はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第六十六話

「リズ!朝起きてリズに会えるなんて幸せだ!」

 そう言うと、アルバート様が私をギュッと抱きしめます。

「ふふっ。アルバート様にそう言っていただけて、私嬉しいですわ」

 私は王宮でお世話になっていますから、毎朝アルバート様とお会いすることができます。

 私は現在、王太子妃教育の最終段階に進みながら、婚姻式の段取りを覚えたり、婚姻式のドレスを合わせたりして過ごしています。

「ドレス、最終チェックが終わったって?」

「はい。昨日合わせたのですけど、とても素敵なドレスでしたわ。あとは体型を維持しなくてはならないのが大変です」

 婚姻式のドレスは、王道のAラインのものを選びました。

 私は大人っぽい容姿ではないので、最近流行りのマーメイドラインなどのドレスは似合わないのです。

 デコルテには、細かいレースの刺繍がされ、同じ刺繍がドレスのスカート部分にもされています。

 色が白一色なのに、刺繍がドレスに濃淡を与えて、とても素敵に仕上がっていました。

「ドレス姿を見るのが楽しみだよ。今日のお昼は一緒できるかな?」

「はい、大丈夫です。お仕事頑張ってくださいね」

「ああ、良いな。リズにそう言って送り出してもらえるの。頑張って来るよ」

 そう言って私の額に軽く唇を触れると、アルバート様は執務室へと向かって行かれました。

 その背中を見ながら、今の幸せを噛み締めます。

 私とアルバート様は、ずいぶんと遠回りをいたしました。

 クレメンタイン王国の、色々な思惑のせいでお互い別々の人と婚約しましたが、今思えばこの遠回りがあったからこそ得たものもあったと思います。

 ジェレミーという可愛い弟ができたこともそうですが、あの頃では多くの令嬢の嫉妬や悪意に潰れていたかもしれません。

「エリザベス様、そろそろお時間です」

「ありがとう、ミリア。先生をお待たせしてはいけないわね。急ぎましょう」

 王太子妃教育もそろそろ終わりとなります。

 あと、婚姻式に参加される方々を覚えなくてはなりません。

 クシュリナ王国の貴族だけでなく、王太子殿下の婚姻ですから、他国からも王族や高位貴族が訪れます。

 全員の情報を覚えなくては。

 婚姻すれば、私はクシュリナ王国王太子殿下の妃です。

 参列してくださった方々への挨拶は、王太子妃としての最初の仕事ですから。

 幸いにも、暗記は苦手ではありませんので、婚姻式までには何とかなると思います。

「おはようございます。本日もよろしくお願いいたします」

 護衛の方に入室を促され、王妃殿下の執務室に入りご挨拶いたします。

 今日も頑張らなくてはいけません。
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