42 / 126
第三十五話
ドロシー王女殿下のお買い物を、王宮のツケ払いにしろと言われましたが、お父様は断固拒否して請求書を王家に送ったそうです。
当然ですわね。
王族の方々の生活費は、貴族が納める税金の中から捻出されます。
その中には、王族の方々がご自身の婚約者への贈り物などを購入する私費もありますから、男爵令息に贈り物をなさるならドロシー王女殿下用にと割り振られた私費から払うべきです。
なのに、王宮に付けろとは。
国庫のお金は、国として行う事業や催しに使われるためのお金です。
王族といえど、自由に使っていいお金ではありません。
もちろん?国王陛下は、そのくらいのお金は国庫から出しておけとおっしゃって・・・
馬鹿なのかしら?
たとえ国王陛下といえど、私費として国庫のお金を使えば横領になるのですけど。
もしかして、それを狙っていたのかしら?
「まさか、そこが狙いだったりしますの?」
「そういうわけではないのよ。ただ単に、あの方々がお馬鹿さんなだけ」
お母様はそうおっしゃいますけど、今までは宰相閣下、つまりはダイアナ様のお父様であるカタロニア公爵閣下が、止められていたそうですけど、今回は承認したそうですの。
絶対にわざと、ですよね?
「計画は大詰めというところよ。もうすぐ会えるわね」
お母様の言葉に、ゆっくりと頷きます。
クシュリナ王国王太子殿下とドロシー王女殿下の婚約が成ったあの日から、私は彼とは会っていません。
婚約を聞いたあの日、私は苦しくて悲しくて、それでも彼は王太子として政略結婚を選んだのだと諦めたのです。
カリスタ伯爵家が多くの商会を運営していても、伯爵家に過ぎません。
どれだけ税金を納めていても、王族にはなれないのです。
だから彼は、王族としての繋がりを選んだのだと思ったのです。
それでも先に直接教えて欲しかったとは思いましたが、諦めるしかなかったのです。
まさか、クレメンタイン王国王家の策略だとは思わず、ブレンディ侯爵家からの婚約申し込みも王家が後ろにいるとは気づきませんでした。
後に、イーサン様との婚約を解消するべく行動を開始しましたが、お互いに婚約者のいる身です。
会うことはもちろん、手紙のやり取りすらしていません。
婚約を解消し全てが終わる時までは、気を引き締めなければなりません。
アルバート様・・・
貴方はまだ、私のことを想ってくれているのでしょうか?
それとも誰か・・・
相応しいご令嬢が心にいるのでしょうか?
もう五年も会えていないのに・・・
どうして気持ちは消えないのでしょう。
当然ですわね。
王族の方々の生活費は、貴族が納める税金の中から捻出されます。
その中には、王族の方々がご自身の婚約者への贈り物などを購入する私費もありますから、男爵令息に贈り物をなさるならドロシー王女殿下用にと割り振られた私費から払うべきです。
なのに、王宮に付けろとは。
国庫のお金は、国として行う事業や催しに使われるためのお金です。
王族といえど、自由に使っていいお金ではありません。
もちろん?国王陛下は、そのくらいのお金は国庫から出しておけとおっしゃって・・・
馬鹿なのかしら?
たとえ国王陛下といえど、私費として国庫のお金を使えば横領になるのですけど。
もしかして、それを狙っていたのかしら?
「まさか、そこが狙いだったりしますの?」
「そういうわけではないのよ。ただ単に、あの方々がお馬鹿さんなだけ」
お母様はそうおっしゃいますけど、今までは宰相閣下、つまりはダイアナ様のお父様であるカタロニア公爵閣下が、止められていたそうですけど、今回は承認したそうですの。
絶対にわざと、ですよね?
「計画は大詰めというところよ。もうすぐ会えるわね」
お母様の言葉に、ゆっくりと頷きます。
クシュリナ王国王太子殿下とドロシー王女殿下の婚約が成ったあの日から、私は彼とは会っていません。
婚約を聞いたあの日、私は苦しくて悲しくて、それでも彼は王太子として政略結婚を選んだのだと諦めたのです。
カリスタ伯爵家が多くの商会を運営していても、伯爵家に過ぎません。
どれだけ税金を納めていても、王族にはなれないのです。
だから彼は、王族としての繋がりを選んだのだと思ったのです。
それでも先に直接教えて欲しかったとは思いましたが、諦めるしかなかったのです。
まさか、クレメンタイン王国王家の策略だとは思わず、ブレンディ侯爵家からの婚約申し込みも王家が後ろにいるとは気づきませんでした。
後に、イーサン様との婚約を解消するべく行動を開始しましたが、お互いに婚約者のいる身です。
会うことはもちろん、手紙のやり取りすらしていません。
婚約を解消し全てが終わる時までは、気を引き締めなければなりません。
アルバート様・・・
貴方はまだ、私のことを想ってくれているのでしょうか?
それとも誰か・・・
相応しいご令嬢が心にいるのでしょうか?
もう五年も会えていないのに・・・
どうして気持ちは消えないのでしょう。
あなたにおすすめの小説
白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。
けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。
それでも旦那様は優しかった。
冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。
だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。
そんなある日、彼女は知ってしまう。
旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。
彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。
都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る
静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。
すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。
感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく
文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる──
侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。
だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。
アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。
そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。
「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」
これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。
4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。
夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです
藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。
理由は単純。
愛などなくても、仕事に支障はないからだという。
──そうですか。
それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。
王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。
夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。
離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。
気づいたときにはもう遅い。
積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。
一方で私は、王妃のもとへ。
今さら引き止められても、遅いのです。
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
私を裏切った不倫夫に「どなたですか?」と微笑むまで 〜没落令嬢の復讐劇〜
恋せよ恋
恋愛
「早くあんな女と別れて、可愛い子と一緒になりたいよ」
不倫中の夫が笑う声を聞き、絶望の中で事故に遭うジェシカ。
結婚五年目に授かったお腹の子を失った彼女は、
「記憶を失ったフリ」で夫と地獄の婚家を捨てることを決意。
元男爵令嬢の薄幸ヒロインは、修道院で静かに時を過ごす。
独り身領主の三歳の男の子に懐かれ、なぜか領主まで登場!
無実の罪をなすりつけ、私を使い潰した報いを受けなさい。
記憶喪失を装った没落令嬢による、「ざまぁ」が幕を開ける!
※本作品には、馬車事故による流産の描写が含まれます。
苦手な方はご注意ください。主人公が絶対に幸せになる
物語ですので、安心してお読みいただければ幸いです。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【本編完結】初恋のその先で、私は母になる
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
第19回恋愛小説大賞にて、奨励賞を受賞いたしました。読者の皆様のおかげです!本当ありがとうございます。
王宮で12年働き、気づけば28歳。
恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。
優しく守ろうとする彼。
けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。
揺れる想いの中で、彼女が選んだのは――
自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。
これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。
※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。
三度裏切られた私が、四度目で「離婚」を選ぶまで
狛犬
恋愛
三度、夫に裏切られた。
一度目は信じた。
二度目は耐えた。
三度目は――すべてを失った。
そして私は、屋上から身を投げた。
……はずだった。
目を覚ますと、そこは過去。
すべてが壊れる前の、まだ何も起きていない時間。
――四度目の人生。
これまでの三度、私は同じ選択を繰り返し、
同じように裏切られ、すべてを失ってきた。
だから今度は、もう決めている。
「もう、陸翔はいらない」
愛していた。
けれど、もう疲れた。
今度こそ――
自分を守るために、家族を守るために、
私は、自分から手を放す。
これは、三度裏切られた女が、
四度目の人生で「選び直す」物語。
愛を選んだ夫と離縁しました。本物の聖女である私は娘と南国で暮らします
藤原遊
恋愛
夫である王太子は、愛する令嬢を「聖女」だと宣言しました。
世襲聖女として国を守り続けてきた私と、まだ幼い娘がいるにもかかわらず。
離縁を告げられた私は、静かに頷きます。
聖女の務めも、王妃の座も、もう十分です。
本物の聖女がいなくなった国がどうなるのか——
それは、私の知るところではありません。
娘を連れて南国へ移住した私は、二度と王都へ戻らないと決めました。
たとえ、今さら国が困り始めたとしても。