はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

文字の大きさ
12 / 126

第十一話

しおりを挟む
 無事?に家に戻った私は、学園であったことをお父様とお母様にご報告しました。

 私、つくづく不思議なのですよね。どうしてあの方が私の婚約者になったのかが。

 だってブレンディ侯爵家を融資する交換条件なのですよね?

 なら、もっと価値のある方を差し出すべきでは?

「婚約した時点で、すでに傲慢さがありましたけど、どうして侯爵家はイーサン様を私の婚約者に?」

 どう考えても、悪手なのですけど。

 だって、お父様とお母様のお考えは・・・

「ああ。ブレンディ侯爵はからな。アレの親に見せる外面をすっかり信じている。こっちにすればだから婚約を受け入れたが、何かあればすぐに言いなさい。対処する」

「問題は王女殿下の方ね。本当に陛下も王妃様も困った方だこと。お二人の王子殿下はあんなにご立派だというのに。王子殿下は先王様似で、王女殿下はご両親・・・というか王妃様に似たということかしらね」

 確かに、問題は王女殿下の方かもしれません。

 王族に言われたら、たとえイーサン様がだったとしても拒否することは難しいこともあると思います。

 まぁ、全く手段がないわけではありませんけど。

 しかし、ドロシー王女殿下の性格は王妃様似なのですね。

 私はまだ成人していませんから、国王陛下や王妃様とお会いしたことはありません。

 もちろん、お顔は存じあげておりますけど。

「王妃様は、そのような方ですの?」

「ええ。あの方は容姿の優れている異性が大好きで、そして自分のことが一番大好きなのよ」

 なる、ほど?
確かにイーサン様は容姿優れておりますわね。

 十三歳の歳から騎士を目指しておられますし、剣の腕もそこそこなのでしょう。

 王女殿下が王妃様に似てらっしゃるのなら、イーサン様は王女殿下の好みということかしら。

 でも、王女殿下は王族として他国の王族との婚約をされています。

 普通は、他国に嫁ぐのに近衛を恋人として連れて行こうとは思わないものだけど。

 そのことに、国王陛下も王妃様も気付かないのかしら?

 それとも気付いていても、大丈夫だと思っているの?

「陛下は、王女殿下を嗜められたりなさらないのですか?」

「陛下は王妃に惚れて、決まっていた婚約を解消してまで王妃を娶ったんだ。だから、王妃似の王女にとことん甘い。まぁ、こちらとしては好都合だが」

 え?お父様、ちょっと待ってください。

 聞き捨てならない言葉があったのですが。

 決まっていた婚約を解消してまで王妃様を娶った?

 え?馬鹿なんですか?国王陛下。
しおりを挟む
感想 383

あなたにおすすめの小説

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】伯爵令嬢の責務

ごろごろみかん。
恋愛
見てしまった。聞いてしまった。 婚約者が、王女に愛を囁くところを。 だけど、彼は私との婚約を解消するつもりは無いみたい。 貴族の責務だから政略結婚に甘んじるのですって。 それなら、私は私で貴族令嬢としての責務を果たすまで。

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

さようなら、わたくしの騎士様

夜桜
恋愛
騎士様からの突然の『さようなら』(婚約破棄)に辺境伯令嬢クリスは微笑んだ。 その時を待っていたのだ。 クリスは知っていた。 騎士ローウェルは裏切ると。 だから逆に『さようなら』を言い渡した。倍返しで。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。

ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。 ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。 対面した婚約者は、 「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」 ……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。 「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」 今の私はあなたを愛していません。 気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。 ☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。 ☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

婚約者の私を見捨てたあなた、もう二度と関わらないので安心して下さい

神崎 ルナ
恋愛
第三王女ロクサーヌには婚約者がいた。騎士団でも有望株のナイシス・ガラット侯爵令息。その美貌もあって人気がある彼との婚約が決められたのは幼いとき。彼には他に優先する幼なじみがいたが、政略結婚だからある程度は仕方ない、と思っていた。だが、王宮が魔導師に襲われ、魔術により天井の一部がロクサーヌへ落ちてきたとき、彼が真っ先に助けに行ったのは幼馴染だという女性だった。その後もロクサーヌのことは見えていないのか、完全にスルーして彼女を抱きかかえて去って行くナイシス。  嘘でしょう。  その後ロクサーヌは一月、目が覚めなかった。  そして目覚めたとき、おとなしやかと言われていたロクサーヌの姿はどこにもなかった。 「ガラット侯爵令息とは婚約破棄? 当然でしょう。それとね私、力が欲しいの」  もう誰かが護ってくれるなんて思わない。  ロクサーヌは力をつけてひとりで生きていこうと誓った。  だがそこへクスコ辺境伯がロクサーヌへ求婚する。 「ぜひ辺境へ来て欲しい」  ※時代考証がゆるゆるですm(__)m ご注意くださいm(__)m  総合・恋愛ランキング1位(2025.8.4)hotランキング1位(2025.8.5)になりましたΣ(・ω・ノ)ノ  ありがとうございます<(_ _)>

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました

As-me.com
恋愛
完結しました。 番外編(編集済み)と、外伝(新作)アップしました。  とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。  例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。  なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。  ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!  あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。 ※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。

【完結】偽者扱いされた令嬢は、元婚約者たちがどうなろうと知ったことではない

風見ゆうみ
恋愛
クックルー伯爵家の長女ファリミナは、家族とはうまくいっていないものの、婚約者であり、若き侯爵のメイフとはうまくいっていると思っていた。 メイフとの結婚が近づいてきたある日、彼がファリミナの前に一人の女性を連れてきた。メイフに寄り添う可憐な女性は、こう名乗った。 「わたくし、クックルー伯爵家の長女、ファリミナと申します」 この女性は平民だが、メイフの命の恩人だった。メイフは自分との結婚を望む彼女のためにファリミナの身分を与えるという暴挙に出たのだ。 家族や友人たちは買収されており、本当のファリミナを偽者だと訴える。 メイフが用意したボロ家に追いやられたファリミナだったが、メイフの世話にはならず、平民のファリとして新しい生活を送ることに決める。 ファリとして新しい生活の基盤を整えた頃、元家族はファリミナがいたことにより、自分たちの生活が楽だったことを知る。そして、メイフは自分が馬鹿だったと後悔し始め、自分を愛しているはずのファリミナに会いに行くのだが――。

処理中です...