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悪役令嬢の密談《シキ視点》
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その白く細い首筋に唇をつけると、アイリス様が可愛らしい声を上げた。
可愛い。
こんな可愛い婚約者以外に目が行くなんて、どうして思うのだろうか。
拗ねて頬を膨らます姿も、不安そうに瞳を揺らす姿も、怒りで凛とした姿も、花が綻ぶような笑顔も、全てが愛おしくて仕方ないのに。
ミチェランティスに来てから、アイリス様との距離はグッと近くなった。もちろん、誠意ある行動は心がけている。
旦那様やリューク様に顔向けできないようなことはしないよう、我慢の最中だ。
1度してしまうと、我慢するのに随分と努力がいった。
羽目を外しそうになる自分を制するのに、苦心する。だけど、俺は自分の誓いを違えるつもりはない。
2度目は、アイリス様を世界一美しいウエディングドレスで着飾った夜に、誰よりも幸せな花嫁として、身も心も俺の妻になってもらいたいのだ。
そのためなら、いくらだって我慢くらいする。
頬にリップ音を立ててキスを落とすと、アイリス様の頬が真っ赤に染まった。
本当に、どうしてこんなに可愛いんだろう。あの夜の、乱れたアイリス様の姿を思い出して、俺は思わず体を固くした。
ダメだ。思い出しては。抑えが効かなくなってしまう。
「ね、シキ」
「どうしました?アイリス様」
「その、様はまだ取れない?」
アイリス様が、上目遣いに俺を見上げる。
ミチェランティスに来て少したった頃、アイリス様に名を呼び捨てで呼んで欲しいと言われた。
クラウディア家にいる時は、執事としてアイリス様に仕えていたから仕方ないとして、今は婚約者なのだから、と。
呼んだら・・・歯止めが効かなくなりそうなんだよな。
執事だからと、自分を制している部分があることを否めない。
でも、アイリス様は呼んで欲しいみたいで、何日かおきにそう言われるのだ。
仕方ない。
名を呼び捨てで呼ぶことで、周りへの牽制にもなるだろう。
何より、愛しいアイリス様・・・アイリスが喜ぶのなら、歯を食いしばってでも我慢すればいいだけだ。
そっと頬に手を添える。俺を見上げるその小さな唇に、自分のそれを近づけながら、俺は囁きを落とした。
「アイリス、愛している」
可愛い。
こんな可愛い婚約者以外に目が行くなんて、どうして思うのだろうか。
拗ねて頬を膨らます姿も、不安そうに瞳を揺らす姿も、怒りで凛とした姿も、花が綻ぶような笑顔も、全てが愛おしくて仕方ないのに。
ミチェランティスに来てから、アイリス様との距離はグッと近くなった。もちろん、誠意ある行動は心がけている。
旦那様やリューク様に顔向けできないようなことはしないよう、我慢の最中だ。
1度してしまうと、我慢するのに随分と努力がいった。
羽目を外しそうになる自分を制するのに、苦心する。だけど、俺は自分の誓いを違えるつもりはない。
2度目は、アイリス様を世界一美しいウエディングドレスで着飾った夜に、誰よりも幸せな花嫁として、身も心も俺の妻になってもらいたいのだ。
そのためなら、いくらだって我慢くらいする。
頬にリップ音を立ててキスを落とすと、アイリス様の頬が真っ赤に染まった。
本当に、どうしてこんなに可愛いんだろう。あの夜の、乱れたアイリス様の姿を思い出して、俺は思わず体を固くした。
ダメだ。思い出しては。抑えが効かなくなってしまう。
「ね、シキ」
「どうしました?アイリス様」
「その、様はまだ取れない?」
アイリス様が、上目遣いに俺を見上げる。
ミチェランティスに来て少したった頃、アイリス様に名を呼び捨てで呼んで欲しいと言われた。
クラウディア家にいる時は、執事としてアイリス様に仕えていたから仕方ないとして、今は婚約者なのだから、と。
呼んだら・・・歯止めが効かなくなりそうなんだよな。
執事だからと、自分を制している部分があることを否めない。
でも、アイリス様は呼んで欲しいみたいで、何日かおきにそう言われるのだ。
仕方ない。
名を呼び捨てで呼ぶことで、周りへの牽制にもなるだろう。
何より、愛しいアイリス様・・・アイリスが喜ぶのなら、歯を食いしばってでも我慢すればいいだけだ。
そっと頬に手を添える。俺を見上げるその小さな唇に、自分のそれを近づけながら、俺は囁きを落とした。
「アイリス、愛している」
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