場合は身分剥奪だと言っていた。
つまりは、私と婚約することは、永遠にないということだ。
申し訳ないとは思うけど、私が今現在アル兄様に抱いている気持ちは、マモンや王宮付きの侍女に対する気持ちと大差ない。
つまりは、好きだけど、恋愛の好きではないのだ。
私だって、転生してから5年も王女をやっているわけで、政略結婚というものも一応理解している。
王女として、政略結婚を求められたら、それには従うつもりだ。
だけど、アル兄様との結婚には、全く政略結婚の意味はないのだ。
私は、アル兄様のことが嫌いなわけではない。
優しくしてくれているし、大切にしてくれていることもわかっている。
私は、アル兄様に幸せになって欲しいと思っている。
そして、亡きご両親の跡をしっかりと継いでほしいとも。
だから、シャンティーヌ様と婚約するべきだ。
そして、もう1度王太子として前向きに進むべきだと思う。
アル兄様の決断を待つ間に、私はブロワー伯爵家を訪れることにした。
「引き継ぎは順調ですか?」
「ええ、シエル殿下。元々、マズルかマモンに爵位は譲るつもりだったので、学園卒業後は領地経営の勉強もさせていましたから。それよりも、殿下」
「はい?」
「マモンと、マズルのこと、本当に申し訳ございませんでした」
ブロワー伯爵と伯爵夫人、そしてマルクが頭を下げる。
「もう終わったことです。それと、王太子殿下の決断が遅れていることをお詫びします。もう少し待ってもらえますか?」
「そんな、滅相もない。殿下に謝っていただくことなどありません。本来なら、王太子殿下に処罰が下るなど」
「国王陛下が判断されたことです。それに、上に立つ者こそ、厳しく罰せられるべきですから」
そう。
私がブロワー伯爵家を訪れたのは、アル兄様の決断まで、もう少し待って欲しいとお願いするためである。
マズルもそうだし、マモンも即座に辺境へと送られた。
なのに、同じように処罰を言い渡された王太子が、いつまでも対応しないことには問題がある。
ブロワー伯爵たちは、不満に思うかもしれない。
そう思って、お願いに来たというわけだ。
私は前回のマモンのときに、キチンとブロワー伯爵家にフォローをしなかった。
その結果が、今回のマズルの一件に繋がってしまった。
一応、私も学習するのである。
いや。
決断を先延ばしにしているだけだろう。
だけどお父様は、シャンティーヌ様との婚約をしない場合は身分剥奪だと言っていた。
つまりは、私と婚約することは、永遠にないということだ。
申し訳ないとは思うけど、私が今現在アル兄様に抱いている気持ちは、マモンや王宮付きの侍女に対する気持ちと大差ない。
つまりは、好きだけど、恋愛の好きではないのだ。
私だって、転生してから5年も王女をやっているわけで、政略結婚というものも一応理解している。
王女として、政略結婚を求められたら、それには従うつもりだ。
だけど、アル兄様との結婚には、全く政略結婚の意味はないのだ。
私は、アル兄様のことが嫌いなわけではない。
優しくしてくれているし、大切にしてくれていることもわかっている。
私は、アル兄様に幸せになって欲しいと思っている。
そして、亡きご両親の跡をしっかりと継いでほしいとも。
だから、シャンティーヌ様と婚約するべきだ。
そして、もう1度王太子として前向きに進むべきだと思う。
アル兄様の決断を待つ間に、私はブロワー伯爵家を訪れることにした。
「引き継ぎは順調ですか?」
「ええ、シエル殿下。元々、マズルかマモンに爵位は譲るつもりだったので、学園卒業後は領地経営の勉強もさせていましたから。それよりも、殿下」
「はい?」
「マモンと、マズルのこと、本当に申し訳ございませんでした」
ブロワー伯爵と伯爵夫人、そしてマルクが頭を下げる。
「もう終わったことです。それと、王太子殿下の決断が遅れていることをお詫びします。もう少し待ってもらえますか?」
「そんな、滅相もない。殿下に謝っていただくことなどありません。本来なら、王太子殿下に処罰が下るなど」
「国王陛下が判断されたことです。それに、上に立つ者こそ、厳しく罰せられるべきですから」
そう。
私がブロワー伯爵家を訪れたのは、アル兄様の決断まで、もう少し待って欲しいとお願いするためである。
マズルもそうだし、マモンも即座に辺境へと送られた。
なのに、同じように処罰を言い渡された王太子が、いつまでも対応しないことには問題がある。
ブロワー伯爵たちは、不満に思うかもしれない。
そう思って、お願いに来たというわけだ。
私は前回のマモンのときに、キチンとブロワー伯爵家にフォローをしなかった。
その結果が、今回のマズルの一件に繋がってしまった。
一応、私も学習するのである。
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