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第三十五話
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ドロシー王女殿下のお買い物を、王宮のツケ払いにしろと言われましたが、お父様は断固拒否して請求書を王家に送ったそうです。
当然ですわね。
王族の方々の生活費は、貴族が納める税金の中から捻出されます。
その中には、王族の方々がご自身の婚約者への贈り物などを購入する私費もありますから、男爵令息に贈り物をなさるならドロシー王女殿下用にと割り振られた私費から払うべきです。
なのに、王宮に付けろとは。
国庫のお金は、国として行う事業や催しに使われるためのお金です。
王族といえど、自由に使っていいお金ではありません。
もちろん?国王陛下は、そのくらいのお金は国庫から出しておけとおっしゃって・・・
馬鹿なのかしら?
たとえ国王陛下といえど、私費として国庫のお金を使えば横領になるのですけど。
もしかして、それを狙っていたのかしら?
「まさか、そこが狙いだったりしますの?」
「そういうわけではないのよ。ただ単に、あの方々がお馬鹿さんなだけ」
お母様はそうおっしゃいますけど、今までは宰相閣下、つまりはダイアナ様のお父様であるカタロニア公爵閣下が、止められていたそうですけど、今回は承認したそうですの。
絶対にわざと、ですよね?
「計画は大詰めというところよ。もうすぐ会えるわね」
お母様の言葉に、ゆっくりと頷きます。
クシュリナ王国王太子殿下とドロシー王女殿下の婚約が成ったあの日から、私は彼とは会っていません。
婚約を聞いたあの日、私は苦しくて悲しくて、それでも彼は王太子として政略結婚を選んだのだと諦めたのです。
カリスタ伯爵家が多くの商会を運営していても、伯爵家に過ぎません。
どれだけ税金を納めていても、王族にはなれないのです。
だから彼は、王族としての繋がりを選んだのだと思ったのです。
それでも先に直接教えて欲しかったとは思いましたが、諦めるしかなかったのです。
まさか、クレメンタイン王国王家の策略だとは思わず、ブレンディ侯爵家からの婚約申し込みも王家が後ろにいるとは気づきませんでした。
後に、イーサン様との婚約を解消するべく行動を開始しましたが、お互いに婚約者のいる身です。
会うことはもちろん、手紙のやり取りすらしていません。
婚約を解消し全てが終わる時までは、気を引き締めなければなりません。
アルバート様・・・
貴方はまだ、私のことを想ってくれているのでしょうか?
それとも誰か・・・
相応しいご令嬢が心にいるのでしょうか?
もう五年も会えていないのに・・・
どうして気持ちは消えないのでしょう。
当然ですわね。
王族の方々の生活費は、貴族が納める税金の中から捻出されます。
その中には、王族の方々がご自身の婚約者への贈り物などを購入する私費もありますから、男爵令息に贈り物をなさるならドロシー王女殿下用にと割り振られた私費から払うべきです。
なのに、王宮に付けろとは。
国庫のお金は、国として行う事業や催しに使われるためのお金です。
王族といえど、自由に使っていいお金ではありません。
もちろん?国王陛下は、そのくらいのお金は国庫から出しておけとおっしゃって・・・
馬鹿なのかしら?
たとえ国王陛下といえど、私費として国庫のお金を使えば横領になるのですけど。
もしかして、それを狙っていたのかしら?
「まさか、そこが狙いだったりしますの?」
「そういうわけではないのよ。ただ単に、あの方々がお馬鹿さんなだけ」
お母様はそうおっしゃいますけど、今までは宰相閣下、つまりはダイアナ様のお父様であるカタロニア公爵閣下が、止められていたそうですけど、今回は承認したそうですの。
絶対にわざと、ですよね?
「計画は大詰めというところよ。もうすぐ会えるわね」
お母様の言葉に、ゆっくりと頷きます。
クシュリナ王国王太子殿下とドロシー王女殿下の婚約が成ったあの日から、私は彼とは会っていません。
婚約を聞いたあの日、私は苦しくて悲しくて、それでも彼は王太子として政略結婚を選んだのだと諦めたのです。
カリスタ伯爵家が多くの商会を運営していても、伯爵家に過ぎません。
どれだけ税金を納めていても、王族にはなれないのです。
だから彼は、王族としての繋がりを選んだのだと思ったのです。
それでも先に直接教えて欲しかったとは思いましたが、諦めるしかなかったのです。
まさか、クレメンタイン王国王家の策略だとは思わず、ブレンディ侯爵家からの婚約申し込みも王家が後ろにいるとは気づきませんでした。
後に、イーサン様との婚約を解消するべく行動を開始しましたが、お互いに婚約者のいる身です。
会うことはもちろん、手紙のやり取りすらしていません。
婚約を解消し全てが終わる時までは、気を引き締めなければなりません。
アルバート様・・・
貴方はまだ、私のことを想ってくれているのでしょうか?
それとも誰か・・・
相応しいご令嬢が心にいるのでしょうか?
もう五年も会えていないのに・・・
どうして気持ちは消えないのでしょう。
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