溺甘系朧咲夜【完】

桜月真澄

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side咲桜20

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「………」

あれ、おかしいな……私もいつも通りなはずなんだけど……。

腕を摑まれて停まった足はそのまま、振り返れなかった。

「咲桜?」

何も言わない私を不審に思ったか、流夜くんが一度腕を離して私の前へ回り込んで来た。

「どうした。クラスでなんかあったのか?」

少し身を屈めて、私の前髪を押し上げて額に手を当てて来た。

「……咲桜?」

「……あの、一つ、訊いてもいいですか?」

「うん?」

「………お見合いするって、本当ですか?」

心臓がドキドキしてきた。訊いておきながら、答えを聞くのが怖い――。

流夜くんは、眉根を寄せた。

「は? そんなことしないけど?」

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