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side咲桜31
しおりを挟む「僕? え、男の人……?」
一人が呟くと、流夜くんは言いにくそうな顔をした。
「あー、そう。吹雪は間違えられやすいけど男。同じとこで育ったから、まあ確かに幼馴染か」
「な、なんだー。てっきり先生に言い寄ってるお見合い女かと思っちゃいました。今日学校まで来たって聞いたんで」
「……それ、もう生徒にも話行ってるのか?」
少し低くなった流夜くんの声に、本当だったのだと私も初めて知る。
流夜くんの瞳が一瞬、こちらに向いた。
ええと……大変ですね? なんと反応したらいいかわからずにいると、
「――神宮さん!」
甲高い女性の声が、流夜くんを呼んだ。
振り返ると長い黒髪の、いかにもお嬢様って感じの服装の女性が、唇を噛んで流夜くんを見ていた。
「今日お伺いしましたのに、逢ってもいただけなかったので来てしまいました」
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「……違う」
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