悪役令嬢は執事様と恋愛したい

みおな

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悪役令嬢の異変《シキ視点》

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 なんだか苦しい。

 部屋でいたら、リューク様の訪問を受けた。そこまでしか記憶がない。
まるで、手足を拘束されているようで、全く動けない。

「ふふふっ、すっごい美形」

 生温かい息と、耳障りな声に重い瞼を無理矢理持ち上げる。

 目の前に映ったのは、俺の腰のあたりに跨った、1人の少女ー

「誰だ!何をしている?」

 突き飛ばそうとして、自分の腕と足がベッドに縄で縛られていることに気づく。

「ふふっ、私のことを好きになったら、すぐに解いてあげる。少しの辛抱だからね?」

 意味不明なことを言いながら、少女が俺の顔を覗き込んでくる。
 俺がこいつを好きになる?そんなことあるものか。

 その瞳と目が合った瞬間、頭の奥が、混ぜ返されるような不快感を感じた。何も考えられないような、目眩を感じて吐き気がする。

「シキくぅん?私のこと好きよね?抱いていいんだよ?」

「お・・・れは・・・」

「アイリスの前で、私を愛して?」

「あ、アイリス・・・様」

 少女の指が俺の胸元を撫でるように、シャツを剥がしていく。
 そのに俺は声を上げた。

「俺が愛しているのは、アイリス様だけだ!お前のような痴女を抱くなどあり得ない!!」

「なっ?ど、どうして?どうして魅了できないの?」

 俺に跨ったまま、その少女が言った言葉に、俺は目を見開いた。

 『魅了』
確かにそう言った。

 先ほどの、目を合わした時の不快感を思い出す。あれは、魅了の力を感じたせいか。

「どうしてよ、どうして・・・」

 ぶつぶつと繰り返す少女は、やがて昏い瞳を俺に向けた。

「まぁ、いいわ。もうすぐここにアイリスが来る。その時に、あなたが私を抱いてればいいんだから」

 そう言うと、ポケットから紫色の液体の入った小瓶を取り出した。
 俺の鼻を摘み、喉元を膝で圧迫してくる。空気を求めて、開いた口元に小瓶が詰め込まれた。

 むせ返りながらも、俺が液体を飲みこむのを、満足そうに見ていた少女は、俺の腰の上からようやく下りる。

 ドレスを脱ぎ捨てて、下着姿になった少女は、俺の服を脱がしていく。

「や、やめ・・・!?」

 ドクン!

 血が沸き立つように、体に熱がこみ上げてくる。身体中を熱が蝕んでいくー

「力が入らないでしょう?拘束を解いてあげる。よかったわ、念のために薬を預かっておいて」

 薬・・・
頭が思考することを拒絶しようとする。体が熱を治めたくて、ビクビクと跳ねた。

 下着姿の少女が、再び俺の上に跨った。

「離せっ!」

 残された理性の力を振り絞って、少女を突き飛ばした。
 足のロープを解こうとするが、指に力が入らない。突き飛ばした少女が、昏い瞳を俺に向けてくる。

「抵抗しても無駄なんだから。あなたは私のものになるの」

「俺はっ、俺はアイリス様のものだっ!」

 薬と、『魅了』のせいか、理性が押し負けそうになる。グラグラする思考を必死に叱咤した。

 少女が再び俺に近づこうとした時、ドアが勢いよく開いて、冷ややかな声が響いた。

「何をしていますの?」

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