悪役令嬢のススメ

みおな

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お願いしたら

 エンディと話して、私はお父様とお母様に私の気持ちを伝えた。

 その侍女とやらが、今娼館でどのように暮らしているのか、調べて欲しいと頼んだ。

「セレスは、どうしたい?」

「わたくしは・・・彼女に死ぬほど後悔して欲しいです。反省なんてものじゃなく、お願いだから死なせてと思うほど後悔させたいです」

 優しいセレスティアなら、こんなこと言わなかったかもしれない。

 でも、その侍女は人をのだから。

 貴族令嬢としてのヴェロニカを殺した。

 幸いにも母親である公爵夫人と、婚約者の両親であるクラッツ侯爵夫妻が味方になってくれているから、父親である公爵に知られずに済んでいる。

 だけど知られたら、修道院に入れられる可能性が高い。

 純潔を失った貴族令嬢の行き先がないことくらい、貴族家に仕える侍女なら知っているはずだ。

 つまり、その侍女は知っていて貴族令嬢を殺した、ということだ。

 エンディは、ヴェロニカを手放せないと言った。

 愛情だけの話なら美談だけど、彼はクラッツ侯爵家の嫡男。

 後継である彼は、自身の子供を望めないことを受け入れた。

 両親はエンディの味方らしいけど、いつまでも子ができなければ、ヴェロニカが石女と言われるかもしれない。

 世の中は、どこまでも女性に冷たい世界だ。

 子ができなければ、役立たずの嫁だと罵られる。

 やっぱりヴェロニカのためには、エンディと別れた方がいいのかもしれない。

 ライトニー公爵家には帰せないけど、お父様とお母様の力を借りれば、うちの領地かどこかで、静かに暮らすことは可能かもしれない。

「そうね・・・旦那様、セレスちゃんの希望通りに。娼館での仕事を苦だと思っていないようなら、罰になりませんわ」

「・・・分かった。調査しよう。その後、対処する。それから、ライトニー嬢のことに関しても、一度クラッツ侯爵夫妻とも話をしよう。ライトニー夫人のことは任せてもいいかい?」

「ええ」

 ヴェロニカを修道院に行かせないためにも、それから石女などと言わせないためにも、お父様とお母様の協力は外せない。

「そういえば、お父様とお母様。ミルキー男爵令嬢にひっかかっているという、王家が看過できない方ってどなたかご存知ですか?」

 日々、みんなのストレスが溜まっていってるし、テオドールにいたっては顔が引きつりかけてるから、そろそろ断罪したいのだけど。

「ひっかかって?旦那様、ご存知ですか?」

「あー、うん。これは極秘事項なんだけど・・・まぁ、我が愛しの奥様と可愛い娘だからいいか。クレイル王国の第二王子殿下がなぁ、ミルキー男爵令嬢に熱をあげているようなんだ」

 お父様!
お母様ラブなのも、私を可愛がってくれるのも嬉しいけど、極秘事項は家族相手でも駄目よ~!



 
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