はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第四十三話

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「婚約してから婚約者としての役割を果たさないのに、夫ですか」

 ドロシー王女殿下のおっしゃったことに言いたいことはありますけど、まずはイーサン様ですわ。

 こんな方を夫だなんて・・・聞いただけで全身に鳥肌が立ちますわ。気持ち悪い。

「ふん!俺の寵愛が欲しいのかもしれないが、俺には愛しいセイラがいる。お前などお飾りの妻にしかなりようがない。まぁ、成金だがセイラを着飾ることが出来る金があることだけは褒めてやる」

「・・・」

 ちょっと、絶句してしまいましたわ。

 まさか、ここまで馬鹿だったなんて。誰も想像しませんわよね?

 周囲の特Aクラスの方々やAクラスの皆様は何言ってんだ、コイツ?というお顔ですし、他のクラスの方々も呆然としてらっしゃいますもの。

「何を勘違いされているのか知りませんが、カリスタ伯爵家の後継は私です。婚約時にちゃんとお伝えしてありますし、婚約に関する契約書にもそう書いてあります。ブレンディ侯爵令息様もサインされておりますわよね?」

「はぁ?」

「・・・いくら婚約が二年前とはいえ、十三歳でしたわよね?貴族の、しかも侯爵家の後継であった方が、契約書の内容も読まずにサインされたのですか?そもそも、私と貴方様の婚約は、ブレンディ侯爵家からの融資に対する代償として、取り付けたものです。私も貴族の娘として、政略結婚だと受け入れました。貴方様は、私望んで無理矢理婚約したと何度もおっしゃっていましたけど、そんな事実はカケラもございません。もし・・・もしもの話ですが、私が望んだ婚約だとしても、婚約者としての交流を全くせず、我が家に利どころか害しか及ぼしそうにない方など、愛情など消え失せると思われませんか?まぁ、最初からそんなものはありませんでしたから、現在はマイナスに振り切れておりますけど」

「な・・・な・・・」

 あら。
口をパクパクとなさって、鯉や金魚の真似かしら?

 ああ。交流を全くしていなかったから、私がこんな風に反論するとは思っていなかったのですね。

 私はカリスタ伯爵家の唯一の娘なのですよ?

 カリスタ伯爵家当主は、多くの商会の頂点に立っているのです。

 そんな家の娘が、大人しいだけなわけないじゃないですか。

 私がブレンディ侯爵家に一切なにも言わなかったのは、婚約解消するつもりだったこともありますけど、一々突っかかられるのが面倒だったからですわ。

 クレイマーの相手は疲れますもの。

「ああ、それとご安心ください。その愛しいセイラ様とやらとどうぞお幸せに。私と貴方様の婚約は、この通りすでに解消されましたから。貴方様は自由でしてよ」

 第一王子殿下が、押してくださった玉璽の入った婚約解消の書類をイーサン様に見せます。

 あら?何故そんな顔を?
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