溺甘系朧咲夜【完】

桜月真澄

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side咲桜11

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「んー、本気でとりに行くのも悪くないなあ、と」

「? 何か欲しいものがあるんですか?」

先生がどんな顔をしているのかと顔をあげようとすると、抱き寄せられているのとは反対の手に頬を捉えられて、無理矢理上向かされた。

あ、あれ? その表情はやっぱり怒ってない?

「鈍感」

「なんでいきなりディスられるんですかっ」

「なところも可愛かったんだけどなぁ」

「だから――って、え」

「いい加減わからないかな」

「何をですか? 先生こそ全然わかってないじゃないですかっ」

あ、なんか勢いで言い返しちゃった……。ぴくり、と先生の眉が動いた。

「ほー? 俺に喧嘩売ろうと? 咲桜との喧嘩ならいつでも買うぞ?」

「物騒なこと言わないでくださいーっ! 惚れた弱みで勝ち目ありませんからっ」

「いや、降渡じゃなくて俺が買うんだけど」

「へ? なんで私が降渡さんに喧嘩売るんですか? ってか、さっきから降渡さんの名前出てきますけど、先生、降渡さんと喧嘩してるんですか?」

「は?」

「へ?」

……んん?

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