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side流夜2
しおりを挟む今日は華取の家に行くには早い時間にあがったから、《白》の裏手にある駐車場に停めて上総署へ行って来た。
少し、私事で龍さんと吹雪に話すことがあったから。
そうしたら吹雪も《白》へ行くと言い出して、一緒に戻ってくる道中、あの迷惑女の非常識行動と斎月の茶番に遭ってしまったんだ。
黙り込んだ咲桜を車に乗せて、自分のアパートへ向かう。
……咲桜に嫌われたら、この関係は終わってしまうんだろうか。
いや、付き合うとか、そもそも好き合ってのことなんだから、嫌いになったら別れを切り出すもんだろう。
……咲桜に別れを切り出されるとか、俺死んでしまうんじゃないだろうか……。
咲桜の認識としては正しく付き合っているわけではないようだけど、俺は勝手に咲桜の彼氏のつもりでいるから。
……とんだ自意識過剰だ。
勝手に秘密を持って、そんな気でいるなんて。
咲桜はずっとうつむいて、黙っている。
……ごめんな。
俺の部屋のローソファに、咲桜を座らせた。大した対抗もなく大人しい。
俺はその前に両膝をついて、咲桜の手を取ろうと手を伸ばしかけた。
……でも、触れられずに、引っ込めた。
そのまま、話し出す。
「……咲桜に告白出来なかった理由、……俺、桃子さんに逢ったことはない。俺たちが在義さんと知り合う前に亡くなってるから。……でも、桃子さんが誰だか、知ってるんだ」
はっとしたように、咲桜が顔をあげた。
……咲桜に、ずっと隠していた秘密。出来ることなら知られたくなかった……。
「桃子さんの本当の名前……生まれた時の名前は、神宮美流子(じんぐう みるこ)。俺の、行方不明だった姉なんだ」
咲桜は、ただ大きく目を見開いた。
……咲桜を、小さな頃から見守ってきた子を傷つけるような話を、自分からすることがあるなんて……。
俺は、生まれてすぐに家族を失った。みんな、殺された。
ただ一人、現場である実家から姿を消した、姉の美流子を除いて。
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