溺甘系朧咲夜【完】

桜月真澄

文字の大きさ
上 下
37 / 109

side流夜1

しおりを挟む

自分のアホさ加減に嫌気がさした。

咲桜が好きなの、降渡じゃなかった。(当たり前だボケ!by降渡)

夕方から夜への帰宅の道すがら、華取の家に寄った。

昼間のうちに、在義さんには連絡して承諾をいただいている。

在義さんは、俺が咲桜を好きなことは承知だ。

そんな在義さんなら娘の気持ちも知っていただろう。

……あの人どんだけ楽しんでいたんだか。

華取の家の駐車スペースに車を停めてからインターホンを鳴らすと、玄関から私服姿の咲桜が飛び出して来た。

プライベートで俺といるとき制服を着ないのは、咲桜なりの考えあってのようだ。

今年からは同じ学校の教師と生徒だから、問題の芽は少しでもつんでおきたいという。

「お疲れさまですっ」

「うん。準備出来てる?」

「はい! ちゃんと課題も持ちました!」

真面目か。

うーん、もうちょっと色事的な話をしたいんだけど……咲桜の純なところに救われてきているから、今回もそういうことになるんだろう。

しおりを挟む

処理中です...