38 / 101
悪役令嬢の異変《シキ視点》
しおりを挟む
なんだか苦しい。
部屋でいたら、リューク様の訪問を受けた。そこまでしか記憶がない。
まるで、手足を拘束されているようで、全く動けない。
「ふふふっ、すっごい美形」
生温かい息と、耳障りな声に重い瞼を無理矢理持ち上げる。
目の前に映ったのは、俺の腰のあたりに跨った、1人の少女ー
「誰だ!何をしている?」
突き飛ばそうとして、自分の腕と足がベッドに縄で縛られていることに気づく。
「ふふっ、私のことを好きになったら、すぐに解いてあげる。少しの辛抱だからね?」
意味不明なことを言いながら、少女が俺の顔を覗き込んでくる。
俺がこいつを好きになる?そんなことあるものか。
その瞳と目が合った瞬間、頭の奥が、混ぜ返されるような不快感を感じた。何も考えられないような、目眩を感じて吐き気がする。
「シキくぅん?私のこと好きよね?抱いていいんだよ?」
「お・・・れは・・・」
「アイリスの前で、私を愛して?」
「あ、アイリス・・・様」
少女の指が俺の胸元を撫でるように、シャツを剥がしていく。
その不快感に俺は声を上げた。
「俺が愛しているのは、アイリス様だけだ!お前のような痴女を抱くなどあり得ない!!」
「なっ?ど、どうして?どうして魅了できないの?」
俺に跨ったまま、その少女が言った言葉に、俺は目を見開いた。
『魅了』
確かにそう言った。
先ほどの、目を合わした時の不快感を思い出す。あれは、魅了の力を感じたせいか。
「どうしてよ、どうして・・・」
ぶつぶつと繰り返す少女は、やがて昏い瞳を俺に向けた。
「まぁ、いいわ。もうすぐここにアイリスが来る。その時に、あなたが私を抱いてればいいんだから」
そう言うと、ポケットから紫色の液体の入った小瓶を取り出した。
俺の鼻を摘み、喉元を膝で圧迫してくる。空気を求めて、開いた口元に小瓶が詰め込まれた。
むせ返りながらも、俺が液体を飲みこむのを、満足そうに見ていた少女は、俺の腰の上からようやく下りる。
ドレスを脱ぎ捨てて、下着姿になった少女は、俺の服を脱がしていく。
「や、やめ・・・!?」
ドクン!
血が沸き立つように、体に熱がこみ上げてくる。身体中を熱が蝕んでいくー
「力が入らないでしょう?拘束を解いてあげる。よかったわ、念のために薬を預かっておいて」
薬・・・
頭が思考することを拒絶しようとする。体が熱を治めたくて、ビクビクと跳ねた。
下着姿の少女が、再び俺の上に跨った。
「離せっ!」
残された理性の力を振り絞って、少女を突き飛ばした。
足のロープを解こうとするが、指に力が入らない。突き飛ばした少女が、昏い瞳を俺に向けてくる。
「抵抗しても無駄なんだから。あなたは私のものになるの」
「俺はっ、俺はアイリス様のものだっ!」
薬と、『魅了』のせいか、理性が押し負けそうになる。グラグラする思考を必死に叱咤した。
少女が再び俺に近づこうとした時、ドアが勢いよく開いて、冷ややかな声が響いた。
「何をしていますの?」
部屋でいたら、リューク様の訪問を受けた。そこまでしか記憶がない。
まるで、手足を拘束されているようで、全く動けない。
「ふふふっ、すっごい美形」
生温かい息と、耳障りな声に重い瞼を無理矢理持ち上げる。
目の前に映ったのは、俺の腰のあたりに跨った、1人の少女ー
「誰だ!何をしている?」
突き飛ばそうとして、自分の腕と足がベッドに縄で縛られていることに気づく。
「ふふっ、私のことを好きになったら、すぐに解いてあげる。少しの辛抱だからね?」
意味不明なことを言いながら、少女が俺の顔を覗き込んでくる。
俺がこいつを好きになる?そんなことあるものか。
その瞳と目が合った瞬間、頭の奥が、混ぜ返されるような不快感を感じた。何も考えられないような、目眩を感じて吐き気がする。
「シキくぅん?私のこと好きよね?抱いていいんだよ?」
「お・・・れは・・・」
「アイリスの前で、私を愛して?」
「あ、アイリス・・・様」
少女の指が俺の胸元を撫でるように、シャツを剥がしていく。
その不快感に俺は声を上げた。
「俺が愛しているのは、アイリス様だけだ!お前のような痴女を抱くなどあり得ない!!」
「なっ?ど、どうして?どうして魅了できないの?」
俺に跨ったまま、その少女が言った言葉に、俺は目を見開いた。
『魅了』
確かにそう言った。
先ほどの、目を合わした時の不快感を思い出す。あれは、魅了の力を感じたせいか。
「どうしてよ、どうして・・・」
ぶつぶつと繰り返す少女は、やがて昏い瞳を俺に向けた。
「まぁ、いいわ。もうすぐここにアイリスが来る。その時に、あなたが私を抱いてればいいんだから」
そう言うと、ポケットから紫色の液体の入った小瓶を取り出した。
俺の鼻を摘み、喉元を膝で圧迫してくる。空気を求めて、開いた口元に小瓶が詰め込まれた。
むせ返りながらも、俺が液体を飲みこむのを、満足そうに見ていた少女は、俺の腰の上からようやく下りる。
ドレスを脱ぎ捨てて、下着姿になった少女は、俺の服を脱がしていく。
「や、やめ・・・!?」
ドクン!
血が沸き立つように、体に熱がこみ上げてくる。身体中を熱が蝕んでいくー
「力が入らないでしょう?拘束を解いてあげる。よかったわ、念のために薬を預かっておいて」
薬・・・
頭が思考することを拒絶しようとする。体が熱を治めたくて、ビクビクと跳ねた。
下着姿の少女が、再び俺の上に跨った。
「離せっ!」
残された理性の力を振り絞って、少女を突き飛ばした。
足のロープを解こうとするが、指に力が入らない。突き飛ばした少女が、昏い瞳を俺に向けてくる。
「抵抗しても無駄なんだから。あなたは私のものになるの」
「俺はっ、俺はアイリス様のものだっ!」
薬と、『魅了』のせいか、理性が押し負けそうになる。グラグラする思考を必死に叱咤した。
少女が再び俺に近づこうとした時、ドアが勢いよく開いて、冷ややかな声が響いた。
「何をしていますの?」
50
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
悪役令嬢になったようなので、婚約者の為に身を引きます!!!
夕香里
恋愛
王子に婚約破棄され牢屋行き。
挙句の果てには獄中死になることを思い出した悪役令嬢のアタナシアは、家族と王子のために自分の心に蓋をして身を引くことにした。
だが、アタナシアに甦った記憶と少しずつ違う部分が出始めて……?
酷い結末を迎えるくらいなら自分から身を引こうと決めたアタナシアと王子の話。
※小説家になろうでも投稿しています
処刑された王女は隣国に転生して聖女となる
空飛ぶひよこ
恋愛
旧題:魔女として処刑された王女は、隣国に転生し聖女となる
生まれ持った「癒し」の力を、民の為に惜しみなく使って来た王女アシュリナ。
しかし、その人気を妬む腹違いの兄ルイスに疎まれ、彼が連れてきたアシュリナと同じ「癒し」の力を持つ聖女ユーリアの謀略により、魔女のレッテルを貼られ処刑されてしまう。
同じ力を持ったまま、隣国にディアナという名で転生した彼女は、6歳の頃に全てを思い出す。
「ーーこの力を、誰にも知られてはいけない」
しかし、森で倒れている王子を見過ごせずに、力を使って助けたことにより、ディアナの人生は一変する。
「どうか、この国で聖女になってくれませんか。貴女の力が必要なんです」
これは、理不尽に生涯を終わらされた一人の少女が、生まれ変わって幸福を掴む物語。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる