溺甘系朧咲夜【完】

桜月真澄

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side咲桜24

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「………」

「うん? そんな可愛く見て来るとなんかしたくなるな」

「睨んでるつもりだったんですが……」

「うん、じゃあ他の奴睨むなよ?」

「? なんでですか?」

「……ヘンな気を起こす奴がいたら大変だから」

「喧嘩売る相手はちゃんと選んでますっ」

敵わないと思った人に正面切って啖呵切ったりしない。

そんな誰彼構わず喧嘩売るみたいに言われたら心外だな。

そう言うと、流夜くんはくすくす笑い出した。

「だからそういう意味じゃないんだけど……っ、……咲桜、キスしようか?」

「……ええっ!?」

え、え、えええっ!? な、なんで急にそんな話に!?

「ちゃんと言えない分、行動で示そうかと」

「びっくりすること言わないでください!」

「んで? どうする? 選択権は咲桜にあるよ?」

なんて選択権ぶん投げてくるんだ! でも、あ、頭が沸騰してきた……。流夜くん、と…………、

「……そういうのは、だめ、です……」

「だめ?」

「そういう、ことは、……ちゃんと、付き合ってる人がすること、だと思うから……」

わー! なに自分から断ってるんだよー! 確かに……きす、がそういうものだとは思うけど、流夜くんが気を悪くしたらどうしよう。こんなカタいこと言って、愛想つかされたりしたら……。

「ん。わかった。ちゃんと言えるようになったらすぐするから、それまで誰ともするなよ?」

「~~~流夜くん、最近頭の中に花舞ってません?」

言動が明らかにおかしすぎると思うんだよ。

今までの流夜くんはどっちかって言うと何事にも冷めた態度って言うか、クールって言うか……だったから。

「それ、咲桜とのこと知ってる奴はみんなに言われてる」

「否定しといてください!」

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