はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

文字の大きさ
43 / 126

第三十六話

しおりを挟む
 イーサン様とドロシー王女殿下、そしてフォールス男爵令息と令嬢は、常に四人で行動しているそうです。

 え?もちろんダイアナ様情報ですわ。

 いつどんな形で冤罪をかけられるか分かりませんから、ダイアナ様は特Aクラスの皆様の協力の元、イーサン様とドロシー王女殿下を警戒しているそうです。

 どうやらお二人とも、フォールス様たちに夢中らしく、どうにかお二人の気を引こうとあれこれプレゼントしたりしているそうです。

 はぁ。
ブレンディ侯爵様は、ご子息の教育すらちゃんと出来ないのかしら?

 注意したら、それで終わりではありませんのよ?

 更生するまでが教育ですわ。
そもそも、融資がかかっている婚約ですのに、その息子を放置って物事を安易に考え過ぎではないですか?

 いえ、信用していたとしても、現在の愚行を知ったのでしょう?

 ならば、監視しておくべきではないでしょうか。

 ドロシー王女殿下の方は・・・
仕方ありませんわよね。親がアレですもの・・・

 どうしてああも、王女殿下を猫可愛がりなさるのかしら?

 第一王子殿下も第二王子殿下も、あのように穏やかでしかも優秀でいらっしゃるのに。

 もしかして、女の子だから可愛いというやつなのでしょうか?

 お気持ちは分からないわけではありません。

 うちもお父様もお母様も、私のことをとても大切にして下さいます。

 でも。

 国王陛下も王妃殿下も、普通の親ではないのです。

 お二人は、クレメンタイン王国全国民の親でもあるのです。

 全国民に対して、責任があるのです。

 なのに可愛い娘だからと、あのような常識を疑うような愚行を許しているなんて。

 クシュリナ王国に知られたら、どうするつもりなのでしょう。

 いえ。クシュリナ王国側が罠を仕掛けているのですけど、そしてその罠にものの見事にハマっているのですけど。

 フォールス男爵兄妹は、とても優秀な方々のようで、自分たちから擦り寄るのではなくイーサン様とドロシー王女殿下が追って来るように誘導しているみたいです。

 確かに、断罪する時に「罠だ」と言われたら困りますものね。

 ドロシー王女殿下自らが、アルバート様に対して裏切り行為をしたと証明できないと、クレメンタイン王国側有責で婚約解消ができません。

 そういえば、交流のお茶会も最近はブレンディ侯爵家から案内が来ませんね。

 交流していないことを侯爵様たちはご理解の上で、私との婚約を諦めたのかしら?

「別にあちらからの解消でも、私はかまわないのだけど」

 我が国には、婚約の破棄というものがありません。

 あくまでも解消。
どちらの有責かで、慰謝料が発生する場合もあります。

 名前が違うだけで、結果は破棄と同じですわね。

 
 
しおりを挟む
感想 383

あなたにおすすめの小説

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】伯爵令嬢の責務

ごろごろみかん。
恋愛
見てしまった。聞いてしまった。 婚約者が、王女に愛を囁くところを。 だけど、彼は私との婚約を解消するつもりは無いみたい。 貴族の責務だから政略結婚に甘んじるのですって。 それなら、私は私で貴族令嬢としての責務を果たすまで。

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。

ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。 ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。 対面した婚約者は、 「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」 ……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。 「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」 今の私はあなたを愛していません。 気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。 ☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。 ☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

さようなら、わたくしの騎士様

夜桜
恋愛
騎士様からの突然の『さようなら』(婚約破棄)に辺境伯令嬢クリスは微笑んだ。 その時を待っていたのだ。 クリスは知っていた。 騎士ローウェルは裏切ると。 だから逆に『さようなら』を言い渡した。倍返しで。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】恋は、終わったのです

楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。 今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。 『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』 身長を追い越してしまった時からだろうか。  それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。 あるいは――あの子に出会った時からだろうか。 ――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ

ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」 ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。 「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」 何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。 都合のいい女は本日で卒業。 今後は、余暇を楽しむとしましょう。 吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。

処理中です...