婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

文字の大きさ
68 / 88

お家断絶か修道院かな件

 呆れた。

 本当に、貴族令嬢なのかしら。
これだけ、周囲から呆れた目で見られているのに、状況把握もできないの?

 貴女たちが愚かな発言をする度に、キプロス侯爵家とザイール伯爵家は窮地に追い込まれているの。

 普通なら、謝罪と賠償金で終わる話だけど、二人が侮辱した相手は王太子殿下の婚約者である公爵令嬢と、第一王子殿下の婚約者。

 それでも心から謝罪していれば、心優しいチェリー様のことだから許しただろうし、チェリー様に言われたらランスロット殿下も許したと思うわ。

 私のことに関しては、お父様は全く興味がないから、相手の没落を望まないだろうし、お母様は話が通じる方だから、私に任せてくださるはず。

 問題はキッド様だけど、私に甘いキッド様だから、私がお願いすれば我慢してくださるはず。

 だけどねぇ・・・
さすがにこれだけの人の前で、空気読めない発言をされては、見逃すことは難しいわ。

 キプロス侯爵夫人もザイー夫人も、顔色が青を通り越して真っ白になっていて、今にも倒れそうじゃないの。

「やれやれ、これが侯爵令嬢と伯爵令嬢とは」

「男爵令嬢だったシトリン伯爵令嬢のことを、どうこう言えないだろう、常識知らずにも程がある」

「修道院が妥当では?これ以上醜態を晒せば、お家断絶せねばならなくなる」

 三公爵の言葉に、キプロス侯爵もザイール伯爵も顔をさらに青くした。

 ちなみにお父様は発言されてないわ。

 お母様に「静かに」と言われてから、貝のように口をつぐんだままよ。

「そんな・・・」

男爵令嬢風情のことで、何故私たちが・・・」

 バシッ!

「いい加減にしろっ!エライザ!お前は我がキプロス侯爵家を潰したいのかっ!」

 空気を読まない発言に、とうとうキプロス侯爵が令嬢の頬を叩いた。

「なんてことをなさいますの!令嬢の頬を叩くだなんて!赤くなっているではありませんか。誰か冷たいタオルを持って来て」

 ずっと黙ってみんなの話を聞いていたお母様が、抗議の声を上げた。

 すぐに王宮の使用人が動いて、冷たいタオルを持って倒れ込んだキプロス侯爵令嬢の元へと向かう。

 お気持ちは理解するけど、やり過ぎですわ。

 これで、少なくともご令嬢の他にキプロス侯爵も罰することになったわね。

「キッド様、そろそろ・・・」

「分かった」

 これ以上待っても心からの謝罪を得ることはないし、余計に両家の立場を悪くするばかりな気がするわ。

「陛下」

「ああ、分かった。では、キプロス侯爵家とザイール伯爵家に沙汰を言い渡す。キプロス侯爵令嬢エライザとザイール伯爵令嬢カトリーヌは、北の修道院行き。キプロス侯爵家は伯爵位に降爵の上で金貨五百枚、ザイール伯爵家も同額を今月中に王家に支払うように」

「「そんな・・・北の修道院だなんて」」

「こ・・・降爵?お、お待ちください、陛下っ!」


 
感想 38

あなたにおすすめの小説

王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!

ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」 卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。 なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。

ベールを上げた新郎は『君じゃない』と叫んだ

ハートリオ
恋愛
結婚式で新郎に『君じゃない』と叫ばれたのはウィオラ。 スピーナ子爵家の次女。 どうやら新郎が結婚する積りだったのは姉のリリウム。 ウィオラはいつも『じゃない方』 認められない、 選ばれない… そんなウィオラは―― 中世ヨーロッパ風異世界でのお話です。 よろしくお願いします。

婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!

みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。 幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、 いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。 そして――年末の舞踏会の夜。 「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」 エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、 王国の均衡は揺らぎ始める。 誇りを捨てず、誠実を貫く娘。 政の闇に挑む父。 陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。 そして――再び立ち上がる若き王女。 ――沈黙は逃げではなく、力の証。 公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。 ――荘厳で静謐な政略ロマンス。 (本作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載中です)

(完結)婚約破棄から始まる真実の愛

青空一夏
恋愛
 私は、幼い頃からの婚約者の公爵様から、『つまらない女性なのは罪だ。妹のアリッサ王女と婚約する』と言われた。私は、そんなにつまらない人間なのだろうか?お父様もお母様も、砂糖菓子のようなかわいい雰囲気のアリッサだけをかわいがる。  女王であったお婆さまのお気に入りだった私は、一年前にお婆さまが亡くなってから虐げられる日々をおくっていた。婚約者を奪われ、妹の代わりに隣国の老王に嫁がされる私はどうなってしまうの?  美しく聡明な王女が、両親や妹に酷い仕打ちを受けながらも、結局は一番幸せになっているという内容になる(予定です)

【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。

猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。 ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。 しかし、一年前。同じ場所での結婚式では―― 見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。 「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」 確かに愛のない政略結婚だったけれど。 ――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。 「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」 仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。 シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕! ――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。 ※「小説家になろう」にも掲載。 ※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。

公爵令嬢の辿る道

ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。 家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。 それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。 これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。 ※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。 追記  六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。

見捨てられた逆行令嬢は幸せを掴みたい

水空 葵
恋愛
 一生大切にすると、次期伯爵のオズワルド様に誓われたはずだった。  それなのに、私が懐妊してからの彼は愛人のリリア様だけを守っている。  リリア様にプレゼントをする余裕はあっても、私は食事さえ満足に食べられない。  そんな状況で弱っていた私は、出産に耐えられなくて死んだ……みたい。  でも、次に目を覚ました時。  どういうわけか結婚する前に巻き戻っていた。    二度目の人生。  今度は苦しんで死にたくないから、オズワルド様との婚約は解消することに決めた。それと、彼には私の苦しみをプレゼントすることにしました。  一度婚約破棄したら良縁なんて望めないから、一人で生きていくことに決めているから、醜聞なんて気にしない。  そう決めて行動したせいで良くない噂が流れたのに、どうして次期侯爵様からの縁談が届いたのでしょうか? ※カクヨム様と小説家になろう様でも連載中・連載予定です。  7/23 女性向けHOTランキング1位になりました。ありがとうございますm(__)m

【完結】断罪された悪役令嬢は、二度目は復讐に生きる

くろねこ
恋愛
公爵令嬢リリアーネ・アルフェルトは、 聖女と王国第一王子に嵌められ、 悪女として公開断罪され、処刑された。 弁明は許されず、真実を知る者は沈黙し、 彼女は石を投げられ、罵られ、 罪人として命を奪われた――はずだった。 しかし、彼女は教会の地下で目を覚ます。 死を代償に得たのは......... 赦しは選ばない。 和解もしない。 名乗るつもりもない。 彼女が選んだのは、 自分を裁いた者たちを、 同じ法と断罪で裁き返すこと。 最初に落ちるのは、 彼女を裏切った小さな歯車。 次に崩れるのは、 聖女の“奇跡”と信仰。 やがて王子は、 自ら築いた裁判台へと引きずり出される。 かつて正義を振りかざした者たちは、 自分が断罪される未来を想像すらしていなかった。 悪女は表舞台に立たない。 だがその裏側で、 嘘は暴かれ、 罪は積み上がり、 裁きは逃げ場なく迫っていく。 これは、 一度死んだ悪女が、 “ざまぁ”のために暴れる物語ではない。 ――逃げ場のない断罪を、 一人ずつ成立させていく物語だ。