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二 だったらそれは、
side咲桜16
しおりを挟む「流夜くんのこととか、結構署内では有名なんだけどねえ」
「知らない――てか教えてくれてない!」
「うーん、まああの子はそういう自分から話すの苦手だからね。生い立ちのこともある」
「そ、なんだ……」
「そうだよ。だから、咲桜が流夜くんの家族のことを知ってるって聞いたときは驚いた。ま、ゆるしてやりなさい」
「ゆるさないもなんもないけど――そんなにすごいんだ……」
「うん」と、在義父さんが肯いた。
「当時流夜くんは高校生だけど、降渡くんと吹雪くんと、よく事件に首突っ込んで見事解決してくれてたなー。あのときは確か、流夜くんがアリバイ崩して、行方をくらませた犯人を見つけたのが降渡くんで、最後に捕まえたのが吹雪くん、だったかな」
「なにその役割分担みたいなのっ」
「基本的に三人ともに万能なんだけど、得意分野に特化するとそうなるんだ」
「……すごすぎて意味わかんない」
正直な感想だった。
「すごいよねえ。正直、私も三人には警官になってほしかったよ。遙音くんのことがあった高校生時点で、流夜くんと降渡くんにはその気はなかったようだけど」
「高校生だったんだ……」
自分と同い年の流夜くん。想像するのは難しいけど、もの凄く見てみたい。絶対カッコいい。今度降渡さんに逢ったら写真でも見せてもらおうか。この前は流夜くんに蹴飛ばされたり龍生さんにこき使われたり散々な目に遭っていた人だったけど、フレンドリーで話しやすかった。
「うん。降渡くんは大学在学中に、龍生の探偵業を継いでしまったんだけどね。それで中退しちゃったし。吹雪くんは……入ってくれたのはいいけど一年目で閑職に飛ばされるようなことするからなー、あの子は。咲桜、三人とも面識はあるんだろう?」
「あ、うん。この前龍生さんのとこで。揃って逢ったわけではないけど」
「三人揃うと面白い子たちだよ。一番大人しく見える吹雪くんが、一番手をつけられない暴れ馬なんだ。せめて流夜くんが一緒に警官になってくれていたら、今みたいなことにはならなかったろうね……」
二人は吹雪くんの安全装置なんだよ。在義父さんは肩を竦めて言った。
――流夜くんが、教師じゃなかったら。
その前提を、考えたことがないわけではない。
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