溺甘系朧咲夜【完】

桜月真澄

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side咲桜35

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『咲桜、頼むから今すぐ白へ来てくれ。ちゃんとぜんぶせつめいさせてくれ』

慌てて打ったのか、漢字も変換されていない。……流夜くんらしくない焦り方。

どうしよ……今《白》へ行ったら、確実にあの金髪美人さん、いるよね……。人前で堂々と流夜くんに抱き付けるような人―――

「咲桜、行くぞ」

「え、頼?」

頼に右腕を摑まれて、ひきずられるように歩き出した。笑満も慌てた様子でついてくる。

「ら、頼……」

「流夜さん、説明するって書いてあるじゃん。この際全部聞こうよ」

「……やだ……」

「やだって言って、どうするの? 帰る? 何も説明されないままでいいの?」

「……それもやだ……」

「じゃあ行くよ」

頼にひきずられたまま、何の決心も出来ないまま、《白》へたどり着いてしまった。

頼が躊躇いもなく猫の鈴がついたドアを開ける。

見たくない、と一度目を瞑った。

でも、金髪美人さんが何者なのか、知りたい心もあって――目を、開けた。

腕を組んで仁王立ちした流夜くんと、その目の前、床に正座した金髪美人さんがいた。

……どういうこと?

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