43 / 216
二 発覚
side作之助8
しおりを挟む「玲哉くん、千波さんは?」
誰だ。
「今日は遠江(とおとうみ)さんと帰るって。だから俺も自分の用事のこっち来た」
誰だ。
そしてわざわざ来てくれてありがとうだけどすまない。玲哉は引っ越してからも、何かと俺を気にかけてくれる。ありがたい。
「そっか。じゃあもうわたし帰るね。コガサクくん、今日体調不良でお休みだったから、玲くんも長居はしない方がいいよ」
「うん。じゃあ俺も帰るか。水都ちゃん――」
「言って置くけど送らなくていいからね」
「え、あー、……うん」
うん? なんだこの雰囲気。
立ち上がった藤沢さんが、立ち上がりかけた玲哉にぴしゃりと言った。
玲哉は少し落ち込んだ様子……藤沢さんは怒ってる……とは違うかもしれないけど、雰囲気がトゲトゲしている。
えーと……
「じゃあ藤沢さんは俺が送るよ。おかげさまで調子悪いの治ったから」
「コガサクくん、それは――」
「頼んだ! コガサク!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる