はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第五十八話

 翌日。

 ラリー・セルコム伯爵令息様が我が家を訪れました。

 セルコム伯爵令息様は、例のジェレミーを助けようとしてくださった方ですわ。

 ジェレミーは、セルコム様を側近にと望みました。

 もちろん同い年の側近も探しますが、この先ジェレミーを導いてくれることをセルコム様にはお願いしたいのです。

「初めまして、だね。呼び出して申し訳なかった。私がカリスタ伯爵家当主のルークだ」

「初めまして。ラリー・セルコムと申します」

「ああ。かけてくれ。先日、うちのジェレミーに声をかけてくれたらしいね。ありがとう。あの子は自分だけが助かる道を選んだことをとても気にしているからね。何かあっても、我々に甘えることが難しい。君の話を聞いて、エリザベスに話ができたようだ」

 ジェレミーは、カケラも何もしていませんし、むしろあのご両親を連れて来て謝罪するように促せた、本当に良識のある良い子ですわ。

 でもジェレミーは、家族の中で自分だけが罰せられずに、貴族家の、しかも後継になったことを『いけないこと』だと思っています。

 ジェレミーに罪などないのですけど、それを言葉にしたところでジェレミー自身が自信を持たなければどうにもならないのです。

「いえ・・・助けることもできませんでしたから」

「護衛が止めたのだから、他家のことに口を挟めないのは当たり前のことだ。言葉の選択が違うな。そこは、良かったと頷くところだよ」

「え、あ、はい。話せたのなら良かったです」

 セルコム様は戸惑ったように、それでもお父様の言葉通りに頷かれました。

 お父様。
セルコム様がジェレミーの側近になるとは決まっていませんのよ。

 早々に、セルコム様の教育を始めるのはやめてください。

「それで、今日呼び立てたのはね、君にジェレミーの導き手として側近になって欲しいと思ってね」

「・・・・・・え?」

 セルコム様は驚いて、そのまま固まってしまわれました。

「我々はもちろん、ジェレミー本人も君に仕えて欲しいと思っている。だが、君が他に目指す道があったり、五歳も年下のジェレミーに仕えるのは抵抗があると言うのなら無理強いはしない」

 側近が同い年であることが多いのは、学園で共に学び、信頼関係を築くからでもあります。

 それに、他の多くの人たちと接する中で、その人の本質を知れることも理由です。

 嫡男として育てられていた元婚約者様も、学園に通い出してから一段と酷くなりましたもの。

 ですが、年上の方にも多くのメリットがあります。

 多くのことを経験して来た分、それなりに思慮深く、その人の為人は明確になっているからです。

 
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